仕事を辞めたいと言うと、どこからともなく現れてくる謎の勢力がいますよね。「それって甘えなんじゃない?」と、何から何まで「甘え」と一刀両断してしまう勢力のことです。

そうやって厳しくするほうがその人のためだと思い、甘えと切り捨ててしまうんでしょう。

実際、「甘え」だと感じる主張があるのは、事実です。

営業の仕事を辞めたことのある僕でも、「いやそれは甘えだよ」と思うことがあります。

ただ、甘えと正当な主張の違いは、相談される側も、辞めたい側も把握しておくべきです。

そこで、転職後も営業として働いてる僕が、独断と偏見交じりで、それを線引きしてみたいと思います。

向いていないと思う

「営業の仕事、僕には向いていないと思うんですよ」

これは、正当な主張です。

ただし! その理由が明確であれば、正当な主張と断言できます。なんとなく「向いていないんじゃないかなあ」という人は甘えです。ぼんやりとした考えで「向いていない」と感じている人は、もう少し続けてみてください。

営業の仕事の何たるかを、まだ完全には把握できていないんだと思います。

それを完全に把握したとき、辞めたくなくなっている可能性もあるんです。もちろん、完全に把握した結果、明確な理由を付け足して「向いていない」と断言できるようになることもあります。そうなったら、それは正当な主張だと言えるでしょう。

ノルマが達成できないから

「全然ノルマ達成できなくて、辞めたい」

非常に判断が難しいですが、これは甘えです

営業職にノルマは付き物ですが、それが達成できないから辞めようというのは安直すぎます。営業ノルマを達成するための研究や努力を怠っていませんか? 恥を忍んで先輩に営業のコツについて習いに行ったり、失敗したことをメモして対策を立てたりしましたか?

嘆いている暇があれば、研究しよう。

もしも、努力や研究をしてもダメなら、それは会社のノルマが厳しすぎるからです。

それなら営業の仕事を辞めるのではなく、職場を変えるだけで良いじゃないですか。職場によっては緩いノルマで自分のペースで頑張れるところもありますし、そもそもノルマなんて設定していないところも少なからずありますよ。

僕も転職以前はノルマ地獄でしたが、今は結構緩めです。

ノルマ地獄の時には「営業なんてクソだ」と思ったこともありますが、今となっては営業でよかったと思っています。僕にとって、ノルマが緩い職場での営業職は都合がいいんです。僕は勤続年数に応じて相応の給料が貰えれば、それでいいから。

僕のように、職場を変えると「営業も悪くないな」と思える可能性があります。

だから、ノルマが厳しいからと、営業を辞める必要はありません。

販売するものが…ね

「自分が販売するものに魅力が感じられないから、辞めたい」

僕から言わしてみれば、これは完全な甘えです

営業の仕事は顧客に商品の魅力や価値を伝える仕事ですが、営業マンがその魅力を感じる必要はありません。「魅力を感じないと売れないでしょう?」と思うかもしれませんが、いやいや、魅力なんて感じなくとも売れますよ。

魅力は、感じるんじゃない、知るんだ。

情報として「この商品の魅力はここ、価値はここ」と知れば、それを伝えられます。

魅力はどこにあるのかを知る方法は、自社商品のCMを見たり、一度売ったことのある顧客に話をきくなり色々あるでしょう。先輩に「この商品の魅力や価値はどこにあると思いますか?」と聞いてみても良いかもしれません。

そういう情報を頭の中で整理しておいて、それを効果的に引き出すのが営業の仕事。

その情報にいちいち共感する必要は、ないんですよ。

ただ、自分の知っている情報に説得力を持たせるために身振り手振りを付けてみるだとか、エピソードを付け加えるだとか、そういう営業術は必要ですけどね。

上手な営業マンというのは、自分なりの営業術を身に付けて、巧みな話術で「魅力がないと思っているもの」でも、魅力的に感じさせる人だと僕は思います。魅力を感じないから売れないというのは、おかしな話です。

労働時間や拘束時間

「労働時間が不規則だから、辞めたい」「拘束時間が長いから、辞めたい」

営業職は顧客に合わせて動くため、労働時間が若干不規則になりがちですし、拘束時間も長くなる傾向があります。ただ、全ての職場がそうなっているわけではありません。営業でも定時上がりができるところは、いくらでもあります。

ただ、甘えではありません。

正当な主張です。

正当な理由ですが、営業職を辞める正当な理由ではなく、職場を変える正当な理由と言えるでしょう。営業自体を辞める理由としては、少し納得できません。

正当な主張は、一言で片付けられる

ここまで丁寧に「正当な主張」と「甘え」とを線引きしてきましたが、ここで少し大雑把に考えてみたいと思います。僕が「営業を辞める理由」として正当な主張だと感じるようなものは、次のような主張です。

  • 人と関わるのが苦手
  • 詐欺みたいで良心が咎める
  • 本気で嫌気が差した

ただ、これら全部、たった一言で片付けられるんですよ。

そう、最初に挙げた「営業が向いていない」という一言にね。

人が関わるのが苦手という人は、そもそも営業に向いていません。詐欺みたいで良心が咎めるという人も、営業には不向きです。営業マンは心からオススメできない商品でも勧めなければならない、詐欺師のようなものですから。

本気で嫌気が差したというのも、向いていないからと言えます。

「向いていないから」で片付けられる主張は、正当な主張と断言できる。

そう片付けられない理由の中で「勤務時間」「給料」「人間関係」などに関する主張は、職場を変えるだけで良いため、営業を辞めたい正当な主張とは言い難いです。甘えとも言えないかもしれませんが、正当でもありません。

ただし、自らの努力が足りないものや、営業の仕事の本質と異なる主張に関しては甘えです。