高卒で就職した会社を辞めたい…。
だけど、高卒で会社を辞めるにはさまざまな不安がありますよね。
転職は上手くいくんだろうか?違う仕事に就けるんだろうか?
今回は、高卒者が転職を成功させるためのポイントを解説します。
ぜひ参考にしてみて下さい!
高卒で就職した会社を辞める前の予備知識
1.高卒の離職率は39.3%
厚生労働省が発表した「新規学卒就職者の離職状況(平成27年3月卒業者の状況)」によると、高卒が就職後3年以内に会社を辞める割合は39.3%だそうです。このデータはさらに細かく「事業所規模」によって分けられています。
- 1000人以上:25.3%
- 500~999人:32.9%
- 100~499人:36.5%
- 30~99人:46.3%
- 5~29人:55.9%
- 5人未満:64.3%
社員の人数が少ない会社になればなるほど高卒の離職率は高くなっているということです。
そして、「産業別の離職率」も挙げられています。これは高卒が就職した産業の中で「最も離職率が高い上位5産業」です。
- 宿泊業・飲食サービス業:63.2%
- 生活関連サービス業・娯楽業:59.2%
- 教育・学習支援業:56.5%
- 小売業:48.8%
- 医療、福祉:47.0%
以上のデータを見ると、「自分と同じような状況の人が大勢会社を辞めている」ということがわかると思います。
辞めるかどうかを判断する材料として参考にしてみてくださいね。
また、これは少し余談ですが、離職率が高い産業は転職先に選ばないほうが良いかもしれないということもわかりますよね。高卒者の多くが辞めているということは、高卒者にとって働きにくい理由があるはずですから。
転職先を選ぶときにはそういうところも考えておきましょう。
2.「辞めたい」と思うような仕事や会社を続ける価値はない
辞めたいと思うような会社に居続けていても、結局「辞めたい」という気持ちは消えません。仕事や会社に原因がある場合、ただ黙って仕事を続けていても原因は解消されませんからね。
我慢して続けても、数カ月後か数年後かに結局辞めてしまう可能性があります。
そうすると、我慢してきた時間はどうなるのでしょうか。
辞めたいと思いながら働き続けると、成長しにくくなります。モチベーションが低くやる気が無い状態で積極的に成長を目指して頑張れるわけがありませんからね。
成長機会を逃しながら、イタズラに若い時期の貴重な時間を消費していくだけになるのではないでしょうか。
3.「高卒で転職するのは厳しい」は嘘
高卒の転職は厳しいと言われていますよね。
だけど、僕は「高卒だから転職ができないということはない」と断言します。
学歴は人を判断するための材料の一つに過ぎません。新卒のときに学歴が重視されるのはそれ以外の判断材料が少なく、しかも判断するにはイマイチ決定打にはならないためです。その点学歴は信用度が高いし、印象にも残りますからね。
ということは「学歴よりも決定打になるような判断材料があればいい」ということになります。
たとえば「実力・経験」と「技術」です。
中途採用は「戦力になる人」を欲しますからね。即戦力が一番欲しい。即戦力ではなかったとしても、基本的な知識や技術があってなるべく早く戦力として成長してくれる人が欲しい。だから学歴よりも実力と技術が重視されます。
つまり、今と同じ仕事をする場合は学歴ではなく経験が重視されるため転職可能ということです。
そして、違う仕事がしたい場合は、「手に職を付けれる仕事」であれば転職を成功させやすいということではないでしょうか。
おすすめ転職先「手に職を付けれる仕事」の一例を紹介
1.プログラマー・エンジニア
プログラマー・システムエンジニアなどは、高卒からでも比較的挑戦しやすいです。技術さえあれば未経験可能としている求人がたくさんあります。
必要とされるスキルは「プログラミングスキル」と「IT技術に対する知識理解」です。
プログラミングスキルを習得する方法は書籍やWeb学習サービスなどによる独学と、スクールに通う方法との二種類が一般的。
スクールはお金がかかりますが、その分大きなメリットがあります。わからないことをすぐに講師に聞くことができ、効率の良い学習が出来るという点です。
独学は費用が抑えられるものの、わからないことは自分で調べるしかないという点がデメリットとなります。
一番いいのはスクールに通いながら予習復習として書籍やWeb学習サービスを使うことでしょう。
2.Webデザイナー
Webデザイナーは未経験可能としている求人が多く、学歴もあまり重視されない傾向があります。高卒者にとって挑戦しやすい仕事だと言えるでしょう。
Webデザイナーに必要なスキルは「デザインの知識」「HTML/CSSの技術」などです。デザインの勉強方法は人によってさまざま。Webデザイナー向けのスクールだとHTML/CSSなどの言語の学習と一緒にデザインの勉強もさせてくれるところがあります。
ただ、それだけでは不十分だという声もあるんです。Webにおけるデザインだけでなく「雑誌のデザイン」などさまざまなデザイン手法に触れるのがいい、と。
そのため、自分に合った勉強方法を模索する必要があります。
また、職業訓練でもWebデザイナー育成は行われているため、職業訓練を利用するのも良いのではないでしょうか。
3.ライター
ライターは「頭の良さそうなイメージ」「学歴が重要そうなイメージ」があるかもしれません。
しかし、ライターには学歴があまり関係ないんです。事実、僕の友人にフリーライターをしている人がいるんですが、彼は高卒なんですよ。
もちろん、中には大卒以上という条件を掲げる求人もあるので、求人選びは必要ですけどね。
ライターに必要なスキルは「リサーチ能力」「文章力」です。
この「文章力」というのは非常に厄介なもので、ただ美文が書ければいいというものではないんですよ。文章力には「読者の知りたい情報を厳選することができる分析能力」「伝わりやすい文章を書く能力」などさまざまな側面があります。
プログラミングやデザインよりも難易度が低そうな気がするでしょうが、性に合わない人はプログラミングよりも文章力を身につけるほうが高難易度になる可能性があるので注意が必要です。
また、勉強方法をフリーライターの友人に聞いてみたところ「文章術の本などを読んで、とにかく書くこと」と言っていました。要は「理論と知識を学んで実践で活かすことの繰り返し」ということです。
文章に興味があるのなら、挑戦してみるといいのではないでしょうか。
4.介護職
介護職は絶対に職にあぶれることがない、まさに「手に職」の仕事です。
しかも介護職の求人の多くは学歴不問・経験不問となっています。資格すらも最初は不要だとする求人が多いんです。利用者の身体に触れる身体介助は介護職員初任者研修という資格を取得していなければ行えませんが、これは入職後に取ることができます。
取得するまでは雑務などを任される形です。
もちろん、転職活動中に取得してしまえば転職が楽になりますよ。
介護職になった後も「介護福祉士」の資格を取得したり「ケアマネージャー」になったり、キャリアが広がります。
キャリアを積んで一生物の技術と知識を得たい人にはおすすめです。
自分に合う会社選びと転職活動のポイント
まず、自分自身がどうして今の会社を辞めたいと考えているのかを分析してみてください。それを解消することができる特徴を持った会社が、あなたに合う可能性が高い会社です。
たとえば「残業が多いから辞めたい」というなら「残業が少ない会社」に転職すべきということ。すごく当たり前のことなんですが、「転職できるかどうか自体が不安な状態」だと高望みはできないと判断して悩みを解消することを諦めてしまう人がいるんですよ。
高卒でも、悩みの解消を諦める必要はありません。
もちろん、高望みはよくないんですけどね。
ただ「平均くらい」は望んでも良いでしょう。たとえば残業時間の平均はOpenWorkという口コミサイトの統計だと月に47時間となっています。平均くらいか、それよりほんの少し低いくらいの値なら高卒だろうと関係なく実現できる可能性が高いです。
明らかに「世間の平均より条件が悪い」と思う部分は、改善しましょう。
また、「悩みを解消できる会社の求人」を探すには転職エージェントを使うことをおすすめします。
転職エージェントは求人先企業の調査を行っているんですよ。
そのため、あなたが「残業時間を改善したい」「休日を増やしたい」と言えば、実現可能な範囲でその要望を叶えられる求人を紹介してくれるんです。
以上のように求人を吟味すれば、今度は失敗することなく前向きに活き活きと働けるのではないでしょうか。