マルチタスクの仕事が苦手なのにそれを求められるのは辛いですよね。

仕事の同時進行が苦手なことで要領が悪いと言われてしまったり、人に迷惑をかけたり…。さまざまな悩みを引き起こしているのではないでしょうか。

今回はマルチタスクの仕事が苦手で悩んでいる人のために、「タスク処理法」と「マルチタスクが求められない仕事」を紹介したいと思います。

マルチタスクの仕事が苦手な人が実践すべき「タスク処理法」

1.ひとつのことにだけ集中すればいい

マルチタスクと言いますが、実際には人間の脳は二つ以上のことに同時に集中することができないと言われているんです。つまり人間の脳自体が「複数の仕事を同時進行することを苦手としている」と言えます。

じゃあマルチタスクが得意そうに見える職場のあの人やその人はどのように作業をしているのか?

これは「必要に応じてタスクを切り替えているだけ」なんです。

Aの仕事、Bの仕事、Cの仕事があるとします。マルチタスクと言うと「ABCを並行して行う、同時進行する」というイメージですよね。

ただ、実際は「AからB、BからC」と切り替えているに過ぎません。

ということは、タスク管理さえ徹底していれば「ひとつのことに集中していてもいい」ということではないでしょうか。

効果的なタスク管理の方法は別の記事で語っています。そちらを参考にしていただけると嬉しいですが、ここでも簡単に説明しましょう。

まず、ABCのタスクに優先順位を付けます。優先順位は「緊急性と重要度がともに高い仕事」をトップとし、次に「緊急性が高い仕事」、その次に「重要度だけ高い仕事」と設定していきましょう。

さらに、優先順位を付けたら「タスクを切り替えるタイミング」を設定します。つまり、スケジュールを立てるわけです。

時間になったらタスクを切り替えればいいんですよ。もしも時間が足りず、それまで取り組んでいたタスクを達成できなかった場合はそこでまたタスク管理に戻ってください。

このようにすれば、同時進行しなくてもマルチタスクをこなすことができます。

また、意識を切り替えるのが苦手な人はアラームを設定するといいですよ。音を鳴らすのが迷惑になるのならバイブレーションでもOKです。最初から意識を上手く切り替えるのは難しいけれど、習慣化すれば「音や振動」が切り替えのトリガーだと脳が認識してくれます。

そうなれば、意識をうまく切り替えることができるようになりますよ。

2.割り込んできた仕事はその場でタスク化しよう

タスク管理を徹底してタスクを切り替えていくことで、ひとつのことだけに集中しながらマルチタスクが行えると説明しました。

ただ、突然仕事が割り込んでくることがありますよね。マルチタスクが苦手な人は、突然割り込んだ仕事にパニックになりがちです。そして、シングルタスクをしていても割り込んできた仕事に意識をとられてしまいます。

そうならないように、割り込んできた仕事をすぐにタスク化しましょう。

つまり、割り込んできた仕事を含めて優先順位とスケジュールをもう一度組み立てるわけです。割り込んできた仕事を今すぐやらないといけない場合もあれば、そうではない場合もありますからね。

一度整理することで、パニックになるのを防げます。

そして、割り込みの仕事さえシングルタスクとして処理できるようになるんです。

3.同時進行できるのは「無意識」と「意識」だけ

人間の脳は物事に同時に集中するのを苦手としていると語りました。

ただ、集中さえしなければ同時に複数の物事を処理することができます。

それが「無意識的行動」「意識的行動」です。

ダンスを例にして説明しましょう。

ダンスには「音楽を聴く」「踊る」というふたつの行動がありますよね。

「音楽を聴く」のが無意識的行動です。練習をする中で音楽を聴きこみ、振付のタイミングまで覚えてしまっています。意識しなくても音楽と振り付けを把握することができるわけです。

一方、「踊る」ことは意識しなければなりません。一挙手一投足に意識を集中させる必要があります。

僕らは普段から、この「無意識的行動」と「意識的行動」を同時進行しているんです。

仕事でもそうですよ。

仕事でどうしても同時進行しなければならない場面にあるとき、そのうちの片方は「無意識的行動」になるようにタスク管理をしましょう。

タスク処理法ではどうにもならない場合もある

これまで、仕事の同時進行が苦手な人のためにタスク処理法を紹介してきました。

ただ、実際にはタスク処理法だけではどうにもならないケースもあります。

たとえば、アスペルガー症候群の場合

マルチタスクができないことは、アスペルガー症候群の特徴のひとつと言われているんです。もちろんこの悩みを持つ全員がそうというわけではありません。ただし、他のアスペルガー症候群の特徴の多くに当てはまるのなら、その可能性は高いでしょう。

もし、アスペルガー症候群であれば、それは努力だけでどうにかなるものではありません。

少しでも心当たりがあるのなら、まずは病院で受診し、転職に向けて動き出すことをオススメします。

また、仕事で求められるマルチタスクのレベルが高すぎる場合、タスク処理法を使っても処理しきれないこともあるでしょう。

その場合には、転職することをおすすめします。

常にマルチタスクを求められる仕事もあれば、そうじゃない仕事もあるんです。苦手なことをしなければならない仕事を続けるよりも、自分に向いている仕事に就いたほうが良いのではないでしょうか。

向いていることの方が成長性が高いですし、何よりも向いていることに努力するほうが結果が出やすくて楽しいですからね。

マルチタスクが苦手な人におすすめな転職先

1.工場のライン工

工場のライン工は、慣れればほとんどの仕事が無意識的行動になります。

そして、ライン工の仕事にはすぐ慣れるんです。工場は生産数を上げるために効率を重んじています。工場のラインは常に動き続けているため、ひとつの作業自体はとても簡単にしているんです。

また、複数の作業を担当することになろうとも「Aの次にB」と、シングルタスクの切り替えになっています。

複数のタスクが同時に発生することがないんです。

2.ライター

ライターの仕事は、シングルタスクの積み重ねです。

情報を収集する→構成を考える→執筆する→推敲する。

さらに、これらのタスクは同時に発生することがほとんどありません。情報を集めながら執筆する人もいるにはいるけれど、執筆スタイルは個人の自由ですからね。

また、正社員・契約社員・バイト・フリーランスなどさまざまな働き方があります。フリーランスを選べば、自分のペースで仕事ができるんです。自分なりのタスク処理法で効率化させやすいですし、タスク処理が遅い人でも問題はありません。

3.清掃員

掃除をするときはマルチタスクをしているように感じるかもしれません。

家で掃除をするときにも、「洗濯をして」「窓を拭いて」「掃除機掛けて」とたくさんのタスクが同時に発生しますからね。

ただ、実際はやはりシングルタスクの連続に過ぎないわけです。窓を拭きながら掃除機をかけるわけではありませんよね。埃をはたきながら床を拭くこともできません。『あたしんち』のお母さんは別ですが、あの人は口から火を吐く超人なので参考にならないでしょう。

清掃員の仕事も、実はシングルタスクが多いんです。

役割分担が徹底されているため、そもそも「窓も拭いて掃除機もかけてごみ捨ても全部一人で行う」なんていうことがありませんしね。

だから、清掃員もマルチタスクが苦手な人にも向いている仕事と言えます。

ここまで3つの職種を例として紹介してきました。まとめると、マルチタスクが苦手な人におすすめな仕事はこういう仕事ということになります。

「シングルタスクが積み重なっている仕事」「複数のタスクが同時に発生しない仕事」です。

それらを基準にして、自分に合った転職先を見つけましょう。