ピッキング作業が楽かどうかは、あなた次第。

ネットを見ると、ピッキング作業はニートにとって楽だという意見があります。その反面、「ピッキング作業はきつい」という意見もあるんです。結局のところ、どっちなのか。その結論を、ピッキング作業を体験した友人の話をもとに、考えてみましょう。

そして、ピッキング作業に興味があるニートに、その他の仕事の選択肢も紹介したいと思います。

ピッキング作業はニートにとって楽なのか

1.ピッキング作業の体験談を見てみよう

友人は最初、摘み取り方式をフルタイムで経験しました。

摘み取り方式とは、作業員が倉庫内を歩き回り、指示された商品をカゴに入れていく作業方式のことです。

始業時刻になると、倉庫の責任者による挨拶と連絡事項の通達が行われます。

「今日はたくさんの作業があります。気を引き締めて、取り掛かってください。以上、作業に入りましょう」

責任者の言葉とともに、作業員が一斉に動き始めます。

渡された専用端末の画面を見ると、ピッキング対象の商品が表示されている。その商品を探し、バーコードを読み込み、カゴに入れます。そして、次の商品を探し、また同じように処理をするんです。

「RPGのおつかいイベントみたいだな」

そんなことを考えながら、友人は次々にピッキングしていきました。

ピッキングが終わったカゴは、検品レーンに載せます。そして、新しいカゴを持ってピッキングを再開する。

それを繰り返しながら、広大な倉庫の中を一日中歩き回りました。

商品ひとつひとつは軽いものの、検品レーンに載せる頃にはカゴはとても重くなります。友人が勤めた倉庫の場合は、最大重量20kg。これを持ち上げてレーンに載せるのだから、骨が折れますよねえ。

男女ともに汗だくになりながらも、その汗を拭う暇すらなく、あくせく働いていました。

ピッキング作業を始めて数日間は、毎日帰りにひざがガクガクになるんです。膝が笑うと言いますが、その症状が酷すぎて思わず苦笑してしまうんですよね。

結局、摘み取り方式のピッキング作業は1か月程度で辞めました。

このときの月給は、残業代込みで19万円程度。

時給1200円と比較的高い水準の倉庫だったので、結構稼げたようです。ピッキング作業の時給は1000~1200円が相場なんですよ。

それでも、「もうピッキングはやらないかなあ」と言っていたんですが…。

それからしばらくして、今度は種まき方式の倉庫で働くことにしたんです。

種まき方式は、ベルトコンベアに載せられて流れてくる商品の中から、指示された商品を作業員がピックアップしていくという作業方式です。

種まき方式は、ひたすらに退屈でした。ベルトコンベアの前に待機して、専用端末に表示された商品を手に取る。その作業をただ繰り返すだけ。何も考えなくても、何か他のことを考えていても、問題なく作業ができます。

「うまみがない回転寿司みたいだ…」

もちろん、退屈な分、身体的にはものすごく楽です。精神的重圧もありません。人による能率の違いも生まれない。そう考えると「楽な仕事」ですよね。

ただ、友人は「俺はきつくても摘み取りのほうが好き」と語っていました。

2.結論:種まき方式のピッキング作業はニート向きだけど…

友人の体験談を聞いて、種まき方式のピッキング作業はニート向きだと僕は感じました。

「個人による能率の差が生まれず、心身共に楽」という、正真正銘「誰にでもできる作業」ですからね。

特に、社会経験が全くないタイプのニートには打ってつけです。慣れやすい仕事内容のほうが、働くこと自体に慣れていないニートにとっては続けやすいでしょうから。

ただし、種まき方式は「時間がやたらと長く感じる」というデメリットがあるんです。仕事の時間が何倍にも引き伸ばされたような感覚になるのは、誰だって辛いと感じます。ただ、働きなれていないニートにとっては、より辛いと感じられるのではないでしょうか。

つまり、ニート向きな面とニート向きではない面とがあるということです。

退屈なのが特に気にならないという人は、種まき方式のピッキング作業を楽だと感じるでしょう。

ただ、退屈に耐えられないという人は、摘み取り方式のほうが楽だと感じるのではないかと僕は思います。

結局、ピッキング作業が楽かどうかは、自分に合う作業方式を選べるかどうかで決まるということです。

ピッキング作業は社会復帰の踏み台にするのがオススメ

ピッキング作業は、ニートが社会復帰するための良い踏み台になります。

あなたにとって楽な作業方式を選べば、「楽な仕事をしながら働くことのリハビリができる」わけですからね。

しかも、自分のペースで良いんです。

ピッキング作業にはさまざまな働き方があります。

1日働けば終わりの日雇い。土日週2日だけ。1日4時間の短時間勤務。フルタイム。

自分に合う働き方を選べばいいんです。もちろん、最初からフルタイムで働けば、その分リハビリの成果は早く得られるでしょう。

自分に無理のない働き方で、働くということに体と心を慣らす。そうして、他の仕事で正社員として就職することを目指す。

ピッキング作業を踏み台にすれば、正社員としての社会復帰が楽になるのではないでしょうか。

ピッキング作業以外にオススメしたい仕事

1.ビルメンテナンス

ビルメンテナンスは、建物の設備を管理する仕事です。電気設備・空調設備・ボイラー設備の点検、検査が主業務になります。

この仕事をニートにオススメしたい理由はさまざまです。

まず、この仕事の安定性の高さ。

ビルがある限り、それをメンテナンスする人間が必要になりますよね。日本がビル社会である間はこの仕事は無くならないでしょう。

次に、肉体労働が少ないということです。

体力が落ちがちなニートでも、安心して働けます。そのうえ、種まき方式のピッキング作業のように「退屈でしんどい」ということもありません。

また、資格を取得することでやれる仕事の範囲が増え、給料も増えていくのもオススメポイント。

スキルアップがわかりやすく、モチベーションを維持しやすいんです。関連資格は汎用性があるものばかりなので、ビルメンテナンスから違う道に進むこともできます。

以上のことから、ビルメンテナンスはピッキング作業に興味があるニートにとって、メリットが大きい仕事なのではないでしょうか。

2.清掃

清掃は、「運動不足を解消したい」と思っているニートと、「あまり人と関わりたくない」と思っているニートにオススメしたい仕事です。

まず、清掃の仕事は体を動かす仕事ではあるものの、運動強度はやや低めなんですよ。掃除の運動強度は、ウォーキングよりやや高い程度と言われています。

そのため、ニートが運動不足を解消するには、ちょうどいいのではないでしょうか。

また、一人で清掃作業を行う職場が多いんですよ。

チーム作業だとしても、作業中に会話をすることはありません。それぞれの役割を果たすことに、みんな集中していますから。

運動に関しても、人との関りにしても、どちらも適度というのが清掃の仕事の魅力と言えるでしょう。

3.介護ドライバー

介護ドライバーの仕事内容は、介護施設利用者の送り迎えです。

職場は主に「利用者が曜日を決めて施設に通うデイサービス」になります。

介護ドライバーのオススメポイントは、「人との会話が少ない」「採用率が高い」「資格不要」という点です。

ドライバーは介護を行わないため、介護系の資格を不要とする求人が多いんですよ。

「人を乗せる仕事なら普通2種免許が必要なのではないか」と思うかもしれませんが、普通2種免許すらも不要です。

介護施設にとって、「送迎業務は」全業務内容のほんの一部でしかありません。そして、利用者から送迎代金を徴収しているわけでもないんです。そのため、法律的には2種免許は不要ということになります。

運転する車も、施設が所有するワンボックスカーがほとんどです。

普通免許さえあれば働けます。

ニートにとって、かなりハードルの低い仕事と言えるのではないでしょうか。

4.コールセンター

コールセンターは、ニートが会話に慣れるにはぴったりな仕事です。

よくある問い合わせ内容は、マニュアルに回答例が記載されていますから。

その通りに回答していけばいいんです。

もちろん、マニュアルの受け答えだけでは大したリハビリになりません。日常会話はアドリブ満載ですからね。

ただ、コールセンターはアドリブ的な回答が求められることもあります。

マニュアル対応をしても、相手もまたマニュアル通りの返答をしてくれるとは限りませんから。

基本はマニュアル対応だけど、たまにアドリブ対応をしないといけない。

そういった絶妙なバランスにより、会話力が鍛えられます。

だから、コールセンターはニートの会話リハビリにちょうどいいんです。

ピッキング作業に興味がある人は、コールセンターのようにリハビリになる仕事を選んでもいい。清掃などの単純作業の仕事を選んでもいい。

とにかく、自分がピッキングに興味を持った理由を考えて、それに似た特徴を持つ仕事も視野に入れてみると良いのではないでしょうか。