就職を考えたとき、ハローワークが頭に浮かぶニートの人は多いと思います。
実際、2chなどを見ていると「ハローワーク行ってきた」というニートスレが立つことが多いですしね。
街中にある職業相談所として知名度が高く、公共事業という安心感も手伝い、就職するなら当然ハローワークを使うと考えるのはわかる。
ただ、使う前に知っておいてほしいことがいくつかあるんです。
これから語る内容を踏まえて、ハローワークをどう使うか(もしくは使わないことにするか)を考えてみて下さい。
まずは、ハローワークのサポート内容を把握しておこう
ハローワークのサポート内容のメインは、職業紹介です。ハローワークに置かれた端末を使って求人を検索・閲覧し、気になったものがあれば応募することができます。基本的には、利用者がひとりで求人を見ていることが多いですね。
ただ、希望すれば職業相談にも対応してくれます。
ハローワークに訪れるニートのほとんどが、職業相談を目的としているのではないでしょうか。
相談員に状況と自分自身の性格や能力などを話して、そこから仕事の選び方や履歴書の書き方・面接対策などのアドバイスをしてくれます。そもそも自己分析ができない人には、自己分析をどう進めていけばいいのかも教えてくれるんです。
ニートにとっては、かなり嬉しいサービスと言えるのではないでしょうか。
また、ハローワークは職業訓練も行っています。
ニートに対する職業訓練は雇用保険受給者に対する職業訓練に比べれば期間が短めで、訓練コースも限られていることが多いですが、社会復帰の足掛かりとして使う人が多いですね。
次に、ハローワークの利用方法を把握しておこう
ハローワークは、服装自由。
スーツで利用する人もいますが、普段外出するときのようなラフな格好で利用する人のほうが圧倒的に多いです。服装が良くないから職業紹介に悪影響を与えるとか、職員に指摘されるとかいうことは、よほど清潔感が無い人でない限りはありません。
自由な服装でハローワークに行ったら、まず求職申し込み書を書きます。
これを書くと、求職票が作成され、サービス利用に使うハローワークカードが発行されるんです。
ここまでの手続きを経てからでないと、ハローワークは利用できません。
あとは、受付窓口でハローワークカードを提示して、設置されている端末で求人を閲覧したり、就業相談の申し込みをしたり、利用者の自由です。
また、ハローワークにはさまざまな活用法があります。
「求人を見るだけ」「就業相談だけ」「職業訓練だけ」と、特定のサービスを選んで利用するのもアリ。
また、相談員をチェンジすることもできますよ。アドバイスの内容などは相談員によってまちまちだから、色々な人の意見が聞きたいなら「違う人に変えて欲しい」と言えば対応してもらえます。
相談員が自分に合わないと感じたときにも、合う相談員を探せるんです。
ただ、相談員の人数はそんなに多いわけではないので、チェンジにも限界がありますけどね。
ハローワークを使って就職活動をしたニートの声を総合すると…
ハローワークの使い方などがわかったところで、ハローワークの実態を紹介したいと思います。
これからする話は、ハローワーク利用歴があるニートの知人の体験をベースとし、ネット上で見つけたほかの人の体験談を組み合わせたもの。
これを見れば、ハローワークの良し悪しがハッキリと分かります。
1.使ってみて感じるハローワークの良いところ
ハローワークには、地元の求人がたくさんあります。
ハローワークというのは、可能な限り今住んでいるところから引っ越さなくても良い仕事を紹介するということが職業安定法という法律で決められているんですよ。だから、ハローワークは積極的に地元の求人を集めています。
ハローワークが地元企業に掲載依頼を出すこともあるし、地元企業がハローワークに掲載依頼を出すこともある。
ほかにも、商工会などが主催して地元の就職キャンペーンや地元の再就職支援キャンペーンなどを行うこともあり、そのときにはハローワークにたくさんの地元新規求人が出るんですよね。
ハローワーク以外だと全然求人が見つからないような地域にも、ハローワークなら求人が見つかるというのはハローワーク最大のアイデンティティであり、メリットです。
2.ハローワークの求人の傾向
- 募集要項が雑で穴だらけ
- 募集要項と実際の求人内容が違う
- 写真が全然掲載されていない
- ずっと同じ求人がある
- 全体の更新日自体が古い
ハローワークの求人でよくあるのが、募集要項が雑ということです。
たとえば、「仕事内容は一言だけ」ということが結構よくあるんですよ。警備の仕事だと「ビルの警備の仕事です」と書かれているだけとか…。だから具体的にビルの警備の仕事って何をするんだよ? という話ですよね。
その職業の経験が無ければサッパリわからないし、ニートにとっては優しくなさすぎます。
あとは、給料欄が空白だったり、週休2日とだけ書いてあって年間休日日数は謎だったり、なんか雑なんですよね。最低限は書いてあるんだけど、逆に言えば最低限しか書いてなくて、本当に求職者が欲しいことを書かないんです。
これでかなりひどい例を紹介したと思うかもしれませんが、実はまだマシな方で…。
本当に酷い例だと、募集要項のほとんどの項目が書かれていないという穴だらけの求人もあるんですよ。
あとは、書いてあったとしても「面接時に伝えます」というスタンスのところが多い。
やる気あんのか? と言いたくなりますよねえ。
知人は「せっかくニートがやる気出してるのに!」と憤っていました。
雑で穴だらけなだけじゃなくて、「事務職」という募集なのに実際に面接に行くと「営業職」の面接だったということも多いんです。
求人を出した時点では事務職の募集だったのかもしれないけれど、営業職の募集に変わったなら募集要項も更新して欲しいですよね。これでは面接を受けるだけ損をしたというものです。
また、ハローワークの求人には写真がほとんどありません。
アルバイトなどで働いたことがある人はわかると思いますが、ネット上の求人は「働いている人の集合写真」「仕事をしている最中のイメージ写真」「制服の写真」などが掲載されていることが多いんです。
ただ、ハローワークはそれがない。
特に職歴が無いタイプのニートにとっては、働くイメージが掴めないというだけで求人に応募するハードルがものすごく上がると思うんですよねえ…。
そして、何よりも「ずっと同じ求人がある」というのがハローワーク最大の特徴。
しかも、そういうものは応募してみたら「今は募集をしていません」と言われることが多いんです。
いわゆる「カラ求人」というんだけど、カラ求人があるのはハローワークくらいのものですよ。ほかの就職支援サービスなんかだとあり得ません。
そんなあり得ないことが起こるのがハローワーク。
折角「地元企業の求人が多い」「求人の数がそもそも多い」というメリットがあるのに、カラ求人の存在や穴だらけの求人の存在でそのメリットが打ち消されてしまっている印象があります。
3.ハローワークを使った知人は「説教」された
求人に残念な思いを抱きながらも、知人は就業相談を申し込みました。
結果、ここで心が折れかけたそうです。
相談員「軽く現状の確認をしたいので、話せる範囲で話してみてください」
知人「大学中退、アルバイトを転々としながら小遣い稼ぎをしていました」
相談員「なるほど」
知人「最後に勤めていたところで無能だと言われ、クビになり、以来ニートです」
相談員「…」
ここで、相談員の顔色が困惑と呆れに包まれます。
相談員「あなたね! アルバイトを続けられない人間が正社員になれると?」
知人「はあ」
相談員「無職期間は何をしていたの?」
知人「特に何も」
相談員「働く気あるの? 真面目に就活しなさい 何か資格とか知識とかは?」
問い詰められながら説教をされ、知人は涙目になります。
そもそも働く気があるからハローワークに来ているわけで、真面目に就活したいからハローワークに来ているわけで…。
知人「働く気ありますし、今は真面目に活動しています」
相談員「じゃあどうするの」
知人「未経験でも可能なホテルや不動産の求人をあたろうかと」
相談員「不動産の知識や資格は?」
知人「無いですが未経験でも可能だし、宅建が絶対必要なわけでもないですよね」
相談員「いやいや、あったほうがいいでしょ」
知人「働きながら取得します」
相談員「嘘だ…!」
さらに、ホテルの仕事に関しても「ニートに接客は無理」と断言されてしまいました。
この知人の体験は特殊な例かと思いきや、結構「ハローワークで説教された」と語るニートは多いんですよ。
職業相談も、良し悪しなんですねえ…。
4.結局、ハローワークで就職できたのか?
求人に残念な気持ちになり、職業相談も説教され、心が折れかけた知人。
それでもなんとか食らいつこうとしたものの、求人に応募するたびに説教と文句の嵐になり、挫折してしまったんです。
そして、今も彼はニートを続けています。
知人のほかにも、SNSやネット上ではこんな失敗談もあるんですよ。
- ハローワークで就職したらブラック企業だった
- そもそも応募したい職種が無かった
- 応募したい求人がことごとくカラ求人だった
ハローワークの失敗談をまとめると、説教からの挫折以外には上記3種類が主流でした。
結局、ニートがハローワークで就職成功したという話は少ないんですよね。
ニートがハローワークで失敗しやすい理由はどこにあるのか?
僕は、ハローワークの仕組み自体に大きな問題があるのではないかと思うんですよ。
ハローワークは、求人の記載内容に関しては「記載方法を指導するが、記載内容が嘘だったとしても法的罰則はない」としているんです。しかも、記載内容が正しいかどうかの調査すらせず、企業が書いたものを右から左へ受け流すように掲載しています。
そして、ハローワークが求人内容に関する調査をしないのは、「できない」からなんです。
ハローワークは税金で成り立っています。調査をしようと思えば、税金を使って今まで以上にたくさんの職員を雇わないといけなくなるだけでなく、労力もかかります。そんなに税金を使えるほど、余裕がないんです。
だから嘘の求人がはびこる。
また、カラ求人が生まれる理由はたくさんあるんです。
まず、「求人削除依頼を出すのを忘れている」というケースがあると思います。
ほかにも、「無料だからとりあえず載せてみようかな」「募集が終わっても広告を載せておけば自社のアピールになる」という考えで故意的にカラ求人を生み出しているケースもあるのではないでしょうか。
僕が思うに、ハローワークのさまざまなデメリットの原因は「金銭が発生しない」点にあるんですよ。
広告料が無料だからカラ求人が生まれるだけでなく、いい加減な求人が多くなるんです。料金が発生すれば、費用対効果を気にして「より良い求人広告を作らなきゃ」と考えます。そこから求人広告を代理店に依頼する会社も少なくはないです。
そして、職員側はビジネスや商売じゃないから求職者への支援が甘くなり、求職者に対して厳しくなるのではないでしょうか。
求職者が就職に成功したからと言って、自分に見返りがあるわけではありませんからね。
だからニートに良かれと思って説教をし、挙句の果てに紹介状を出さないということが発生するわけです。
以上、ハローワークは公共事業だからこそニートにとって優しくないサービスになっているのではないかという話でした。
ニートはハローワークよりも使うべきサービスがある
ここまで語ってきたことを振り返ると、ニートはハローワークよりも優先して使うべきサービスがあると思うんですよ。
それは、就職支援サイトです。
就職支援サイトに広告を掲載するために、企業はお金を払います。その時点で「カラ求人」は生まれないし、雑な求人も生まれにくくなっているんです。それだけじゃなく、求人の内容に関してもしっかりと精査しています。
また、就職支援サイトには就職活動を支援してくれるアドバイザーがいることが多いです。
彼らはビジネスをしているんだし、アドバイザーが会社から評価される指標に「就職成功率」があるから、ニートに対してもやさしい。
しかも、就職支援サイトには「業界・職種未経験OK」「資格ナシ」などのニート向けの求人が多く、求人検索の絞り込み条件もかなりニートに寄り添ったものとなっています。ハッキリと「ニートのためのサイト」とはしていないものの、ターゲットに含まれていることは確かです。
就職支援サイトの一例であるハタラクティブには、ニート向けのお役立ち記事もありますしね。
ニートであるあなたの状況に寄り添い、ピッタリなアドバイスをくれる信頼感がある。
「ニートに嬉しい検索条件で求人を探せて」「嘘求人が生まれにくくて」「ニート向けのアドバイスも得られる」というのだから、最早ハローワークを使う意味は「職業訓練」くらいのものですよね。
今すぐネット上で使えるし、今から「軽く」でも覗いてみるといいのではないでしょうか。
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