「アパレル店員辞めたい…」

以前、某セレクトショップでアパレル店員として働く友人からこう相談されたことがあります。

僕は転職経験者として悩みを聞いたり転職先を一緒に考えたりしたんですが、「華やかでカッコいい仕事に見えるのに、裏側はこんなに過酷なのか」とびっくりしたものです。

結局、その友人は異業種に転職しました。

今回は、そのとき調査した悩みの傾向やおすすめの転職先候補をまとめ直してみました。

アパレル店員を辞めたい人(もちろん店長として働いている人も)は、ぜひ参考にしてみてください!

アパレルを辞めたい人の悩みを分析してみると…

アパレルを辞めたい人によくある悩みを、いくつかのセクションに分けつつ分析していきます。

接客業ならではの悩み

  • 休日が少ない
  • 土日祝に休めない
  • 残業が多い
  • 給料が安い
  • ボーナスがない
  • 理不尽な顧客の対応

休日や給料に関する悩みは、本当にありがちですよねえ。アパレル以外も、販売業は全体的に給与水準が低い傾向があるし、土日祝は稼ぎ時だから休めません。祝日に休めない結果、休日が少なくなってしまっています。

有休取得が満足にできない会社や、長期休暇を設定していない会社もありますしね。

そこに理不尽な顧客の対応によるストレスを入れたものが、販売・接客業全体で必ず付いて回ることです。

ただ、それ以外は「会社の問題」という面が大きいように感じられます。たとえば、販売員にもボーナスを与える会社は探せばあるし、残業が少ない会社も中にはあるんですよね。

転職のときには、仕事選びはもちろんですが、会社選びにも力を入れないといけません。

アパレルならではの悩み

  • 客層が正直あまりよくないと思うことがある
  • 制服として自腹で服を買わされる
  • 店舗間異動が多い

試着室を荒らされたり、ディスプレイで遊ばれたり、商品に化粧が付いたまま元に戻されたり…店によってはあまりよくない客が目立つことがありますよね。「どういうファッションを好むのか」「価格帯はどれくらいのブランドなのか」などの要素によって客層がある程度固まってくるため、この手のストレスは日常化しやすいのも辛いところ。

また、決して高くはない給料の中から、決して安くはない服を半強制的に買わされるというのは、ファッションが好きな人でもしんどいです。給料くらい、好きに使いたいですよね。

そして、店舗間異動が多いのもアパレル業界の特徴。

異動先で成果を挙げればキャリアアップにもつながる可能性があるとは言っても、あまりに回数が多いとげんなりしてしまいます。一定の場所で働きたいという人には、辛いところです。

以上を踏まえると、「客層をコントロールしやすい業種」「自腹や自爆がない業種」「異動が少ない業種」なら販売や接客の仕事を続けられそうですよね。

新卒1年目ならではの悩み

新卒入社1年目、アパレル店員の仕事にはたくさんの壁があります。学生時代アルバイトでアパレル販売の仕事をしていたという人は比較的気分が楽だろうけど、その経験がない人にとっては右も左も分からず苦労するでしょうね。

まず、この仕事には、習うより慣れろという風潮があります。大した研修も無く、急にフロアに放り出されて「さあ稼いで来い」と。特に小規模のショップだと、新卒1年目なのに即戦力扱いが基本ですからねえ。

船舶免許も無しに大海原に船と一緒に放り出されるようなものなのに、成果が出ないと怒られるという…なんたる理不尽!

自発的にスキルアップできなければ、見放される業界です。しかも、そんな感じだから、バイト経験者と未経験者とで最初から大きな差が開きます。

大規模ショップは大規模ショップで、山のようなストック業務との戦いが待っている。特に、新人はストック業務と電話取りが領分と言われていて、ストックに毎日籠りっぱなしになりますよね。これも辛い。

ひいひい言いながら働いて、お待ちかね給料日! しかし、給料は決して良くはない…。むしろ、アパレル店員の給料は低い。

若ければ若いほど転職は有利です。アパレルに向いてないと感じたら早めに見限って転職したほうが良いと思います。

将来に関する悩み

アパレル業界自体に将来性が無いということではありませんが、アパレル店員という立場は将来性が高いとは言えないかもしれませんねえ。

まず、キャリアアップが難しいです。販売員としてのキャリアアップというと、副店長・店長・スーパーバイザーといったキャリアが用意されていますが、そのキャリアに進める人は決して多くはありません。

店舗展開が激しい会社ならまだチャンスはあるものの、そうでなければなかなか厳しい。

また、ブランドによっては「年齢」を大事にしています。そのブランドのターゲット層に合わない年齢になると、販売員としての仕事を続けるのは難しいです。勤続年数によりキャリアアップするわけではありませんしね。

以上のような事情からアパレルを辞めたいと思うのなら、将来性がある業界の中で、キャリアアップも可能な仕事に就くというのが理想的な戦略ではないでしょうか。

たとえば、近年将来性が高いと言われているのは、接客業なら「ホテル」ですね。あとは…「IT」「ネット広告」「福祉」「観光業界」も将来性があり、長く続けられると思います。

転職で武器になるアパレル店員の「経験」と「能力」はこれだ!

アパレルからの転職を考えるときには悩みから転職先の選択肢を見出すことも大事ですが、「アパレル店員として得た経験」や「能力」を活かすことを考えるのもまた大事だと思うんです。

経験・能力を活かせば自然と「向いてる仕事」に転職できるし、それが面接でのアピールポイントにもなりますからね。

じゃあ転職で武器になるアパレル店員の経験と能力ってなんだ? というと、たとえば次のようなものではないでしょうか。

  • 観察力
  • 客の潜在的な「需要」を把握する分析力とヒアリング力
  • 臨機応変な対応力
  • チームワークができる

客に商品をオススメするときには、その人が身につけている服の系統やその人の髪形・雰囲気などを観察し、そこから客の潜在的な需要を分析する必要がありますよね。そうでなければ、ファッションアドバイスはできませんから。

実は、その経験と能力は、ビジネスにおいてかなり役立つものなんです。

何事も「分析」と「それに基づく行動」は大事ですから。

また、接客の仕事に求められる臨機応変さとチームワークも、さまざまな業界で役に立ちます。それこそ違うタイプの接客業をやるときには確実に重宝されるし、IT業界のエンジニアにだってそれは必要なんですよ。

以上のような経験や能力を活かすことも考えて、転職先の候補を決めていきましょう。

【選択肢1】アパレル業界で店員以外の仕事に転職

アパレルへの興味が強く、接客にストレスを感じるならアパレル業界の他の職種という選択肢があります。

例えば以下の3つ。

マーチャンダイザー(MD)

マーチャンダイジング…消費者の需要にぴったりな商品を、適切な数量・価格・タイミングで販売できるように努力する企業活動。それを担うのが、マーチャンダイザー(MD)の役割ということです。

そのために、まず市場の動向と現状の商品売上実績を調査します。そこから「消費者が自社ブランドに求めるもの」を割り出し、商品開発の企画を行うんです。

そして、商品開発に必要となる商材の仕入れ先を確保します。

その後、実際に商品開発が行われるようになれば、開発工程の計画管理をし、新商品の販売戦略を考えることになります。販売戦略によっては、広報と協力して商品のプロモーション活動を行うことも多いです。

以上のようにMDの業務範囲はかなり広いため、必要な素養も幅広くなります。

ただ、その多くは現場経験により培えるものです。

たとえば、「消費者ニーズをとらえるためのアンテナやセンス」「現場の動向を読む力」「アパレル商品に関する知識」「コミュ力」などがそうでしょう。

そういうところをアピールすれば、アパレル店員からMDに転職しやすいと思います。

広報・プレス

自社ブランドの新商品のPR活動を行うのが、広報の仕事です。

アパレル業界の場合は、TVや雑誌に商品サンプルを貸し出したり、広告制作をしたり、展示会の準備をしたり、スタイリストと打ち合わせたり…とにかくやることがたくさんあります。

アパレル店員の接客も「一種の商品PR経験」ですよね。

それが向いてないと感じている人でも、広報になることでそれを今より高めることができます。ひとりで努力してダメだったことも、広報として仕事をしながら教えてもらうことで叶えられるのではないでしょうか。

オンラインショップ運営

近年は、オンラインショップを出店するアパレル企業が増えました。

そんなオンラインショップの運営には実際の店舗とは異なる役割が求められますが、活かせる部分もあるんですよ。

たとえば、「商品をよりよく魅せるためのディスプレイ」をした経験を、商品撮影に活かせます。在庫管理をするときの感覚や、売れているものの分析力なども実店舗からオンラインショップに活かせる能力です。

WEBに関する知識を学ぶ意欲があれば、挑戦してみるのも面白いと思いますよ。

【選択肢2】アパレル業界以外の販売・サービス・接客業に転職

「アパレルは嫌なんだけど、接客の経験は活かしたい」という人は、以下のような選択肢が考えられます。

  • ホテルフロント
  • ツアーコンダクター
  • キャビンアテンダント
  • 旅行代理店のカウンターセールス
  • 教育サービス
  • アミューズメント業界

旅行産業とそれに付随する業界の将来性が高いと言われているため、ホテルフロント・ツアーコンダクター・キャビンアテンダントは将来性を理由にアパレルを辞めたいと考えている人に特にオススメです。

特にホテルのフロントは、「ホテル選びで客層がある程度固まる」「残業が少ない」「自腹も異動もない」と、アパレル店員の悩みの多くを解消できますよ。

ほかにも、教育サービスは常に一定の需要があるし、アミューズメント業界は海外からの観光客を増やそうという動きと共に需要が高まるだろうし、狙い目ですよ。

【選択肢3】アパレル業界以外、なおかつ接客以外の仕事に転職

「アパレルも嫌。接客も嫌。」という人は以下のような選択肢があります。

  • 企画職
  • 事務職
  • 生産管理
  • 品質管理
  • インターネット広告の営業
  • 芸能マネージャー
  • youtuberのマネージャー

上記の仕事の中で特にオススメしたい仕事は、生産管理・品質管理、インターネット広告の仕事あたりです。

生産管理の仕事は、工場の作業設備や作業量・効率などを分析して生産計画・資材調達計画を立てたり、効率改善のためのアドバイスをしたりすることです。

そして、品質管理は生産された製品をチェックして不良品を弾いたり、安定して品質を高めるために生産工程自体の分析と見直しをしたりする仕事。

この二つをオススメする理由はそういう仕事だから「アパレル店員として培った分析力を活かせる」ということもあるんですが、もうひとつ「残業が少ない」「販売・サービス業よりは休日が多い」ということもあるんですよ。

「じゃあインターネット広告の仕事は?」というと、「顧客の潜在的な要望を分析・ヒアリングする経験をそのまま活かせる」ことと、「今伸びている業界」ということとがオススメの理由です。

アパレル店員からの転職活動には転職エージェントが必須

アパレル店員が転職活動をするときには、次の内定を得るまで退職をしないということが大事になると思います。給料の水準が高いとは言えない中、自腹で制服を買うということにより貯金に余裕が無い人も多いでしょう。

業種選びに仕事選び、会社選びと考えることが多いのに、金銭的な余裕が無いということで焦って妥協し、転職が失敗してしまいかねません。

また、業種や仕事は僕が紹介したものを参考にしながら自分ひとりだけでも考えられるかもしれませんが、会社選びが難しいんですよね。

そこで活用したいのが、転職エージェント。

転職エージェントを使えば、「こういう会社が良い」ということを伝えるだけで、それに沿った求人をオススメしてもらうことができます。

そして、求人はメールで送られてくるので、利用者は仕事の合間にそれをチェックするだけで求人が得られるんです。そのうえ、面接の日程調整を代行してくれるから、忙しい合間を縫って複数の面接を受けることもできます。

僕も、転職エージェントを使って、ブラック企業で働きながら転職を成功させました。

転職エージェントを使い、働きながらじっくりと転職活動に取り組み、業種・仕事・会社選びに妥協しないことこそが、アパレル店員から転職するときの理想の立ち回り方と言えるのではないでしょうか。