「僕、広告代理店で働いてるんですよ」

スッと名刺を出して相手の顔を見てニヤリと笑う…。広告代理店という舞台はドラマや映画で多く使われ、どことなくカッコイイ印象がありますよね。広告代理店は文系の中でもエリート街道を走ってきた人が多いとも言われ、知的でクールなイメージです。

ただ、その裏では泥臭い仕事もたくさんありますよね。

世間一般のイメージだけでは語りつくせない広告代理店の仕事、特にその営業職となるともう大変。辞めたいと思うのも無理はないほどに激務で、中には精神崩壊をする人もいるのだとか――。

午前中はコール地獄

広告代理店の営業の仕事は、電話から始まる。「この業界にコールかけてきます」と上司に報告した後、一日最低でも100件は電話をかけ続けることになります。

「数打てば当たる作戦」ですね。よくあるテレアポ営業です。

100件中、具体的に営業の話ができる客は2~3件。この段階では商談をしてから契約するかどうかが決まる、見込み客でしかなく、そこから実際に契約に繋げなければなりません。ただ、実際なかなか契約に繋げることはできないでしょう。

夕方からは資料作成

電話をかけて喉をカラカラ砂漠にした後、獲得した見込み客に対する提案書を作る作業に入ります。電話をかけ続けた後に提案書を作成するため、この作業に突入する頃には夕方になっていることが多いです。

ということは…はい、残業確定。

資料作成の仕事自体はそう辛いものでもありませんが、残業確定することが苦痛なんですよね。電話をかけ続けて心身ともにクタクタなのに、そこから資料を作らないといけない。資料のテンプレがある場合は良いですが、個別で色んな資料を作る場合にはこれまた地獄と化します。

未納の辛さ

広告の仕事をしていると、未納ということがあります。

成果物を納品できずに終わることもそうですし、クライアントがお金を支払わない場合もそうです。成果が悪かったとか、効果が上がらなかったとか、思っていたものと違ったとか、クライアントは色んな難癖をつけてきます。

そんなの営業職は知ったこっちゃないんですが、責任は営業に回ってくる。

「君が取ってきたクライアントが金を払わないといっている」
「君が契約時に効果が上がるとか言わなければ」

クライアントだけでなく、上層部も言いたい放題してくれます。

電話地獄の残業三昧、激務に激務を重ねて頑張っているのにも関わらず、内外から謂われの無い非難を浴びることになるとなっては、辞めたくなるのも無理はありません。精神崩壊する人がいるというのにも、納得です。

転職するのは良いけど…

広告代理店の営業を辞めたいなら、精神崩壊する前に辞めてしまったほうがいい。

ただし、転職をするなら多くを望まない覚悟が必要です。広告代理店の営業を辞めるのには、デメリットもありますから。

それは何かというと、広告代理店の給料の良さや待遇の手厚さを失ってしまうというデメリットです。広告代理店は営業職の中でも待遇が良く、この業界から離れると年収が大幅減になることがあります。「辞めたいけど辞められない」という人も多いですが、その理由がこの高待遇です。

広告代理店を辞めることで待遇が下がる覚悟が必要。

出来るだけ下がらないように対策を打つことは出来ても、全く下がらないようにすることは極めて困難です。出来るだけ下がらないようにするにはどうすればいいのかというと、対策方法はとても単純。

「転職エージェントを頼ること」です。

転職エージェントのキャリアコンサルタントには「転職を成功させる義務」があり、成績ノルマがあります。この場合の「転職成功」というのは、転職先で給料が上がったことです。もちろんそれだけではありませんが、一番わかりやすいのはそれですよね。

待遇は目に見えますから。

だから、転職エージェントの担当者は必死で転職者の給料を上げようとするし、紹介する求人は今より給料が高いものが中心となります。

広告代理店の営業を辞める時点で給料を上げることはできないと言われるでしょうが、それでも出来るだけ下がらないようにしてくれるんです。待遇が大幅に下がったなら、自分の成績に傷がつきますからね。

待遇の減少を最小限に抑えながら、転職者の希望条件にあった職場に転職させる。

それが、広告代理店の営業から転職する人に対しての「成功」と言えます。

デメリットを少しでも小さくするため、一人きりで仕事を探すのではなく、転職エージェントを頼ってみてください。デメリットを小さくする以外にも、「転職しやすい職種」や「挑戦できそうな職種・業界」などを教えてくれるというメリットがありますよ。

僕がオススメする業界・職種

「待遇維持」は転職エージェントに任せるとして、僕は待遇を維持することより広告代理店の仕事の不満点を解消することに重点を置いてオススメの職種や業界を考えてみました。広告代理店の仕事の不満点は「仕事が多い」「残業や休日出勤が多い」「テレアポ辛い」というところ。

それを解消できる業界・職種は、こちら!

  • メーカー
  • ディレクター職
  • IT営業
  • 外資系企業の営業職

メーカーは職種は何であれ残業が少なく、休日出勤が基本的に無いと有名です。自社で製品を開発・製造している会社ですから、スケジュールや適切なノルマが組みやすいんですよ。だから就業時間や休日はハッキリ決めて、それを守ることを前提としているところが多く、残業も休日出勤も少ないんです。

広告代理店はクライアントありきで自社都合でスケジュールが組めず、そういう部分が曖昧。だから残業や休日出勤が蔓延ってしまうわけです。

一番オススメなのは、メーカーですね。

ディレクターやIT営業に関しては職場によっては残業が多く激務なところもありますが、そういうところを避ければ広告代理店の営業職と通ずる仕事であるため、転職もしやすくて不満も解消できます。残業が少ない職場選びは、転職エージェントの利用である程度実現することが可能ですよ。

また、外資系企業は残業が多い=無能という扱いにするところが多く、残業しない風潮があります。

このような業界・職種を目指して転職をしながら、転職エージェントを頼って出来るだけ待遇が大幅に下がらないように対策を打つことによって、広告代理店からの転職は限りなく成功に近づくでしょう。

後は本人の覚悟と、努力次第です。

ただ、ひとつ僕から言えることは、広告代理店で営業を続けるより、多少待遇が下がってでも転職した方が、結果的に有意義な人生を送ることができるということ。

激務で体を使いつぶして高給を得るより、適度に働いて適度にお金を得るほうが、幸福度は上がりますから。