たすけてーーー!

昔、「たすけてー!」から入る歌があって衝撃を受けたのを覚えています。クレイジーケンバンドの「た・す・け・て」という曲でした。

ブラック企業に勤めていたとき、仕事を辞めたいと考え始めたときにこの曲が流れたんですよ。

頭の中でこれが流れることが、心の救難信号になってるんでしょうね。

ところで、仕事を辞めたいっていう考えは、給料安いなあとか、人間関係辛いなあとかに原因があると思ってませんか? それも間違いではないんですが、それだけに原因があるわけではないんです。

実は、身の回りのちょっとしたストレスの積み重ねが、仕事辞めたいという考えを助長してるんですよ。

身の回りの些細なストレスとは?

身の回りにある些細なストレスというのは、人によって異なるでしょうが、本当にたくさんあります。

たとえば「満員電車での通勤によるストレス」なんかが当てはまるでしょう。満員電車で押しくらまんじゅうしながら通勤すると、いろんなストレスを同時に受けますよね。

人に押されて嫌な気持ちになったり、男性なら痴漢冤罪に巻き込まれないように手を挙げて乗ったり、女性なら痴漢されたら嫌だと警戒したり…。満員電車っていうのは、ストレスの複合施設です。

僕の場合は満員電車もそうですが、お昼ごはんや晩御飯をデスクの前で済まさなきゃならなかったことが大きなストレスになっていました。ご飯時は、静かで救われていたいじゃないですか。おいしいご飯に集中したいんですよ。

本当は昼食に外で食べたりしたいのに、デスクでおにぎりやパンを食べなきゃいけない…。

昼飯、うまいもん食いてぇぇぇぇ!

趣味が「食事」と言っても過言ではない僕にとっては、毎日毎日が苦痛でした。

たまに外でランチできるっていうときでも、上司に誘われたりなんかすると好きなもの食べれないし、気は使うしで、それもストレスでしたね。

あとは、パソコンの型が古くてイライラしましたね。サポート終了してるのに使っていたり、対応していないソフトウェアがあったり…。何で今更使ってるんだよって、文句を言いたい気持ちでいっぱいでした。

そういう、仕事を辞める決定打にはならないまでも、少し「イラッ」としたり、文句があったりすることがありますよね。

それが「仕事を辞めたい」という考えを助長している、身の回りのストレスになっているんです。

塵も積もれば山となる

一回一回と考えれば小さなストレスかもしれません。ちょっとイライラする程度だったり、ため息吐きたくなる程度だったり、そういうのって誰にでもありますよね。

だから、「これくらい…」と目をつむりがちになるんです。

でも、そういう小さなストレスが何回も繰り返しやってきたらどうでしょうか。

満員電車に揉まれたり、パソコンの型が古いというのは毎日かかるストレスですよね。

少し我慢すれば逃れられるストレスとは違って、我慢しても我慢しても逃れることはできません。明日もまた、そのストレスを感じることになる。

夏になると、蚊がいたるところに出現するじゃないですか。

一回一回は「かゆいなあ、こんちくしょう」程度で済みますが、毎日刺されたらたまったもんじゃないですよね。痒くてイライラする状態がずっと続くわけです。花粉症の人も、毎日毎日症状に悩まされ続けてイライラが続きますよね。

それと同じで、こういった身の回りの些細なストレスは、僕たちの心をチクチクと執拗に刺し続けるんです。

塵も積もれば山となる。

ただ、このストレスはきっかけが無い限りは「仕方が無い」と見過ごされてしまい、膨れ上がっても爆発することはありません。

退職理由は起爆剤にすぎない

溜まりに溜まった小さなストレスがドカンと爆発するきっかけとなっているのが、「給料安い」とか「人間関係辛い」とかいう大きなストレスです。

退職理由としてこれらを挙げる人が多いですが、そういうのは言わば、ストレスの起爆剤。

ただ、そういう大きなストレスで我慢の限界になって爆発…というのではないと思うんですよ。

普通だったら小さなストレスが溜まってるところに、大きなストレスが到来して「ストレスの容量がパンク」したんだと考えると思います。僕も一時期はそう考えていましたが、どうもしっくりこないんですよね。

退職理由になるようなことは、本当に起爆剤に過ぎないんです。

「よくある退職理由」より「些細なストレス」の方が危険

僕が思うのは、よくある退職理由には「正当性」があると自分自身で納得ができるのではないでしょうか。人からの理解も得やすいですよね。

パソコンが古いから辞めてやるというのでは、他人の理解を得るのが難しいなって思うじゃないですか。「え、そんなことで!?」と言われかねません。

人の理解が得られないから、「これくらいのことで辞めるのはバカらしいよな」とか「情けないよな」と思って自己完結してしまいます。

ただ、給料が安かったり、人間関係が辛いだったりというのは、誰でも共感できますよね。「それなら仕方が無いよ」と人から言ってもらえるでしょう。自分自身でも「仕方が無いな」と、辞める理由として認めることができます。

これくらいじゃ辞められないと、我慢して我慢して我慢して…。もう心の中は「た・す・け・て状態」です。救難信号をバリバリ出したいけど、「そんな理由で助けを請うなんて情けない」と思って飲み込む。

そうやって散々我慢してきたところに、正当性のある、人の共感を得やすい仕事をやめる理由ができたら?


そりゃあもう、辞めようと強く思うようになりますよね。

身の回りの些細なストレスだけでは「辞めよう」とはなりませんし、逆に給料が低いとかいうだけでも「辞めたい」とは思いますが、「辞めよう」と決意するには至らないんです。

だから、仕事を辞めたいと思うのは、実は身の回りの些細なストレスがその思考を助長しているのだと、僕は思ってます。