もったいない、その躊躇いが、命取り。

公務員を辞めたい! という気持ちと、「公務員を辞めるなんてとんでもない」という気持ちが同居している人は多いと思います。公務員になるの、試験受けなきゃいけないし倍率も結構あるし大変ですからね。

だけど、その躊躇が後悔する原因になる可能性がある!行動しなかった後悔は、行動した後悔よりも大きく、やり場に困ります。

というわけで今回は、公務員を辞めたい人に、転職成功者の目線で転職成功のための考え方と立ち回り方、転職先の例を提案したいと思います。ぜひ参考にしてみて下さい。

公務員の離職率、どうなの?

総務省が行った平成28年度『地方公務員の退職状況等調査』によると、地方公務員は普通退職が31.3%という数値になっています。定年退職をする人は56.3%、残りは勧奨退職や早期退職募集精度による退職です。

今度は、年齢別に詳しく見てみますね。普通退職者のうち、25歳未満の離職率が9.6%、25歳以上30歳未満が24.1%です。40歳以上になると離職率は一桁台になるものの、それでも50歳までは3%を下回ることはありません。

僕は、初めてこのデータを見たとき「案外離職率高いんだな」と感じました。

「公務員は離職率低い」と言う割に、結構あるじゃないかと。特に若者の離職率が高いんですよね。平成28年度内に離職した人全体の割合を見ても、30%超えは民間企業と比べても高いです。

逆に言えば56%しか定年退職していないんですよ?

国家公務員はどうかわかりませんが、地方公務員にとって退職は別におかしな話じゃないわけです。むしろ、良くある話と言えます。

公務員の退職理由あるある

公務員の離職率は思っていたよりも高いということがわかったので、退職者はどんな理由があって公務員から転職したのかを調べてみました。

色々あったんですが、メインになるのはこれらの理由です。

  • 思っていたよりも忙しかったから
  • 人間関係に疲れ切ったから
  • 理不尽なクレームを入れる人が多く、めちゃくちゃストレスたまるから
  • 「あれ? 思ったより給料高くなくね?」と思ったから

公務員というと、「民間より給料が安定していて、仕事も激務ではない」というイメージがあります。ただ、実際に働いてみると「めちゃくちゃ忙しいやんけ!」と、理想と現実とのギャップに苦しめられ退職する人が多いようです。

そして、給料に関しては「安定」はあるものの「高い」とは言えません。特に、若いうちは民間企業の方が稼げることも多いです。公務員の給料が安定しているというのは「勤続年数に応じて確実に一定数アップしていく」という意味ですからね。

さらに、公務員は精神疾患になる人が多いと言われています。心当たり、ありませんか? 突然休職したあの人や、毎日辛そうだったあの人のことです。どうして、それほどまでに精神疾患が多いと言われているのか?

公務員は、少しミスしただけで地域住民やマスコミに叩かれますよね。「小さなミスでも許されない」というプレッシャーの中、仕事を続けるのは大きなストレスです。

挙句には「税金泥棒!」「税金払ってんだから」と、税金を盾に文句を言われることもありますよね。実際、地域住民に叩かれたり、地域住民とのトラブルが起きたりして精神を病んでしまう人は多いでしょう。

また、上司との人間関係にもストレスを感じざるを得ませんよね。

「上司」という一種の特権意識を振りかざす乱暴な上司、人の悪口ばかり言う先輩、予算や人など一切合切を掌握したがる人たち…。ネットで調べた印象に過ぎませんが、僕が感じたのは「公務員、変な人多くないか?」ということです。

なんだか、一般企業とは違う煩雑な人間関係があるようですね。

理由がハッキリしているなら、公務員を辞めるのはもったいなくない

色々な元公務員の退職理由をネットで見て思うのは、「辞めたい理由がハッキリしているなら、辞めるのはもったいないことではない」ということです。

ハッキリとした理由を抱いて辞めた人は、転職後の方が幸せそうに見えます。反対に、ネットで「公務員辞めなかったらよかった」という人は、明確な理由を挙げていないように感じるんです。

辞める理由がハッキリしているということは、次どんな仕事・職場に転職したら自分が幸せかがわかっているということですから。

たとえば、僕は「休みが取れない、残業ばかりで自分の時間が無い」ことをメインの理由に転職をし、残業が少なく休みもしっかり取れるホワイト企業に転職しました。それに、今は幸せだと胸を張って言えます。足りないのは恋愛要素くらいと自嘲していますよ、いつも。

だから、考えてみてほしい。

あなたは今、どうして、公務員を辞めたいのか。

転職成功のために一番大切な考え方は、「今ある不満を解消するために辞める」ということです。ただ漠然と辞めたら失敗しますが、目的意識があれば転職を成功に導くのは難しいことじゃありません。

公務員と民間との違いを理解して転職先に求める条件を整理

公務員から転職するときには、転職先に何を求めるのかをハッキリさせることが大事です。公務員と民間との違いを理解したうえで、自分の求める求人条件を整理しましょう。それがそのまま、転職活動の方針になります。

転勤の有無

国家公務員の総合職には地方への転勤があり、地方公務員には都道府県内の転勤がありますよね。公務員を辞めたいなら、どの程度勤務地を限定したいのかを考えておきましょう。

地方公務員のように同じ都道府県内なら転勤しても良いのか、それとも隣県くらいなら構わないのか、人によって基準は異なると思います。中には、絶対転勤したくない! と勤務地を住居近くに限定したいとか、親の介護のため実家近くに限定したいとかそういう人もいますよね。

転勤の有無と、転勤はどの範囲で行われるのかをしっかり確認しておきましょう。

子育て支援体制

女性の場合は特に、出産・子育てが気になりますよね。

公務員は組織文化的に産休・育休が受け入れられやすく、3年近い育休を取得する人も多いです。時短勤務アリなど子育てに関する対応は、並の民間企業よりも確実に良いと言えるのではないでしょうか。

子育てが心配なら、産休・育休の制度をどれくらい利用しているのかを重視しましょう。

男性の場合、男性でも取得した実績があるかどうかも確認したほうが良いですね。

民間の場合は、フレックスタイム制により柔軟な子育て対応をしている会社もあります。そういう会社は、子どもの送り迎えのために一定の時間職場を抜けるということも可能です。

そういう制度の有無もしっかり見ておきましょう。

休日数や福利厚生

民間企業における働きやすさというのは、「休み」に関する制度が充実していることや、福利厚生が充実していることなどを指す場合が多いです。

たとえば、有給休暇はしっかり取得できるかどうか。 公務員に比べて、民間企業は有給取得率が低いところも多いです。ブラック企業に勤めていた頃の僕は、身内の不幸くらいでしか取得できませんでしたから。

あとは、夏季休暇・年末年始休暇の有無と日数、そもそも年間休日日数、リフレッシュ休暇の有無なども大事です。

働きやすさを重視したいなら年間休日日数は120日以上を目指しましょう。

福利厚生に関しては人によって求めるものが違いますが、たとえば「各施設の割引利用」「グループ企業のサービスや商品の割引購入」「各種手当」などを見ておくと良いと思います。

年収の最低ライン

公務員から民間に転職する場合、年収が下がることが多いです。特に国家公務員を辞めたいという人は、大幅に下がることも覚悟しておかないといけません。新卒同様とまではいかないかもしれないけど、民間経験が無いなら高望みはできないんです。

年収の最低ラインを決めておきましょう。

ただ、中には、公務員時代がそもそも給料が高くないという理由で現状維持が可能だったり、あがったりする人もいます。

給料が少ない公務員は、現状維持を最低ラインにしても良いでしょう。

また、自分の年齢の平均年収を基準に考えるのもアリです。個人的には平均年収を上限とし、そこからどれくらい下がることを許容するかを下限にすることをオススメします。特に未経験分野の仕事をする人には。

国税庁の民間給与実態統計調査(平成29年分)によると、年代別の平均年収は次のようになっています。

  • 20代(前半~後半):262~361万円
  • 30代(前半~後半):407~442万円
  • 40代(前半~後半):468~496万円

ボーナスの仕組み

公務員のボーナスは、確実に貰えるものですよね。

民間は企業によってボーナスに関する考え方が、全く違うんです。

たとえば、その年の業績に連動すると決めている企業もあれば、業績が上がっても下がっても関係なく一律とする企業もあります。中には、ボーナスを支給しない会社もあるんです。ボーナスを支給するかどうかの判断は、法律上だと企業に委ねられていますから。

安定が欲しければボーナス固定化の企業を選べばいいし、頑張りを認めてもらいたい人などは業績連動の企業を選べばいいと思います。

副業可能かどうか

「年収が下がるなら副業すればいいか」「副業したいから公務員を辞めたい」などの考えがあるなら、副業可能かどうかもしっかりと見ておきましょう。最近は副業可能という企業も増えましたが、当たり前のように副業ができるわけではありません。

また、副業に関する規定を定めている企業も多いです。

副業の種類・副業による収入の扱いなどの規定を転職の条件としてきっちりチェックしないと、自分が望むような働き方が出来ない可能性がありますよ。

勤務時間や曜日

公務員は残業以外カッチリ決められた時間・曜日で勤務するのが基本だけど、民間はそうではないケースもあります。

たとえばサービス業の多くはシフト制度を導入し、時間がさまざまな都合により変わるんです。会社都合により変えられることもあれば、自分の都合でもある程度コントロールできます。

フレックスタイム制と言って、「コアタイム」という時間以外は仕事が滞らない程度に時間的自由が許される制度もありますよ。

「どうしても働けない時間がある」という人など、自分の都合によって勤務時間や曜日を重視した転職活動をしましょう。

公務員時代の経験を活かせる転職先を考察

公務員から民間の転職に不安を覚える人も多いと思います。実際、「公務員にできるの?」「民間企業の経験なんかないでしょ?」なんて言葉をかけるサラリーマンも多いでしょう。

だけど、公務員として経験していることは民間の仕事にも通ずる! その経験を活かせる転職先を考えてみました。

技術系公務員の場合

土木や建築、機械や電気などの技術職に就いている公務員が経験を活かせる転職先は、結構ありますよ。

土木・建築の仕事をしている人なら、工事のプランニングから施工の管理やメンテナンス業務など幅広い経験があると思います。作業員だけじゃなく、施工管理の仕事や現場監督の仕事なども可能になるでしょう。

土木・建築業者の裏方的な仕事も視野に入れられると思います。

機械系技術職は、ビルメンテナンス・工場の設備管理保全の仕事などが転職先にオススメです。電気系技術職は、ビルメンテナンス・電力会社・電気屋さんなどが転職先の候補に挙げられます。

事務系公務員の場合

公務員の仕事、事務関係多いですよねえ。部署を限定されることなく配属され、多種多様な現場を経験することになる事務職の公務員。公務員の事務関係というと僕のようなサラリーマンには、役所の窓口にいる人が思い浮かぶけど、それ以外もたくさんあるわけです。

一般事務はもちろん、営業事務・経理事務・総務などオフィスワーク関係全般、転職先の候補に挙げられると思います。

また、公務員として経験していない仕事に関しても、事務能力が高いことをアピールすれば転職先候補はもっと増えるのではないでしょうか。

面接でアピールするときには、事務能力が高いということを「作業スピードが早い」「タスクの切り替えがうまい」「確実に仕事をこなせる」「物事の整理が得意」などに分けて考えると良いと思います。

心理職の公務員の場合

心理職・福祉職は、転職先候補の傾向が似ています。

心理職は児童心理司・真理判定員などの立場になり、心に寄り添った仕事をしますよね。児童相談所などの福祉施設が主な職場になります。民間の心理関係職の仕事場も、医療・福祉がメインになるんです。

障害者関係施設で働いたり、特別支援学級で働いたりしています。そういう職場に転職するという道もあるし、児童福祉以外では民間企業の企業内カウンセラーも転職先に入れられるでしょう。

企業内カウンセラーは、企業で働く人の精神衛生管理をサポートする仕事です。心理職として持っている経験というよりも、知識を活かす感じですね。

福祉系公務員の場合

福祉職は、各社会福祉施設・児童相談書などの指導員・相談員として働く仕事ですよね。仕事内容は指導と相談そして調査ということで、社会福祉施設で働く一般の人とは少し業務内容の範囲が異なります。

ただ、指導・相談・調査する立場の人の知識と経験というのは、その業種に必要なものがある程度包括されているものです。

各社会福祉施設で働く現場の仕事などが転職先候補に挙げられるでしょう。

社会福祉士として働くのなら、福祉施設だけじゃなく民間企業にも活躍の場はありますよ。

公安系公務員の場合

警察官・消防士などの地方公務員、刑務官・入国警備官・皇宮護衛官など国家公務員…公安系の仕事と言っても、結構いろいろありますよね。僕らサラリーマン的には警察と消防くらいしか思い浮かびませんが、公安というのは結構大きい括りなわけです。

警察官から転職と考えると、警備・インストラクター・自動車学校・営業職などがオススメ。警察官からの転職に関しては以前詳しく語っているので、オススメの理由など詳細が気になる方はぜひ読んでみてください。

それ以外の公安職にも、上記四つの転職先はオススメです。

ほかには…セキュリティ会社が個人的にはとてもオススメですよ。

国家総合職の場合

キャリア組と呼ばれる昇進スピードが早い世界ということで、たくさんの苦労をしていることだと思います。仕事を辞めたいと思うのも、無理はないのかもしれませんね。地方公務員と比べるとかなり独特な世界でしょうから。

そんな国家総合職の中でも法律関係の仕事をしているのなら、法律に詳しいはずです。

一般企業だと法務部・知的財産部門などが転職先の選択肢に入るでしょうし、資格を取得して士業を営むのもアリだと思います。

また、国家総合職全般的に、企画職が転職先の候補に挙げられるのではないでしょうか。国家公務員の仕事というのは、人々のニーズを探り、必要な政策はどんなものかを考え、法令に基づいて制作を実施することですよね。

民間企業の企画の仕事は、人々のニーズを探り、必要な商品(売れる商品)はどんなものかを考え、それを形にすることです。それを作るのが開発部門だったり、それを売るのが営業職だったり「実施」に関しては各部署に委ねられます。

似ているというか、分野が違うだけでほとんどそのままではないでしょうか。

国家公務員一般職の場合

国家一般職というと、総合職たちが定めた制作の施工・実施のため、事務処理を行う仕事というイメージがあります。じっくり腰を据えてコツコツ仕事をし、政策にじっと向き合う続ける仕事なのではないでしょうか。

省庁・出先機関により仕事内容は変わりますし、一般職は総合職よりもじっくりと同じ仕事に向き合うことが多く、専門性が磨かれる傾向にあるため、省庁・出先機関により転職先の候補も違ってきます。

たとえば、内閣府は政策課題の企画立案に関する仕事が多くなるため、企画の仕事・営業の仕事・マーケティングの仕事などが転職先候補に入るでしょう。

金融庁なら、銀行員・保険会社の営業・証券会社の営業などがあると思います。

地方労働局に入った人は、キャリアコンサルタントになる道もあるでしょう。仕事内容はハローワークと似たものですが、ハローワークよりも営業職感が強いです。人と会社を結びつける役割をするため、人とも会社とも密接にかかわることができます。

基本的に、自分が入った省庁・出先機関の仕事分野を民間で行うという形が良いでしょう。

そうすれば、今の知識と経験を活かして高いポストに就くことも期待できます。国家公務員という印象の良さもありますし、最初から管理職候補でも全く問題はないでしょう。

国家専門職の場合

国税専門官・労働基準監督官・財務専門官・外務省専門職員・食品衛生監視員などなど、国家専門職と言っても色々ありますよねえ。公安系の仕事で挙げた皇宮護衛官なども国家専門職に入りますし…。

全体的に「監督」「調査」「指導」する立場の仕事が多いので、その能力関連で転職先を考えてみたんです。

  • ディレクター
  • 現場監督
  • 営業職
  • システム管理
  • システムエンジニア(上流工程)
  • 管理職全般

ディレクターと言うとテレビのイメージが強いけど、実際にはWEB・ゲーム・アニメ業界など様々な業界にいるポジションです。ディレクター(制作進行)の仕事は、現場全体を監督調査して時には各ポジションに対する指導を行い、対外交渉などを行うこと。

国家公務員の専門職に必要とされる能力などが、存分に役立つと思います。

システムエンジニアに関しては下流工程よりも、計画・管理を行う上流工程のほうが向いているでしょう。

究極を言えば、管理職全般に向いていると思います。管理職候補として転職することも、考えられるのではないでしょうか。

公務員時代の仕事は役に立たない、は嘘

「公務員時代の仕事なんて役に立たないよ」と言う人がいますし、ネットで「公務員から転職」と調べても似たようなことを語る人が多いです。ただし、それは紛れもない嘘なので安心してください。

人が何年かかけて頑張ってきたことが、全て無駄になるということは人生においてありません。

ある意味、公務員というのは色々な職種のハイブリッドのようなものだと僕は思っています。

上で紹介したように、突き詰めて考えれば公務員時代の経験を活かせる転職先は沢山あるんです。

だから、公務員から民間の転職に対して必要以上に怖がらなくて大丈夫。転職するのが怖いのは民間から民間の場合も同じです。今いる場所を離れ、まだ見ぬ場所に行くんだから怖くないはずがない。

また、公務員だからと「もったいない」と躊躇するのも愚策。

明確な辞めたい理由があるのなら、その理由を解消するために転職活動を始めましょう。

大事な考え方は「〇〇だから辞める」という明確な目的、立ち回り術は「転職のプロに相談し、内定を得てから辞める」。

それさえ徹底していれば、転職は成功する! 「もったいない」という気持ちを飛び越えて、転職を成功させちゃいましょう。