ニートを積極採用しているという求人が、世の中には転がっています。

「ニート歓迎!」「社会経験が無くても大丈夫!」などの見出しや文章を求人に入れて、日本の多数埋もれているニートという人材を掘り起こそうというわけですね。これは一見してニートにとって良い傾向に思えるかもしれません。

もちろん、優良求人もあります。

だけど、中には世間知らずなニートに対して仕掛けられた罠があるんです。

そんなニートを積極採用している求人の傾向を探りながら、仕掛けられた罠を回避する方法などをアドバイスしたいと思います。

ニートを積極採用している求人の傾向

ニートを積極採用している求人には、ある傾向があります。

それは、業界や職種に偏りがあるということです。

ニートを積極採用している求人を検索してみると、次のような業界や職種の求人がたくさん出てきます。

  • 配送ドライバー
  • 介護職
  • 飲食
  • 新聞配達
  • 製造業
  • 警備
  • IT・Web

特に多いのが、ルート配送ドライバーなどのトラック運転手です。ニート歓迎の求人としては求人に記載されている給料が高く、25万円以上というところがたくさんあるのが魅力と言えます。

次点で多いのが飲食と介護ですね。どの地域にもある求人だから多く感じるということもあるかもしれませんが、「ニート歓迎」「未経験歓迎」という文言が書かれていることがほとんどとなっています。

特にニートに対しては、ホールよりも調理補助などが多いです。

以上のようにニートを積極採用している業界や職種には偏りがあるんですが、それらを見て、僕は気付いたんですよ。

人材不足の業界や職種が多く含まれているということに…!

エン・ジャパンの「人材不足の状況について(2018年)」には、業種別で「人材が不足している部門はあるか」という質問への回答が掲載されています。

これに「ある」と答えた割合が、IT関係は91%、流通・小売関係は87%、サービス関係が89%となっています。流通は配送ドライバー、サービス関係は飲食などを含むわけだから、ニートを積極採用している求人の傾向と一致する部分が大きいですよね。

また、同記事内には職種別の「人材不足状況」も掲載されています。

「人材不足の状況がある」と答えた割合が、IT・Webを含む技術系は18%、ドライバーや警備を含む運輸・物流系が12%、飲食を含む販売・サービス系は10%と高めの水準です。

ちなみに圧倒的トップは営業職(35%)なんですが、社会経験のないニートにはオススメしにくいという意図があってか、ニート積極採用の求人は少ない傾向があります。

以上、ニートを積極採用する求人の多くは「人材不足の状況にある会社」と言えることができるわけです。

それを念頭に置いて、これから語ることをじっくりと噛みしめてみてください。

そもそもニートを積極採用することに得はあるのか

ニートを採用するメリットには、次のようなものがあります。

  • 人材不足を解消できる
  • 採用コストがあまりかからない
  • 自社の社風に染めることができる
  • 自社のシステムや仕事の進め方に馴染みやすい

まず、ニート積極採用という求人を出すことで、日本に大勢埋もれている人材を掘り起こし、人材不足の解消にブーストをかけることができるんです。経験者だけを採用するとなると人数は限られてきますからね。

そして、「ニートでも採用している」ということにより、「社会経験はあるけど職種未経験の人」の応募者数を増やすという意図もあります。

ニートが応募するだけじゃなく、職種未経験者や業界未経験者も釣れるというわけです。

しかも、ニートは経験者と比べて採用するコストが低いんですよ。経験者にはそれ相応に高い待遇を与えないといけないけど、ニートなら新卒初任給程度の待遇で採用することができます。

また、ニートはほかの会社に染まっていません。社会経験があるとしてもブランクがあり、前の会社のことはきれいさっぱり忘れてしまっているだろうと安心できます。

自社の社風に染め、自社のシステムや仕事の進め方を教えれば、真っ白いキャンバスに色を塗るように、素直にそれを受け取ってくれるというわけです。

つまり、急場の人材なら経験者採用でコストを払ってでも即戦力が欲しいけど、長期的な人材不足解消のためにはコストが低くて育て甲斐のあるニートのほうが良いということではないでしょうか。

ニートを積極採用している求人に仕掛けられた罠

これから紹介する「ニートを積極採用する求人の罠」については、すべての求人がそうだというわけではありません。もちろん、ニートを積極採用する求人の中にも優良求人があります。

ただ、こういう罠も紛れているので、気を付けるにこしたことはないということです。

1.洗脳をしかけてくる

先ほど、ニートを採用するメリットとして「会社の社風に染めやすい」ということを紹介しました。

これ自体に悪い意味はないんですよ。会社の社風というのは、その会社の価値観や考え方、その会社独自の制度など幅広い意味を含みますから。良い価値観や考え方ならいいし、良い制度があるなら染められることはそれほど悪いことではありません。

だけど、ブラック企業はニートの染まりやすさを逆手に取ってくるんです。

そして、「残業は当たり前」「ニート上がりから常識的な給料が貰えないのは当然」「仕事が全てだ」というようなブラック体質を、あなたに植え付けようとしてきます。それは教育というより、さながら洗脳ですね。

ニートを積極採用している求人の中には、ブラック企業が潜んでいるというわけです。

2.仕事の負担が大きい

ニートを積極採用しているのは人材不足の業界や職種が多いということですが、そのために一人当たりの仕事の負担が異様に大きくなっていることがあります。こういう求人は、大抵採用枠が極端に小さいんです。

人材不足だけどあんまり大人数を雇う余裕はないから、1~2人のみの採用にとどめる。だけど、その程度で解消できるレベルの人材不足ではないから、結果新しく採用した人間の業務負担が増えるというわけです。

しかも、こういう会社のタチの悪いところは「そんな状況でニートを雇うこと」なんですよ。

ニートを雇うと、当然教育に人手と時間を割くことになります。ただでさえ忙しい先輩たちが、ニート上がりの人材の面倒をみるとどうなるか…簡単に想像できるでしょう。

その不満やストレスをニート上がりの人材にぶつけ、悪口・陰口・嫌がらせなどが起きるケースがあります。

また、「教育に割く時間と人手はない」と判断し、「テキストとマニュアル読んで自分で仕事覚えて」と放り出されることもあるんです。業界経験があるならそれでも通用するけど、ニート上がりの人がそれで仕事を覚えられるわけありませんよね。

結果、挫折してしまう可能性があります。

3.給料が明らかに低い

ニートを雇う会社側のメリットのひとつは採用コストが低いことだけれど、意図的にそのコストを低くし過ぎている求人があります。

そういう求人には「給料:応相談」と書かれていて、実際どれくらいの給料になるのかが応募時にわからないようになっているんです。応相談というのは実はよくあることで、経験者に対してはその経験と実績を考慮して給料を決めたいから「応相談」と書いています。

だけど、ニートに対しては完全に「釣り」です。

応相談とぼかして少し期待させるだけさせて、面接では「内定になったら給料は会議で決める」などと言ってまた誤魔化すわけです。

そして、誤魔化されたまま脱ニートして実際に働いてみると、その業界や職種の初任給の相場よりも明らかに低いということがあります。

この問題の解決方法は単純です。

下限と上限を明記し、年収例を提示している求人以外選んではならないということッ!

罠に引っかからないために注意すべきポイント

1.言葉遣いがラフすぎる求人に要注意

これは洗脳を目的としてニートを積極採用しようとしている求人に多いんですが、求人広告にしては言葉遣いがラフすぎるんですよ。

「ニートだから大丈夫かなと心配な君、大丈夫! みんなでフォローして一人前に育て上げる環境が、自社にはある…ッ! 先輩たちもみんな優しくて和気あいあいとしている楽しい職場ですよ!」という風にね。

親しみやすい文章でニートを油断させ、「楽しく働けること」「ブラックじゃないこと」「雰囲気がいいこと」などをしきりにアピールしてきます。ニート以外の幅広い人もターゲットに入っているのなら、普通はこういうラフな書き方はしません。

社会経験がありビジネス文書に慣れている人なら、あまりにラフだと違和感を抱きますからね。

要は、ニートやフリーターなどの社会経験が乏しい人を一本釣りするような書き方ということです。

そして、「楽しい」「雰囲気がいい」という曖昧なことをしきりにアピールするということは、具体的に語ればブラック気質があるということを悟られてしまうということと言えます。

それに、「ブラックじゃないよ」をアピールしすぎるのも「ブラックなのを気にしているから」の可能性があるんですよ。

だから、文章がラフすぎると感じた時点でその求人は避けた方が無難です。

2.明らかに専門スキルが必要な求人に注意

「これは明らかに業界経験とか専門技術とかが必要だろう」という仕事の求人にも、ニート積極採用の求人があります。

実際にニートを積極採用して人材不足を解消したい求人ももちろんあるけれど、応募者を集めるための釣りケースも多いんです。エンジニア関係の仕事で「ニート歓迎」と書いてあるだけで、「え!? スキル要らないの?」と印象に残りますからね。

面接を受けてみたら「スキル無いのになんで受けたの」と言われてしまう危険性があります。

だけど、釣りかどうかを見分ける方法は、意外と簡単なんですよ。

求人に、「最初はアシスタントからスタート!」「〇ヶ月間の研修でスキルを身につけられ明日」という文言があれば釣りではない可能性が高いです。

スキルが無いニートを本当に採用する意思があるのなら、入社時スキル不要な理由を書いてニートを安心させようとしてくるはずですから。

3.ニート歓迎を明言していない求人を選ぶ

ニートを積極採用する求人にも優良求人があるものの、石橋を叩いて渡りたい人には「ニート積極採用!」「ニート歓迎」と明言していない求人を選ぶことをオススメします。

「それじゃあニートを採用してくれるかわからないじゃないか」と思うかもしれません。

だけど、それでもニートにやさしい求人を選べるんですよ。

  • 入社支度金あり
  • 身ひとつで入寮可能な寮あり
  • 入社時の研修が充実していることをアピールしている

以上の特徴を持つ求人は、比較的ニートにやさしいです。

入社支度金や寮に関しては、「貯金が無い人」「住むところに困っている人」など、ニートを含めたターゲット設定をしていると考えられます。

そして、入社時の研修が充実していることをアピールしている求人は、未経験者をターゲットにしていることが多いです。未経験だとしても研修があるから大丈夫! と安心させ、応募を誘っています。

特に、「マナー研修」「コミュニケーション研修」などがあるということを明言している求人は社会経験に乏しいニートやフリーターもターゲットに含めているのではないでしょうか。

以上のような求人は暗にニートをターゲットにしているものの、そこに「ニート歓迎」というワードで人を釣ろうという意図はありません。

あくまでも「応募者および採用者の幅を増やすための策」です。

だから、安心して応募しやすいと言えるのではないでしょうか。

これまで語ってきた「ニートを積極採用する求人の罠を避ける方法」を試しながら、そういう求人も視野に入れて就職活動をすれば、より良い会社の内定を得やすくなるでしょう。