消防士という仕事は、試験の合格基準を満たせばなれます。

ニートにとって、民間企業の面接で落とされまくるよりは、消防士試験に望みをかけるほうが良いように感じるかもしれません。公務員としての安定性など、消防士になるメリットはかなり大きいですしね。

だけど、消防士は甘くない。

そこで、ニートから消防士になりたいと考えている人が知っておくべき消防士の厳しさと実態などを、紹介しましょう。

ニートから消防士になるメリット

  • 公務員としての安定性
  • 階級が明確で目標を持ちやすい
  • 人に感謝される

ニートから消防士になるメリットとして、やはり公務員ならではの安定性というのが大きいですよね。何かがあったときに切り捨てられることはなく、給料は高いとは言えないもののしっかりと一定額は絶対に貰えて、着実に昇給し、階級が上がればまた給料も上がる。

安定しているだけじゃなく、とっても明確でいいですよねえ。

明確と言えば、消防士はハッキリとした階級があり、入隊時点で既に目指すべきキャリアが定まっています。階級が上がれば裁量も大きくなり、自分の隊を率いることもできるようになる。

ニートにとって、キャリアのイメージのしやすさと目標維持のしやすさというのは、大きな大きなモチベーションになるのではないでしょうか。

特に社会経験が無い人は民間企業のキャリアの複雑さに目標を抱きにくく、その上に保ちにくいと感じることがあるでしょうしね。

また、実際に現場で消火活動をしたり、誰かの命を助けたりすることで人に感謝される仕事というのもニートには良い刺激になると思います。自分の働きで感謝されることで、働くことへのマイナスイメージは払しょくされ、それが生きがいにもなるのではないでしょうか。

ニートから消防士になったときに予想される辛さ

1.体力的に辛い

これは単に仕事をする上での辛さでもあるし、出不精体質なニートが消防士の試験を受けるときの不利な点でもあります。

消防士は、とにかく体力が命です。

平常時の仕事にはトレーニングが含まれているし、実際に出動するときにももちろん体力を使います。火のそばにいるだけで体力を持って行かれるのに、そこで動き回り、重い物を持ったり運んだりしないといけませんからね。

放水の水圧にも耐えないといけないし。

そういう仕事だから、採用時も当然体力が重視される。

体力に自信が無ければ、今からでもジム通いをするなど、体力と筋力を作っておかないといけませんね。

2.コミュニケーションが辛い

消防士は、とにかく明るく前向きな性格の人が多いです。

「肉体的にも精神的にもマッチョ」と表現されるほどですからね。

人見知りせずに誰とでも話せる性格なら、そういう人たちの中に入って楽しく過ごせるでしょう。だけど、そうじゃないなら1日の多くの時間を職場の人間と過ごすのは辛いと感じると思います。

特に、消防学校では寮生活ですからね、この時点で消防士を辞めたくなるということもあるでしょう。

また、消防の人間関係は結構難しいです。

上には「感情は読み取れ」というスタンスでものを言ってくる人がいるし、若手の揚げ足取りをしたり、若手と協調を図ろうとしない年配者がいたりします。仮に若手仲間とは馴染めたとしても、そういう上の人たちとの人間関係にストレスを感じるのではないでしょうか。

特に、縦社会とは無縁だったニート上がりの人にとっては、上の人たちが横柄な態度を取ることに耐えられないかもしれません。

具体的な試験内容と採用までの流れ

1次試験には筆記試験が行われ、教養・論文・適性・専門科目が出題されるんです。教養問題は最終学歴による区分でレベルが分かれていて、大卒なら大学卒業時点で難なく解ける程度の問題となります。

かなり公平でいいですよね。

2次試験には身体検査・体力検査、面接が行われます。

身体検査の基準は消防本部により異なりますが、「男性おおむね160cm以上」「矯正視力含む視力が両目とも0.7以上」などのことが決められているんです。極端に数値が低かったり、極端に太っていたりしない限りはクリアできるようになっています。

問題は体力検査のほうですね。

内容は1km走、立ち幅跳び、反復横跳び、握力、腕立て伏せなど学生時代に経験したことのあるようなものが多いです。1km走の代わりにシャトルランを行うところもあります。

また、ニートにとっては面接が気になる部分だと思いますが、ここで大事なのは志望動機です。

どうしてニートから消防士になろうと思ったのかを、詳しくつっこまれます。そこでは一般企業の面接を受けるときのように淡々と冷静に語るよりも、「消防の仕事に対する情熱や意気込み」「消防に関する自分の理念」などを表情豊かに語った方が効果的です。

消防士とサラリーマンとでは評価したい部分が違いますし、文化も違いますからね。

試験内容は以上の通りで、ニートだからと言って不利になる内容はあまりないように感じます。ただし、面接練習と体力づくりだけは怠らないようにしておきましょう。

そして、合格すればまずは消防学校で半年ほどの初任教育を受けます。消防学校では朝からトレーニングをし、宿舎の清掃と訓練礼式を行い、消防士に必要な知識や技術を授業形式で学ぶんです。

自由時間は、3時間ほどしかないので、覚悟しておきましょう。

消防士のそこが気になるQ&A集

1.消防士の休日ってどんな感じ?

消防士の勤務形態は、2交代制と3交代制とが一般的です。

2交代制は「勤務→非番→勤務→非番」を繰り返し、週に1日の休日を挟みます。

3交代制は、「勤務→非番→休日→勤務→非番→休日」を繰り返す勤務形態です。

どちらも勤務日は24時間勤務となり、1週間全体の勤務時間はあまり変わりません。

また、消防士は休日に出かけにくいイメージがあるかもしれないけれど、休日は普通に外で遊んでいる人が多いです。非番のときは非常時に招集がかかる可能性があるからあまり遠出はできないけれど、休日には申請を出して遠出をすることもあります。

2.消防士は飲み会が多いって本当?

消防士は飲み会が多いと聞きますが、実際には年に3~4回程度は開催されるケースが多いようです。

一般的な忘年会と新年会に、年度末お疲れ様会や新年度会などが行われるところもあるのだそう。「ん? なんか時期がすげえ偏ってるな」と感じますよねえ。

ほかにも、異動があれば歓迎会や送別会などが開かれることもあり、確かに「消防士は飲み会好き」と言えるでしょう。

ニートにとってはそれだけでげんなりするかもしれませんが、この飲み会で上の人たちがアルハラ・パワハラを行うことが多いということに、さらにげんなりすると思います。

3.消防士は早死に?

消防士は短命という噂があります。

ニートにとっては、「無職なのにいきなりそんな仕事に飛び込んで大丈夫か」という不安があるでしょう。まあ消防士の平均寿命などが公開されているわけではないですが、消防士が短命というのはある程度事実だと思いますよ。

殉職の話はそうそう聞かないものの、トレーニングで身体に負荷をかけまくり、当直勤務のストレスや火災現場での煙などなど、体に悪いことが多いですからね。

ただ、だからと言って身構える必要はないでしょう。

仕事の精神的負荷とか身体的負荷とか、民間企業でもありますからね。元ブラック社畜としては、ブラック企業に勤務している人たちよりは、寿命が長そうなイメージです。それに、上に上がれば管理職になり、負荷も減るでしょうから。

4.消防士以外にオススメの仕事は?

消防士に興味があるニートにオススメの仕事を、ザックリと紹介します。

まず、公務員になりたいということが消防士を目指すメインの理由なら、役所勤めの行政事務のほうがニートには向いていると僕は思いますよ。

書類仕事が多く命の危険はないし、部署によっては結構ゆったりとしているからニート上がりにはぴったりではないでしょうか。

公務員になりたいより体力を活かしたい気持ちが強いなら、スポーツジム・フィットネスジムで働く道もありそうですね。

体力を活かしたい前提で、コミュ力を鍛えたいとか人の役に立ちたいとかということを考えているなら、レンタルカートのスタッフやアミューズメント施設のスタッフなどもオススメです。

以上のように、消防士と消防士以外の道とを比較し、自分がどちらを進みたいのかを慎重に決めましょう。