「証券会社で高給取りに、俺はなる!」

右手を掲げながら意気込んだのは良いものの、今では証券会社を辞めたい。高い給料を得たいという目標だけでは、仕事は続けられないものです。ましてや、その目標すら雲の上のものだと知ってしまえば、モチベーションは限りなくゼロに近くなります。

確かに証券会社は、数字が出せる人にとっては年収1000万円の高給取りになることができる仕事です。

ただ、そんなのは一握りだ!

辞めたい気持ちを引きずってまで、目指すものではない。

証券会社は辛いことが多いんだから――。

証券会社の営業マン、ここが辛いよ

僕が聞いたことのある、証券会社の営業を辞めたいと語る人たちの話を総合すると、証券会社の営業の退職理由は大体みんな同じだということがわかります。

恐らく、皆さんも「うんうん」と頷くものばかりだと思いますが、一度自分の気持ちを客観視してもらうために、よくある退職理由を紹介しましょう。

第一に、成果主義が理由と語る人が多いです。

証券会社の給料体系は「歩合制」であることがほとんどで、証券を売れば売るほど自分自身の懐が儲かります。そして、数字を出せる人は上司にも好かれるんです。これが成果主義・歩合制の良い面ですが、悪い面もあります。

数字を出すことができなければ給料は上がらないし、上司からは嫌われる。上司に怒鳴られるだけならまだ良いですが、殴られ蹴られと暴力を振るわれるという場合もあります。職場内には常に誰かの怒号が飛び交っていて、時には机を蹴る音がすることも。

極道屋さんじゃないんだから…。

証券会社では、数字が全てであり、数字が出せない人は人格すらも否定される。最早ここでは数字そのものが人格となっているのだ。

証券会社の営業が一番辛いのは、こういう証券会社の社風というか、風潮ですよね。

また、単純に拘束時間が長くてプライベートの時間が取れないことも、退職理由として挙げる人が多いです。朝早くから夜遅くまで仕事をして、平日は休まるときが無く、休日は家でずっと寝ていて趣味をしたり、出かけたりする気力が沸かない。

楽しかった趣味を楽しめなくなったら、人間死んだも同然だと思います。楽しいことを楽しいと思えないくらい忙しく、ただ働くだけ…そんなのはロボットと同じだ。

忙しすぎると、趣味などの、仕事をする意味・金を稼ぐ目的すらも見失いかねません。

まとめると、証券会社の営業を辞めた人の理由は、一に成果主義、二に拘束時間の長さということです。

辞めるべき人、辞めないべき人

証券会社の仕事を結構辛らつに語りましたが、それでも今すぐ辞めるべきではない人もいます。

それは「証券営業の仕事自体が嫌いというわけではない人」です。

「顧客に損をさせて辛い」「モチベーションが保てなくなった」「成績が不振」という理由で退職しようという人は一度冷静になって考えてみてください。辞めたら、後悔する可能性があります。

証券営業の仕事を辞めて、後悔する人って結構いるんですよ。

辞めるべき人というのは、自分自身を押し殺してまで精一杯働いている人です。成果主義や拘束時間の長さに嫌気が差していて、毎日憂鬱で何も楽しくない。このままでは自分自身は死んだも同然だという人は、今すぐにでも辞めるべき。

毎日憂鬱なのは、証券会社の仕事自体が嫌いだったり肌に合わなかったりするからなんです。

辞めるべき人がするべき行動は、転職。

特にオススメな転職先は「ルート営業」です。新規開拓営業の証券会社からの転職先として、不満を解消するのに一番適しています。ルート営業には「嫌な客から逃げられない」デメリットがあるので、それを承知の上で挑戦したい人はルート営業の世界に飛び込んでみてください。

営業以外の職種に挑戦するのも良いかもしれませんが、年収が大きく下がる可能性が高いので注意しましょう。転職エージェントを利用することで「自分に適した職種」を探ってくれたり、年収が極力下がらないように努力してくれたり、異業種転職の問題点が和らぎます。

ぜひ、利用を考えてみてください。

ただ、僕が一番オススメする転職先は営業以外の職種ではなく、「メーカーの法人営業」です。残業と休日出勤が少なくてプライベートの時間を取れるし、ルート営業の会社が多くノルマが少なめなので成果主義の風習もありません。

辞めるべき人が取るべき行動は営業にしろ異業種にしろ、「転職」しかなくて単純ですよね。今すぐ辞めるべきではない人が取るべき行動も、案外単純です。

今すぐ辞めるべきでないなら、どうすればいい?

今すぐ辞めるべきでない人は、少し様子を見てみましょう。

ただ、「じーっと」して過ごすだけでは意味がありません。最初にすべきなのは「モチベーションを整えること」です。無理にでも休暇を取って気分転換に旅行に出るなり、今までやりたくてもできなかったことをしてみる。

そうすると、案外仕事のモチベーションは整ってくるものです。

モチベーションという土台を整えたら、後は成績を上げるための努力をしましょう。

もう既に色んな努力をしたかもしれませんが、色んな角度から努力をすることが大切です。一番にやってみて欲しいことが、成績の良い人を観察すること。恐らく、成績の良い人は人格的に褒められた人間ではないのではないでしょうか。

営業の仕事をすると、こういう言葉に出会うことがあります。

「営業は、相手の話を聞いてこそだ」

それは一部正しいですが、証券会社にとっては綺麗ごとに過ぎません。証券会社で働く営業は、短期間で沢山稼げなければならないため、相手の話を聞くなんて悠長なことは言ってられないんです。証券会社には転勤が付き物だし、僕が思うに証券は時間をかけるほど売りにくくなるから。

時間をかけるほど「儲からないのではないか」という疑念を持つ余裕を生むため、売りづらい。

考える時間を極力与えないことが、証券を売りつける秘訣。

だから、短期間で勝負をかけるのに話を聞いてから「また今度ね」というわけにはいかないんです。僕が思う成績の良い証券営業マンというのは、相手の話なんてあまり聞かずにマシンガンの如く話し続ける人。

たまに相手の心を揺さぶるような問いかけをしながらマシンガントークをすることが、成績を上げるための近道だと僕は思います。人間的に褒められたことではないし、消費者にとって良い証券マンではありませんけどね。

成績のいい証券営業と、良い証券営業は別人ですから。

しばらく、成績のいい証券営業の真似をしてみてください。

それで成績が上がって仕事が面白くなれば、そのまま続ければいいと思います。

ただし、良心が咎めるという理由で思うようにできないという人は、辞めても良いでしょう。そういう人は、証券営業には向いていないと思います。無理をして成績のいい証券営業の真似をしたとしても、自分を責めてしまうだけですから。

続けるためのコツは、顧客に感情移入しないことです。

顧客は赤の他人であり、自分の人生のために利用する…くらいに考えた方がうまくいくでしょう。