監査法人の仕事を辞めたいと語る人は、実はすごく多いんです。

辞めることを決意していなくとも、「やめ時はいつか」と機会をうかがっている人はもっと大勢います。公認会計士の資格を持つ人にとって、監査法人はいつか巣立つ場所…。

そこで、監査法人を辞めたい理由や転職先候補を調査・分析してみたいと思います。

監査法人を辞めたい人の主な理由は?

  • 監査法人の業務がつまらない
  • 激務
  • 専門性が当たり前
  • 監査先との関係性が難しい

監査法人の転職理由で多くの人が語るのが、「つまらない」「激務」の二つです。

監査の仕事はあまりにも形式ばっていますよね。ガチガチに決められた書式で書類を作り、ガチガチに決められた確認事項に基づき働き…。自分自身でアイデアを出して働くという場面が圧倒的に少なく、個人の裁量権がかなり小さいんですよね。

そういうところで「監査法人の仕事はつまらない」と感じる人が多いのでしょう。

また、公認会計士の試験を受ける段階から「就職先は監査法人」とぼんやり決めている人がいます。これは公認会計士にとっての暗黙の了解みたいなものなんでしょうね。

「数年間は監査法人に勤めたほうがいいよ」と。

「自分で決めていない」ことも、仕事がつまらない原因になっているんだと思います。

監査法人は激務だと言われることに関しては、「人手不足」「労働集約型の業務である」「各社の決算期の偏り」などが原因なのではないでしょうか。

特に、人手不足が致命的です。人手が足りなければ人を増やせばいいというのが事業会社の感覚なんですが、監査法人で働くのは「公認会計士」。国家資格持ちという条件がある以上、簡単に人を増やすことができません。

そして、監査業務は書類仕事も現場の仕事も打ち合わせも全て人の手に頼っています。

今後は「現場の仕事はAIが担う」ことになると言われているものの、AIの実用化にはまだ少し遠いです。しばらくは今の状況が続くことでしょうね。

さらに、監査先企業の決算期に偏りがあるというのも辛いところです。3月・6月・9月・12月と3の倍数の月を決算期とする会社が多いため、その時期は圧倒的激務! 1年の3分の1が繁忙期というのは、想像するだけで冷や汗が出ます。

ほかには、「専門性が当たり前」というのが辛いですね。

公認会計士なんて僕のような一介の営業職からしてみれば、「すげえ」です。ただ、監査法人はその「すげえ」奴らばかりなわけで、専門性が当たり前となり、出世競争や上司からの評価は厳しくなります。

また、監査先との関係も難しいですよね。

監査先は監査法人にお金を払っているので、「客」です。ただ、「厳しく監査すべき対象」でもあります。この仕組みには一種の矛盾があり、この二つの特徴の間で板挟みになってしまうんですよね…。

以上が、監査法人のよくある転職理由です。

自分自身の現状と置き換えて、自分がどういう理由から監査法人を辞めたいと考えているのかをじっくりと分析してみましょう。

監査法人から転職するときに考えられる選択肢

監査法人のやめ時はいつかという疑問を抱える人が少なからずいますが、僕にしてみれば「辞めたい理由が自分の中で大きいなら辞めたほうがいい」んです。そして、自分に合う転職先を見つけたときが「やめ時」なのではないでしょうか。

それを見つけるための指標を、紹介したいと思います。

1.事業会社に転職する道

公認会計士は、事業会社に転職すると喜ばれます。

決算の監査対応を、公認会計士に任せたいからです。

監査対応の仕事には、会計処理の知識が必須になります。それだけではなく、監査を行う会計士との調整能力や交渉力も大事ですし、会社経営がどの方向を向いているのかを把握したうえで調整や交渉を行うことも大切です。

しかし、そういう能力を持っていない経理の人が大勢います。

公認会計士がいるだけで、事業会社の経理部は非常に大助かりなわけです。

また、監査法人出身の会計士に対して「内部統制監査」の役割を期待する企業も多い。どうしたら内部統制が機能するのか? うまく機能しているかの判断基準は? などを、監査法人勤務で得た実例から把握していると考えるためです。

だから、経理部以外にも、「監査部」「経営企画部」「事業企画部」などで活躍できるのではないでしょうか。

それらは、転職先に選ぶのが難しいと言われている部門の仕事です。

監査法人にとっては当たり前の専門性を、事業会社の中で「特異性」とし、より高い待遇を得ながら企業経営に貢献できる!

それは、「会計は嫌いじゃないけど、監査法人がつまらない」と感じる人にとっては、面白いのではないでしょうか?

2.経験を活かしながら他の分野に転職する道

監査業務の経験を活かして、企業に求められる役割にそのまま応じる転職の道もありますが、経理や監査などに関わらず、他の分野に転職するという道もあります。「監査なんてこりごりだ!」という人にとっては、こちらの方が面白いかもしれません。

その転職先として挙げられることが多いのが、投資銀行・ファンドなどの分野です。

どちらも「お金」に関する仕事ということで、会計士の知識を活かすことができます。とはいえ監査業務とはまるで性質が異なるため、「経験と知識を活かしながらほかの分野で働く」例の典型と言えるのではないでしょうか。

僕としては、監査業務の経験を活かして「コンサルティング会社」に転職する道もオススメです。

コンサルというのは、企業から報酬を貰ってその企業の抱える問題を発掘し、解決のためのアドバイスを行うことです。この部分が監査と似ているんですが、監査と違うのは「間違いがないフラットな状態にする」だけではなく、「間違い・課題を解決したうえで、さらなる向上を目指す」ということ。

業務分野が「会計・経理」以外にも「経営」「企画」などさまざまな部分に渡り、多くの経験を積むことができる面白さがコンサルにはあります。

個人の裁量がかなり大きいのも、オススメしたい理由です。

また、似たような特徴を持つ「マーケティング」の仕事もオススメ。

特に、「会計士を辞めてベンチャー企業やスタートアップ企業に転職した」という人の声がネットにはあげられているんですよ。そういう人が担っているのが、「マーケティング」「マネジメント」の役割です。

「1.事業会社に転職する道」で少し触れたように、監査法人での業務経験を活かし、内部統制や組織作りに関わっているということですね。

道に迷ったら転職エージェントを使おう

監査法人での業務経験や公認会計士としての知識はさまざまな分野の仕事に役立ちます。そのまま経理・会計に深く関わる道もあれば、コンサル・マーケティングなどに関わる道もある。

ほかにも、僕が見つけられなかったような道があるかもしれません。

ただ、自分がどの道に進むべきかがわからないという人が多いでしょう。

そこで、転職エージェントの活用をオススメします。

転職エージェントを使うと、あなたの経験・知識・能力・性格から「こういう仕事や会社が合っている」ということをアドバイスしてもらうことができます。そして、その求人の例を一緒に提示してくれるため、その道に進んだときの自分をよりイメージしやすくなるんです。

選考対策もしてくれるし、待遇交渉などもしてくれます。

あなたが求めるものを、遠慮なく転職エージェントに話してみてください。

そうして、自分が進むべき道を決め、あとはその道を突き進みましょう。自分に合う道に進めば、人生は劇的に面白くなりますよ。