ニートからフリーターになり、それを正社員としての就職への足掛かりにするというのは、結構効果的だけど、実はそれなりに難しいんです。

しっかりとした効果を得るには、ちゃんと考えてバイトを選ばないといけないし、ちゃんと考えながらバイト生活をしていかないといけません。フリーターという身分から正社員にクラスチェンジするタイミングも大事です。

今回は「将来を見据えつつニートからフリーターになるための就職戦略」を徹底的に考えてみたいと思います。

ニート→フリーターを経て最終的に正社員就職した男の話

これからお話するのは、バーで出会った20代男性から聞いたことです。彼の名前は田所(仮名)。フェイクとしてネットの体験談なども微妙に混ぜながら、ほぼノンフィクションでお送りします。

1.どうしてフリーターになったか

「ヤバイ!」

田所が大声で叫んだ。ぼうっと流し見していたアニメのヒロインは「このままでは地球がヤバイ」と言っているけれど、田所の感じていたものはそんな大それたものではありませんでした。

だけれど、貯金なし、気力なし、友人なし、仕事なしの切迫した状況ではあった。そんなだから、突然働かなければならないという強迫観念が押し寄せ、耐えきれなくなり、虚空に叫ぶんです。

どうして田所がフリーターになったか?

それは、強迫観念に耐えられなくなったからです。

働かないといけないけど、ニート期間が長いから行動をするのが怖い。だけど、お金は欲しいし親に顔向けできる人間になりたいし、友達も気力も欲しい! だからまずはアルバイトから始めてみようということになったわけです。

2.フリーター生活開始! そこで感じたこと

何か叫びたいのを胸の奥におさえながら、田所は近所のコンビニに向かい、半ば勢いで履歴書とボールペンとプリンを買いました。そのままの勢いを崩さずに履歴書を突貫工事で書きあげたんです。

このあたりで冷静になり、「あれ? 俺、働くんか?」と少し怖くなってくる。

怖い、働きたい、怖い、働きたい…。

グルグル思考を回しながら、地元から2駅程度先のところでアルバイトを探しました。結果、見つけたのはとある食品工場のアルバイトです。時給が高かったし、何よりも人との関りが少ないだろうということが田所を食品工場に駆り立てました。

ここから、田所のフリーター生活が始まったわけです。

これは、実際に僕がバーで話を聞いたときの、バイト初日を振り返った田所の言葉。

「俺は食品工場のバイトをしていたと思ったら、いつの間にか帰りの電車に乗っていた。何を言っているのかわからねえと思うが、俺も何のことかわからなかった…」

最初は「働くのが怖い」とか「辛い」とか考える暇もなく、ただただ仕事を覚えるのに精一杯だったんだと思います。気が付けば、ニートからフリーターになる恐怖を忘れて、しっかりとアルバイト生活が身についたのでしょう。

また、ほかにもニートからフリーターになったことで感じたことを語ってくれたんです。

  • 職場でひとりでも思っていたより苦にならない
  • 職場内のコミュニケーションは意外と難しくなかった
  • ニートの頃より精神が安定して楽しい
  • 健康になった
  • 働いているとお金を使う
  • 働くのが怖く辛いのは職場環境のせい

最初に働いた食品工場では、おばちゃんが多くて若い男性ひとりで浮いていたんですよ。だけど、周りがワイワイガヤガヤしている分には、何も苦じゃなかったんです。ラジオを聴いてる感覚ですね。

それに、浮いていても仕事上必要なコミュニケーションはしますから。

田所は食品工場を辞めた後、コンビニでも働いたんです。客とのコミュニケーションはクレームなど辛いこともありましたが、年齢層や性別の偏りが無いところだと、職場内コミュニケーションはコミュ障でも意外と楽だった。

コミュ障の自分に対して悪意を持って接する人なんてほとんどいない。学生が多かったけど、学生と言えど大人だから無意味に職場を荒らすようなことはしないから、いじめも何もない。

適度な距離を保っていれば、それなりに楽しく会話ができるということです。

また、ニートの頃感じていた焦燥感や強迫観念が無くなり、精神が凄く安定したということをとても力強く語っていました。

そして、働くのが怖かったり辛かったりするのは、十中八九職場環境のせいだとも言っていましたね。

「俺はバイトを5件経験したけど、休むと文句言われる職場とか、人間関係が悪い職場とかは本当に怖くて辛かった。だけど、職場環境がいいバイト先は本当に楽で、家で暇しているより働いているほうがいいくらいだった。」

これは、多くのニートにとって朗報ではないでしょうか。

3.フリーターを辞めたタイミング「引き際」とは

楽しくフリーター生活を送っていた田所だけど、ある日フリーターを辞めて就職活動をすることを決意しました。

そのきっかけは、働くこと自体が怖いんじゃないと気付いたことにあります。先ほど語ったように、働くのが怖く辛くなるのは職場環境のせいだから、会社選びに気を付ければ正社員として就職することができるんじゃないかと感じたわけです。

あと、フリーターを辞めると決めたときに田所が自分自身にツッコミを入れました。

「馴染んでんじゃねえよ!」

ニート生活を続ける怖さからフリーターになり、今度はフリーター生活が続く怖さを抱いたわけです。

つまり、フリーター生活の引き際というのは「働く怖さを感じなくなったとき」と「フリーター生活が怖いと感じたとき」ということですね。

ただ、僕はそこにもうひとつ付け足したいです。

「アルバイト生活で得られる経験や能力を、十分に得られたと感じたとき」

アルバイトは正社員に比べると仕事の範囲が限定的で、仕事内容も簡単なものが多いんですよ。そこから得られる経験や能力というのもまた限られているわけで、そんなに長くフリーター生活を続けなくてもいいんです。

だから、以上のような引き際を常に意識して、引き際が訪れたらサッと身を引き正社員として就職することを考えたほうがいいのではないでしょうか。

4.フリーターから正社員になるまでの道のり

まず、田所はそのとき働いていた飲食店の店長に「正社員として就職活動を始めるので、シフトを減らしてもいいですか?」と聞きました。

田所は週に4日とアルバイトにしては結構たくさん働いていたので、店長もこれには快く応じてくれたんです。田所のシフトは週2日程度になり、就職活動に専念できるようになりました。

田所が意識したのは「就活のリスクを減らすこと」です。フリーター生活である程度のお金は貯まっていたけれど、じっくりと仕事や職場を選んで就活がしたかったため、金銭的に余裕を持とうとしたわけですね。

結局、田所が正社員になるのに4ヶ月かかりました。

得た内定の数はトータルで4件と、決して少なくはありません。

アルバイト経験から何を得たのかをじっくり考え、それをしっかりと面接でアピールしたのが功を奏したと田所本人は得意げに話してくれました。

アルバイトの経験は履歴書の時点では安く見られることが多いんだけど、バイト先の仕事で得た経験や能力が就職先の仕事で役に立つということをしっかり説得力を持たせてアピールすれば、意外と高く評価してくれるんです。

そういう対策をしっかりしていれば、ニートがフリーターを経て正社員として就職できるということを田所は示してくれました。

ただ、僕が思うにニートがフリーターを経て正社員就職するうえで大事なことはまだほかにもあるんです。

今度はそれを紹介しましょう。

将来的には正社員。そのためにフリーターを始める段階から意識しておくべきこと

1.バイト選び

ニートがフリーターを経て正社員として就職するには、二つの道があります。

フリーター生活の経験を活かしてこれまでとは違う仕事を選ぶ道。
アルバイトとして経験した仕事に正社員として就職する道。

まず、前者の道を進むためには「正社員としての就職への布石になるバイトを選ぶこと」が大切です。

「このバイト興味があるなあ」と思ったら、そのバイトで得られる経験や能力を調べて徹底的に洗い出してみてください。

たとえば、コンビニバイトならある程度経験すると発注業務を任せてもらえるようになることがあります。天候・客入り・客層・売れ行きなどを考慮して発注をする仕事からは、マネジメント能力やマーケティング能力などが得られるんです。

次に、その経験や能力がどういう仕事に活かせるのかを調べます。

この場合は、営業、企画・マーケティング、SE、飲食の店長候補などを例として挙げられるでしょう。

そして、調べた仕事の中に自分のやりたいと思えるものがあればそのバイトをし、なければバイト選びを考え直すんです。

最終目標は正社員としての就職だから、そこをベースに考えないといけませんよ。

また、後者の「アルバイトとして経験した仕事に正社員として就職する」道を選ぶのなら、向いてる仕事を探すために色々なバイトを渡り歩くことをオススメします。そうして、「これが一番向いてる」と感じたものを就職先の仕事として選びましょう。

2.学び取る意識

正社員としての就職を目指すなら、フリーター生活の中からそれに活かせるものを学び取ったり、向き不向きをしっかり判断したりしないといけません。それには、フリーターとして、ただ漫然とアルバイトをするだけではダメなんです。

バイトの仕事内容は簡単であることが多いために、何も考えなくても動けるようになってしまうんですよ。

だから、何かを学び取ったり向き不向きを判断するには、「この仕事で得られるものは全部得てやる」という高い学習意欲と意識が必要になります。その意識を常に持ち続けることで、正社員として就職する道は広く開けるわけです。

特にコミュニケーションに関しては、積極的にとっていきましょう。

アルバイトはさまざまな立場の人が集う格好のコミュ力強化の場です。それを利用して、就職後必要になるコミュ力を養ってみてください。

多少無理をしてでも、職場の人に話しかけていきましょう。

以上のようなことを考え、努力していれば、ニートからフリーターに、フリーターから正社員にと段階的にステップアップしていけますよ!