建築設計の仕事が辛い、辞めたい…。

僕には建築設計の仕事で病んでしまって仕事を辞めた知人がいます。その人にいろいろな話を聞いたんです。建築設計の仕事の悩み、建築設計の仕事を辞めた経緯、建築設計の仕事で得た経験などなど…。

彼のそんな話をもとに、「彼が建築設計の仕事を辞めた経緯」と「建築設計の経験を活かせる仕事の例」を紹介します。

建築設計の仕事の悩み傾向を分析

  • サービス残業が多い
  • 徹夜が多すぎる
  • 客の無理な要望に耐えられない
  • 給料が低い!

建築設計の仕事を辞めた知人から聞いた話とネットで挙げられていた話から、建築設計の仕事の悩みをまとめてみました。

サービス残業が多々あるどころか徹夜まである。その上、客の要望は細かい。理不尽なものもときにはありますよね。予算内では実現不可能だと説明しても「これを取り入れてくれ」と無茶を言われることもあるでしょう。

そうして私生活を犠牲にし、心身ともに消耗しながら働き続けることで得られるのは薄給…。泣きたくなりますね。

そんな建築設計の仕事の悩みに打ちひしがれるくらいなら、建築設計から転職したほうがいいんです。

僕がそう思う根拠は、建築設計の仕事に心身ともに破壊されてしまった人を知っているから。次章ではその人の話をじっくりと紹介したいと思います。

先が見えない建築設計に心身を壊した人の話

前編:建築設計の光と闇

彼の名前は藤原喜一さん(仮名)。僕の友人の友人です。

4年制大学卒業後、とある建築設計事務所に入りました。彼は昔から建築設計の仕事がしたいと夢に見ていたんです。タイトルは定かではありませんが、ドラマか映画の影響だと語っていました。

「昔見た作品に出てきたな。建築物が凄かったんだ。息をのんだよ。こんなものが作れたらって。」

建築設計事務所に入社したときには、夢が一つ叶ったとウキウキしていたようです。そして、これからまた大きな夢に向かっていくのだと意気揚々としていました。

しかし、現実は厳しかったんです。

職場を見れば高い給料を得ているのは40~60代のベテランたちだけ。彼らは一級建築士の資格を持っています。高い給料を得るだけの実力も経験もあるわけです。

一方20代・30代は先輩も同僚もみんな低賃金でした。一般的に新卒の初任給は20万円あたりだと言われているけれど、当時の藤原さんが得たのは15万円だけです。

まあ…それでも上を見れば高い給料を得て活躍している人がいるので、希望が持てました。

給料以上に彼が「しんどい」と感じたのは勤務時間です。出社時刻は毎日8時。定時は17時。だけど実際に仕事が終わる時間にはバラつきがありました。午前3~4時にならなければ終わらないことも少なくはなかったんです。

藤原さんは、ほとんど毎日のように仕事を持ち帰っていました。完全徹夜の日も毎週のようにあるんです。徹夜明けももちろん仕事。最悪の場合は48時間連続で働き続けることもあった…。

残業代は出ません。

というか、残業代を出さないように「家に持ち帰る」ということを強要されていました。

当然しっかりとしたご飯を食べる時間もありません。ほとんどの日はコンビニ飯、インスタントラーメン。そんなものばかりです。栄養はほとんどすべてをサプリメントで賄いました。

入社前からの友達との距離はどんどん離れていきます。何も知らない友人たちは「付き合いが悪くなった」と彼を見放します。事情を知っている友人も「何とか時間を作れないか」と誘ってくるんです。

そのたび、藤原さんは申し訳ないような気持ちと「そんな暇はないんだよ!」という憤りとでいっぱいになりました。

ただ、これだけ大変なことがあっても「夢」なので食らいついたんです。必死になって食らいつきました。最初は内装の設計だけだったんですが、五年も働き続ければ任される仕事も増えていきます。

まだまだ打ち合わせから現場の監理まで全てを行えるほどではありませんが、設計の仕事はほとんど任されるようになったんです。

これから仕事が面白くなってくるというところですが…。

彼の心身はもう限界でした。

後編:診断結果はうつ病

藤原さんは、病んでいた。

客に自分の設計コンセプトを否定されるとそれだけで立ち直るのに時間がかかるほど落ち込んでしまいます。キレることもありました。もちろん客の前では感情を出さないようにしますが。

藤原さんは本来温厚な性格で「今までの人生でキレたことなんてほとんどない」と言っていたような人なんです。それがここまで荒れてしまった。

家に帰れば「もう無理」「死ぬんだ」「おしまいだ」「嫌だ」ばかり。食事も喉を通りにくくなってきました。先輩から「顔色が悪い」と言われたり「死ぬなよ」と言われたりするのが日常茶飯事。友人から連絡がきても返す余裕はなく、全て既読無視。親からの連絡にも出ません。

そんなある日、藤原さんの手が止まりました。図面を書いているときに手がぴたりと動かなくなったんです。指先が震える。マウスを正確に動かすことができません。電子ペンも握れない。

その日は仕事を早退し、病院に行きました。

診断結果は「うつ病」。

今もまだ療養中です。

徹夜続きになるほどの激務は、あなたの心身を確実に壊します。そこに人間関係のストレスや客の無茶振りによるストレスなどが加われば、うつ病になってもおかしくはないんです。

また、「辞めたい」「もう無理だ」と思いながら働き続けても良いことはありません。集中力もモチベーションも下がり、仕事の質が低下します。貪欲に上を目指そうという意欲も無くなるでしょう。

つまり、このまま働いても「先が無い」ということです。

転職を検討しましょう。

建築設計を辞めたい人におすすめの転職先候補

1.システムエンジニア(SE)

システムエンジニア(SE)は建築設計の経験と能力を存分に発揮できる仕事です。

SEは、システム制作における「設計」の役割を担っています。クライアントと打ち合わせをしてどのようなシステムを望んでいるのかを聞き、それを「要件定義」としてまとめるんです。要件定義をもとにどのようなシステムをつくるのかを考え、基本設計としてまとめます。次に詳細設計を行い、プログラマーにプログラミングを依頼するんです。

この流れは建築設計の仕事の流れと似ていませんか?

さらに、この一連の流れには「ヒアリング力」「発想力」「発想を形にする力」が必要です。それはSEにも建築設計にも言えること。

以上のようにSEは建築設計の経験と能力の多くを活かせる仕事と言えるでしょう。

もちろんプログラミング技術、IT関係の知識などを学ぶ必要はあります。それでも興味があれば挑戦してみる価値はあるのではないでしょうか。

2.商品企画

商品企画は「発想を実現する仕事」の典型です。

商品企画は、まず市場を分析するところから始まります。分析した結果をもとに「どのような商品を作るのか」を発想するんです。発想したものを「企画書」という形で明確に形にします。

そのため、建築設計に求められる「発想力」と「実現力」との両方を活かせる仕事と言えるのではないでしょうか。

3.アニメ制作進行

アニメ制作進行は、建築設計の仕事に求められる管理能力を活かせます。

建築設計の仕事は工程を管理したり現場の管理ををしたり何かと「管理」を求められますよね。アニメ制作進行も担当された話数の進捗を管理したりアニメーターの納品物を管理したり、何かと「管理」を求められる仕事です。

建築設計からの転職先候補として適しているのではないでしょうか。

また、アニメ制作進行はアニメ業界の経験が無くても就業可能です。興味があり、なおかつ求人があれば挑戦してみる価値はあると思います。

以上のように、建築設計の仕事の経験を活かせば多種多様な仕事に転職できるのではないでしょうか。