精神障害者に対して相談や援助を行う精神保健福祉士。
人の精神に深く踏み入れるということは、その人の痛みや苦しみが自分の中に入ってくるのと同義。それだけでも大変なのに、職場に問題を抱える人も多い。健全な精神を持っている人ほど、精神保健福祉士の仕事は辛すぎるように思います。
仕事を辞めたいのなら、心を壊しやむなく退職する前に、自分から転職する決意も必要かもしれません。
精神保健福祉士を辞めたい人が挙げている主な理由
職場の人間関係
精神保健福祉士は福祉の分野において、特殊な資格・仕事です。他の資格に比べると持っている人の人数も少なく、さらに精神保健福祉士としてしっかり働いている人はもっと少ない。そういう特殊な仕事だからこそ、他の職種の人との折り合いが悪いようです。
特に、精神科勤務の方は医師や看護師に雑務を押し付けられたり、本業の休憩中に受付業務を押し付けられたりすることが多くありませんか?
仕事量が多くて本来の仕事に支障をきたす。残業をしてまで雑用をすることになるが、残業代は貰えない。
そうやって心身共にすり減らした状態で、適切な相談援助ができるでしょうか。そのうちに、自分自身が辛くなって適切な仕事ができなくなる可能性が出てくるのではないかと、僕は思います。
精神的な負担が大きすぎる
通常の医療の現場における死とは違い、自殺という形で死がすぐそこにある仕事。患者の援助を行うため訪問したら、患者が首を吊っていることがある。包丁を持って自らを切ろうとしていたこともある。患者に、刃物を向けられることも…あるでしょう。
「帰れ!」「死ね!」「殺す」といった暴言を吐かれることも多いようです。
長年この仕事を続けて達観している人の中には全く意に介さない人もいますが、純粋な心を持っていれば耐えられませんよね。慣れてしまえばいいんだろうけど、慣れない人はどれだけ経っても慣れません。
仕事を始めてまだ日が浅いという人には、特に辛いことです。
向いてないことに気づいた
精神保健福祉士という仕事は「他人をある程度突き放して見る人」に向いている仕事だと思います。逆に、「人の話に感情移入するような、常に他人に優しくしようとする距離の近い人」には向いていません。
精神的距離を患者に近づけようとすればするほどに、働く側の心がおかされていきます。
「生きるか死ぬか、それとも殺すか」という世界に生きている人たちに感情移入しているのだから、耐えられるはずがありませんよね。「他人は他人、色々な人がいるのだ、彼らの世界は彼らの世界なのだ」と考えることが、この仕事を続ける上で大事なことなのかもしれません。
それができないひとは、この仕事を辞めた方が良いと僕は思います。
寄り添いすぎては、ダメなんです。
精神保健福祉士の転職先選び&転職活動のコツ
調べてみると、別の資格を取得して転職する人が多いようです。
一度国家資格試験を突破しているからか、資格取得のハードルが他の人より低いんだと思います。仕事を辞めた精神保健福祉士は、「ケアマネージャー」「看護師」「介護福祉士」といった資格を取得し、仕事の幅を増やしている人が多いです。
福祉の現場に居続けることによって、精神保健福祉士として働くだけでは見えてこなかったことが見えますからね。将来的に精神保健福祉士として復帰するとしても、その経験はプラスになります。
ただ、福祉関係職は全体的に職場環境に悩まされがちです。
残業が多いとか、残業代が出ないとか、雑用を任されるとか、そういった悩みは解消しきれない可能性があります。精神保健福祉士の仕事自体が何より辛く、職場環境は二の次という方には良いかもしれませんね。
ただ、職場環境が辛いという方は福祉から離れた方が良いでしょう。
福祉以外だと、サービス業や小売業に転職する方が多いようです。
人と関わる仕事をしていたということから、サービス業や小売業には転職しやすいです。元々門戸が広い業界ということもあります。だからこそ、それらの業界に転職する人が多いわけです。
だけど、それ以外の業界や職種に興味がある人も多いと思います。
そういう人は、どうすればいいのでしょうか。
オススメの転職戦略は、自分の能力と適性を知り、適切な求人が得られるよう支援を受けること。自ら考えるだけでなく、誰かの力を頼って転職しようということです。
最初に考えなきゃいけないのが、自分の能力。
あなたは精神保健福祉士としてどんな能力を培ったか、それ以外に元来備わっていたスキルはあるかを考えましょう。たとえば、精神保健福祉士としてコミュニケーション能力を磨いたと思います。他にも人の心のケアや社会福祉のノウハウがあるはずです。
資格取得に挑戦したということから、チャレンジ精神もあるように思います。
次に、そういった能力が何の仕事に役立つのかを考えないといけません。だけど、それが難しいんですよね。自分ではサッパリわからないと思います。
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