取引先からパワハラを受けたときの3つの対処法

取引先からのパワハラ被害。「取引先」という都合上、泣き寝入りしかないのかと不安で辛い想いをしている人は多いと思います。

僕の知人にも取引先から「怒鳴る」「罵声」などのパワハラを受けていた人がいるんですが、見るからに辛そうでした。

今回は、取引先からのパワハラ被害に悩んでいる人の対処法を紹介します。

ぜひ参考にしてみてください!

取引先からパワハラを受けた人の話

僕がブラック企業に勤務していたときではなく、今の職場である某ホワイト企業メーカーに同時期に転職した同僚の話です。

彼の名前は舞鶴さん(仮名)。決して大きくはない企業の転職組では珍しい同時期入社という貴重な存在だからか、自然と僕たちは仲良くなりました。仮名が舞鶴さんなのは福岡県の舞鶴出身だからです。

そんな舞鶴さんは営業として特別優秀というわけではありませんでしたが、取引先からは好評でした。

「彼は真摯でいいねえ」「あれほど親しみやすい営業は初めてだよ」

小手先のテクニックじゃなく、舞鶴さん本来の人柄で営業を成功に導くタイプの人ですね。小さめのメーカーだからルート営業だけじゃなく新規獲得も行うけど、ルートも新規も成績は順調でした。

しかし、明らかに優しい人というのは…悪意の対象にされやすいものです。

ある取引先の担当者から、パワハラ被害を受けました。

最初のコンタクトからして最悪だったんですよ。「午後2時に伺います」と約束したのに、12時頃に「待ってるのに来ない」と電話で怒り始める。そして急いで向かうと「昼休憩に行った」と言われる理不尽…!

アポの時間より早く来いとキレておいて、本人不在という無茶苦茶な対応から取引が始まったんです。

舞鶴さんはお昼もとらずに待ちました。

その後も「使えないクズだな」と暴言を吐いたり、変な雑用を押し付けて「やっておかないと契約は無しだ」と言ったり滅茶苦茶な対応が続いたんです。

最終的には暴言もエスカレートして「死ね」と言われるようになり約束の時間にわざわざ別件を入れて「待ってなければ契約破棄」と言われるようになりました。脅しなども少なからずあり、舞鶴さんの心はもうボロボロ。

その取引先への対応で対応が遅れたお得意さんにも頭を下げ、事情を知らない先輩からは「優先順位を間違えてはいけない」と諭され…。

限界がきた舞鶴さんは僕に相談してくれました。

そこで僕は、これから紹介するような対策方法を紹介したんです。

それを実践した結果…取引先の担当者は変更になったうえに減俸され、契約もこちらの優位に進めるように図らってくれました。契約が優位に…に関しては、相手もパワハラという引け目がありますからね。

全部丸くおさまったわけです。

実際に舞鶴さんと僕が実践した方法と、実践してないけど提案した方法とを、これから紹介しましょう。

対策1.カウンター攻撃

舞鶴さんと僕が実践したのが、この方法です。

これは弱者の戦略…! 相手が自分たちのクライアントという精神的強者だからこその、対処法と言えるのではないでしょうか。サンドバッグ理論と呼ばれることもありますが、僕はもっとわかりやすくカウンター攻撃作戦と呼んでいます。

まず、暴言を吐かれたり人格を否定されたり仕事において理不尽な対応を受けたりしても、逆上せずに謝罪するんです。ひたすら「申し訳ございません」を貫き通します。

耐え続けていると、相手はかえって機嫌が悪くなることがあるんです。

パワハラをして担当者が変わるなどしてくれた方が、相手にとっては都合が良いので耐えていると相手の態度は徐々に変わります。最初は嘲笑まじりだったとしても、だんだん余裕が無くマジギレしてくるようになるんです。

そうなるとパワハラはエスカレートします。

ここで罠カード・ボイスレコードを発動!

このカードは、相手の暴言や理不尽な対応を録音し相手に一撃必殺のダメージを与える。舞鶴さんは約束と違う対応をされたことも多かったので、アポはメールで行い証拠が残るようにし、相手の「〇時だ!」という勘違いの主張を録音することも追加した!

さあ…相手に大ダメージを与える材料は整いました。

ここで取引先の部長さんに、打ち合わせが終わったあとにこっそり「お話があるんですが」と証拠を見せたんですよ。

これだけの証拠があると流石に対応せざるを得なくなり、「とりあえず担当者は変えます。他のことは後からじっくりと決めて連絡します」と少なくとも担当者替えだけは約束してもらいました。

結局、減俸と契約条件をこちらが優位になるよう調整という成果が得られたわけです。

また、下請けを行っている企業の場合は法律に照らし合わせてカウンター攻撃を行うことができる場合があります。

下請法という法律があるんです。そこに記載されている禁止事項に抵触していれば、法律を盾にとってより効果的にダメージを与えることができるわけですね。

禁止事項の中で特に、取引先からのパワハラへのカウンターに使える項目だけを紹介します。

  • 下請け業者に責任が無い場合、受け取りを拒否することは禁止。
  • 定められた期日までに代金払え! 遅延は禁止!
  • 不当な返品は禁止だ!
  • 物品購入やサービスの利用を強制することは禁止。
  • 超低い金額で買いたたくことを禁止する。

ただ怒鳴るだけのパワハラではこの法律を盾に取ることはできませんが、不当な対応を受けたときには使えるので覚えておいて損はないのではないでしょうか。

対策2.上司に相談する

対策1に比べると凄く軽い対策のように感じますが、職場の上司がとてもパワハラなんてしそうにない良い上司の場合は効果的です。上司に相談することにより、上司が取り次いで担当者替えを打診してくれることもあります。

また、上司の裁量によりその取引先を切るケースも少なくありません。

対策1は僕が思うに最も効果が大きく確実な方法ですが、少し過激ですよね。だから、その方法をとる前に本来は上司に相談するのが一番良いんだと思います。

他の対策は上司に相談して実りが得られなかったときに、使いましょう。

証拠を集めた上で上司に相談するのが一番です。

対策3.自分の裁量でバッサリ切る

最後に紹介するのは、ある意味捨て身の行動。

営業職にはある程度の裁量が認められていますよね。その裁量を使って、自分の力でパワハラしてくる取引先をバッサリ切ってしまうんです。誰も得はしませんが、少なくとも自分の心だけは守ることが出来ると思います。

対策1のような策を講じることすら精神的な余裕が無くて辛いとか、上司は何もしてくれそうもないとかそういう場合は、切ることも必要です。

パワハラなんかしてくるような取引先に時間と精神的リソースを割くよりも、他の取引先との時間に回したほうが最終的な利益は大きくなるのではないでしょうか。

上司には怒られるかもしれませんが、後から仕事で挽回すればいいんです!

取引先からの罵声・パワハラで鬱になる前に、しっかり対策しましょう。ただ耐え忍ぶだけということには、何のメリットもありませんよ。

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