新しい顧客を切り開く、新規開拓営業。

好きな人は好きだけど、嫌いな人はとことん嫌いな仕事ですよね。最初は嫌いでなくとも、顧客が掴めないと段々嫌いになってしまいます。ガンガン契約が取れると面白いだろうし、思うようにいかないと何にも面白くない。

数字が出せる営業にとっては、これ以上に良い仕事はありません。

ただし、そうでない人にとっては、これ以上に嫌な仕事も無いでしょう。そうやって新規開拓営業を辞めたくなっている人に伝えたいことは色々あります。それをこれからじっくり語っていくんですが、まず最初に言いたいことがひとつ。

「辞めたい」人間が続けられるほど、新規開拓は甘くない。

会社にいられない

新規開拓営業は、新しい顧客を切り開くことを目的とした営業手段です。企業が常に利益を上げるためには、常に新しいユーザーを得なければなりません。特に固定客をつけることが難しい業界だと、新規開拓できなければ会社の売り上げは無いに等しいです。

新規開拓を行う営業職は、会社にとっての肝臓。

会社が健康的に売り上げを上げて、存在を維持し続けるためには肝臓の働きが重要になります。僕たち人間にとっての肝臓も同じですよね。肝臓が代謝と無毒化をしてくれなければ、健康に生きていけません。

営業は「仕事を回す」=代謝を行う人材。

ただ、人間の肝臓と異なるのは、「いくらでも代用品がある」と考えられている点です。

営業は使い捨てられる、と言われています。新卒採用で営業職に回るような人材は多いし、営業職は営業職内で転職を繰り返すことも多いため、なかなか供給が途切れないんです。「営業を志望する人」の数は減っていると思いますが、新卒の場合は会社都合で配置を行うことができますから、志望する・しないは関係ありません。

代用品があるから、数字を上げることのできない人間は不要。

場合によっては自主退職を迫られたり、社内ニートに追いやられるということも多いです。辞めたいと思いながら仕事をしている人は、まず会社にいられなくなります。会社に必要とされなくなってしまうんです。

「辞めたいなら辞めるべき」と言えますが、「辞めたい人は続けられない」とも言えます。

どのみち続けられないんなら、自分の思うタイミングで計画的に辞めてしまったほうが良いでしょう。

続けられる可能性は?

辞めたいなら辞めればいいと思いますが、転職しないで済むならそれに越したことが無いのは事実です。新規開拓営業を辞めたい理由を「辛いのは数字が出せないからだ」と結論付けられる人は、まだ続けられる可能性が残っています。

数字が出せるように、工夫するんです。

数字を出すために最初にすべきことは、提案資料の見直し。会社から資料を与えられている人が多いと思いますが、一度その資料を顧客の立場で見直してみてください。案外、顧客の本当に知りたい情報が抜け落ちていたり、わかりやすさに欠けていたりします。

会社が作った提案資料は、どうしても「自社製品・サービスを知り尽くしている人」の作った資料になる。だから、知らず知らずのうちにわかりづらくなりがちなんです。

誰にでも理解できる内容か、誰でもその魅力に共感できる内容かを見直すだけでも成績は上がります。

また、必死になりすぎないことも大事です。

売ろうとするのでなく、商品・サービスが自ら売れていくようにするのが上手な営業。

「ここがオススメですよ!」「めちゃくちゃ良い商品です!」

魅力を強くアピールしてはいけません。大切なのは「お客様にはこういったタイプのものが合うと思います」と選択肢をある程度限定してあげることと、「皆さんこう言ってくださっています」とユーザーの意見としてさりげなく魅力を伝えることです。

感覚的な問題ですが、大事なのはアピールではなく、伝えること

伝えるだけでなく、「どう思います?」「これ、気がつかれました?」と問いかけや呼びかけを行うのも効果的。ジャパネットタカタの社長を思い浮かべてみてください。彼は常にユーザーへの問いかけを行っていますよね。

営業が必死になるのではなく、必要な情報を顧客に伝えて、顧客に判断させる・気づかせることが大事ということです。

それに、売る側が必死になると、客側が引いてしまうという消費者心理があるんですよ。売り上げノルマがあるために焦って必死になるのはわかりますが、余裕のオーラを身にまとって営業をするようにしましょう。

また、売れている営業マンを見てください、絶対どこかでサボっています。

デキル奴ほど、ネカフェやファミレスでサボる法則。

「自分のペースで売ろう」と余裕を持つことで、メリハリも生まれます。逆もまた然り。「サボリ」と言えば聞こえが悪いですが、営業マンにとってのサボりは余裕を持つためのメリハリなんです。

僕が紹介する営業努力は以上ですが、数字が伸びないから辞めたいという人は、転職する前に一度アレコレ試してみてください。

そうではなく、根本的に新規開拓に嫌気が差したという人は、転職することをオススメします。

新規開拓から脱出

新規開拓営業から脱出したとして、次はどこに安息を求めるのか。

多くの人は、完全ルート営業の会社にそれを求めます。

完全ルート営業なら新規開拓をしなくてもいいし、新規開拓の不満点の多くを解消できますからね。新規開拓は「ノルマが厳しい」「顧客をだましている気分になる」「飛び込みやテレアポが嫌」「多くの人に会うから、嫌な客に会うことが多い」ことが不満だと語る人が多いです。

ルート営業は既存顧客を回る仕事なので、顧客を騙している感覚にもならず、飛び込みやテレアポもしません。決まった客を回るためにノルマもそれほど厳しくはなく、新規開拓営業よりは緩く仕事をすることができます。

ただし、ルート営業も完全無欠ではない。

デメリットもあることを、知っておいてください。ルート営業のデメリットとして、僕が強く実感することがあるんです。

「ルート営業は、顧客を選ぶことができない」

新規開拓営業はある程度顧客を選ぶことができます。「この顧客は合わないな」と思ったら、その時点で提案を引き上げればいいだけの話ですからね。嫌な客に会う確立はとても高いけれど、イチイチそれに構う必要も無いんです。

ただ、ルート営業は合わない顧客でも、嫌な顧客でも付き合っていかなくてはなりません。

ルート営業が成り立つのは、それぞれの顧客を大切にして深く長いお付き合いをしているためです。相手のことを深く知っていて、相手もこちらのことを深く知っている。お互いにある程度信頼しているから、顧客は自分の会社から物やサービスを購入してくれるわけです。

嫌な客とも、信頼関係を築かないといけない義務が、ルート営業にはあります。

嫌な客が自分の固定ルートの中にいたなら、新規開拓よりも精神的苦痛を味わうことになるでしょう。それでルート営業を辞める人も多いし、うつ病になる人だっています。

このデメリットを知った上で「それでも挑戦してみよう」という方には、ルート営業への転職をオススメしますよ。

しかし!

「新規開拓辛いなら、やっぱりルート営業っしょ」というような安直な考えでの転職は、オススメできません。