不動産鑑定士は苦労が多い仕事です。

年収はあまり高くないし、プライベートは無くなりがちだし、鑑定士協会はイマイチ信用できないし…。

不動産鑑定士として今の職場を辞めたい人、不動産鑑定士自体を辞めて異職種に転職したい人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、不動産鑑定士の悩みをまとめながら、「不動産鑑定士として活躍できる他の職場の特徴」と「不動産鑑定士にオススメの異職種転職先」を紹介したいと思います。

不動産鑑定士が「辞めたい」と思う理由として多いのは?

年収に不満がある

不動産鑑定士の年収は、そんなに高くありませんよね。

不動産鑑定士は難しい試験をクリアして、2年の修習を経て働いています。さらに、不動産鑑定士の仕事は土地の公的価格の指針になったり担保評価に使われたり、社会的責任の大きな仕事ですよね。

それなのに年収は550万円程度です。

大手不動産勤務でも500~700万円の間しかありません。

もう少し高くて然るべきではないかと、感じさせられます。

書類地獄・残業地獄

不動産鑑定士は書類を探して読んだり、書類を作ったり、何かと書類仕事が多いですよね。

法務局で土地使用歴情報を取得して、役所で上下水道やガスの引き込み状況などを調べて、調査した情報を整理して報告書にまとめる。さまざまなデータと書類に埋もれながら仕事をしていると、気がつけば「今日一日書類仕事しかしていなかった!」ということもあるでしょう。

書類仕事が苦手な人には辛い仕事です。

また、不動産鑑定士は「書類」「フィールドワーク」「顧客対応」など業務量が多いですよね、

定時でさばき切れず、残業地獄になることもあるでしょう。

プライベートがなくて、辛いですよね。

人間関係のストレス

不動産鑑定士には人間関係のストレスがつきものですよね。

人付き合いが苦手な人には、コンサル業務が辛いと思います。さまざまな士業の人と関わることもあるでしょう。立場の違う相手と仕事上どのように付き合っていくかを考えるのは、大変なことです。

また、職場によっては単独で動くことが多すぎて「人と関わらなさすぎてストレスを感じる」という人もいると思います。

将来が心配

不動産鑑定士の悩みについて調べると、「年々公共事業が減っている」という声を多数目にします。

さらに、報酬規定が撤廃されたことで地方鑑定業界が右肩下がりになっているんですよね。

結果、業界の上層は既得権を死守しようという動きになり、新人つぶしを行うようになっている都道府県もあります。

また、不動産鑑定士資格の受験資格の制限が撤廃されたものの、受験者数は減り続けているんですよねえ。

これでは鑑定士業界全体が先細りのように感じてしまっても、仕方がないかもしれませんね。

業界や不動産鑑定士協会に対する不信感・嫌悪感

不動産鑑定士という業界や、不動産鑑定士協会に対する不信感・嫌悪感を抱いている人もいるでしょう。

まず、独占禁止法に違反するような行為が行われているんですよね。

たとえば、新規参入者に対して嫌がらせなどを行い新規参入妨害をしたり、入札妨害をしたり…。これらは独占禁止法における「私的独占」「不当な取引制限」にあたる違法行為です。

さらに、鑑定士協会による公図隠しが行われることもありますよね。

事例を使う際、公図が必要。事例カードに公図が付いていないと、わざわざ謄本まで調べたりしなければならなくなります。これでは仕事が捗りません。本来要らない手間をかけさせられるのは、たまったもんじゃないですよね。

まともな人ほど「辞めたい」と思ってしまうような環境が、出来上がってしまっているのではないでしょうか。

不動産鑑定士として【別の職場に転職】する選択肢

苦労して取得した不動産鑑定士の資格。まずは、資格を活かせる方向で転職を考えたいですよね。

この章では、不動産鑑定士の資格を直接活かせる各種職場の特徴を紹介します。転職先選びの参考にしてみてください。

不動産鑑定事務所

不動産鑑定事務所は単独行動が基本のため、人間関係に左右されにいんです。

少人数の事務所だろうと、大人数の事務所だろうと人間関係のストレスが発生しにくいと言えるのではないでしょうか。

また、単独行動のため、比較的自由にスケジューリングできるんです。計画性の高い人は、より効率よく働けるようになりますよ。

  • 平均年収:約500万円
  • 仕事内容:不動産評価のためのフィールドワーク、書類整理、顧客との面談

不動産会社

不動産鑑定士を募集している不動産会社は、大手が多いです。そのためか、福利厚生が充実しています。

たとえば、「仮眠室完備」「フィットネスクラブ」「インターバル勤務」「健康増進援助」「各種手当て完備」などです。

働きやすさを追求したい人にはオススメですよ。

  • 平均年収:約520万円
  • 仕事内容:土地・建物の売買や賃貸のための価値評価、土地開発のためのコンサルティングなど

金融機関

金融機関の不動産鑑定士は「担保評価部門」または「信託部門」で働くケースが一般的です。

担保評価部門は貸付ができるか、どれくらいの金額が妥当かを評価します。

信託部門は物件ごとにどんな運用方法が良いかを考えて、利回りをできる限り大きくする仕事です。

土地評価がしたい人は担保評価部門、それともコンサル業務がしたい人は信託部門に転職すれば自分のやりたい仕事を追求できます。

やりたいことがハッキリしている人にオススメです。

  • 平均年収:約640万円
  • 仕事内容:融資可能か判断するための不動産価値評価や、物件の運用方法をアドバイスするコンサル業務など

不動産コンサルティング会社

不動産コンサルティング会社に転職するメリットは「コンサル業務を追求できること」です。

コンサル業務が好きな人には天職だと思います。さまざまな人やケースに関われますからね。

また、コンサルティング会社は年収600~1000万円と高年収を提示している求人が多いんです。

高い年収を得たい人にもオススメですよ。

  • 平均年収:約560万円
  • 仕事内容:不動産の運用方法の提案や、利回り向上のためのアドバイスなど

不動産鑑定士におすすめしたい異職種の転職先候補

これまで不動産鑑定士の資格を直接活かせる職場を紹介してきましたが、この章では不動産鑑定士の経験を少なからず活かせる転職先候補を紹介します。

自分に合った仕事を探す参考にしてみてください。

不動産の営業職

不動産の営業職になれば、不動産に関する知識をまるごと活かせます。

さらに、不動産鑑定士として交渉ごとをしてきた経験を活かせるんです。コンサル業務が得意だった人には、営業職が向いているかもしれませんね。顧客の話を聞き、要望を掘り起こし、それに合った物件を提案する流れはコンサル業務に似ていますから。

また、業界が同じだから働きやすいのも不動産営業に転職するメリットのひとつです。

  • 平均年収:約400万円
  • 仕事内容:不動産の販売、賃貸の仲介など

人材派遣会社の営業職

人材派遣会社の営業職の仕事は、コンサルティングに近いです。

企業と話をしながら現在抱えている問題点や、採用に関する意思などを掘り起こします。求人広告を出してもらえることになったら、今度は企業が求める人材を探して提案するんです。

企業にとって、その採用がより良いものになるように、ときにはアドバイスをすることもあります。

不動産鑑定士として、不動産の用途をアドバイスしたりしてきた経験を活かせるのではないでしょうか。

  • 平均年収:約450万円
  • 仕事内容:求人広告の提案とクライアント確保、既存クライアントへのフォローアップ

ライター

不動産関係の知識経験がある人は、ライターとして高い需要があります。

不動産は生きていれば誰もが関わるモノなのに、不動産に関する知識を持っている人は多くありません。正しい知識を伝えられる不動産ライターの需要は、安定して高いんです。実際、クラウドソーシングサイトには「不動産業界出身者求む」「不動産の知識がある人向け」という募集がたくさんあります。

不動産鑑定士の知識を人の役に立てたい人には、オススメです。

  • 平均年収:250~300万円程度
  • 仕事内容:クライアントの求める文章の作成

不動産投資会社

不動産投資を検討する人に対するサポート業務の経験を、投資会社に活かせます。

不動産鑑定士は投資を扱うこともあるため、不動産投資に関する知識がありますよね。

さらに、交渉事の経験も活かせます。

また、投資会社は成績が良ければ高年収も期待できるんです。実際、1000万円や2000万円を稼ぐ人もいます。

年収の不満も解消できますよ。

  • 平均年収:約640万円
  • 仕事内容:投資プランの提案、融資の手続きなど投資のトータルサポート

システムエンジニア(SE)

SEは需要が高い仕事です。

今後もITは発展していくでしょうから、需要は伸びると考えられます。将来性が高い仕事がしたい人にはオススメですよ。

さらに、SEは交渉事や折衝ごとが多いため、その経験も活かせます。

技術を学ぶ必要はありますが、研修に力を入れる企業はポテンシャル採用を行っていることが多いです。研修に力を入れられるということは、人材育成をする余裕があるということですからね。

ポテンシャル採用を狙えば、転職しやすいでしょう。

  • 平均年収:約550万円
  • 仕事内容:顧客との面談、システムを作るための設計など