プライドが邪魔して「仕事を辞めたい気持ち」と向き合えなかった人の悲惨な末路

「プライドを持ったほうがいいとき」と「プライドを捨てたほうがいいとき」があります。

今からするのは、「プライドが邪魔して、仕事を辞めたい気持ちと向き合えなかった人」が悲惨な末路を辿った話です。

「今の仕事・会社を辞めたいけど、なんとなくプライドが許さない」という人は、反面教師として参考にしてみてください。

彼の名は。

まず、彼のことについて語りましょう。

名前は伊藤(仮名)。

伊藤と僕は近からず遠からずの知人、友人の友人といった微妙な関係です。友人を介して、一緒に飲むことがあります。

僕が転職してからは僕も友人も時間を多く取れるようになって飲み会の頻度が上がったので、一時期伊藤ともよく会っていました。

ただ、ある日を境に伊藤はほとんど飲み会に来なくなったんです。

元々伊藤が勤めている会社は「残業があるけど、特別多くない代わりに残業代が出ない会社」でした。だから時間があったし、友人が飲み会に呼び出したらほぼ参加していました。

そんな伊藤がどうして飲み会になかなか来なくなったのか、伊藤に何があったのか。

これから話すのは、全て伊藤本人から聞いた話です。

勤務先がブラック企業化

伊藤の会社は元々残業がそれほど多くはありませんでしたが、あるときから社内体制が変わって残業が増えるようになりました。

徐々に残業が増えていきましたが、残業代は以前のままで出ません。

前までは「残業多くないから、残業代でなくても、まあいいか」と思っていた社員たちも不満が溜まります。

今までは無理の無い範囲で受注し、仕事をこなしていく方針だったのですが、それだと売り上げがなかなか上昇しないということで「発注された仕事はとにかく受ける」「営業がとってきた仕事は全て受ける」というスタンスになったんです。

伊藤の仕事はSEなので受注生産が基本です。

現場の状態を無視した受注状況と納期に、大量の残業を余儀なくされたわけです。

これで典型的なブラック企業の出来上がりです。

案の定、辞めていく社員がチラホラと現れ始めました。

中には退職届を上司の机に叩きつけたり、上司に向かって投げつけるほど怒り心頭だった社員もいたようです。この状況が一年間で作られたというのだから、まさに激動ですよね。

この状況下、伊藤の心の中にも「辞めたい気持ち」が芽生えていくのを少しずつ自覚し始めていきます。

自覚したくない、認めない性分

伊藤がよく言っていたことがあります。

「風邪引いたということを認めたら、余計にしんどくなるから自覚したくない」

一理あるような、無いような微妙な理屈ですよね。なんとなく気持ちはわからないでもないんですが、全面的に賛同できないような…「うーん?」と首を傾げたくなる感じです。風邪だと認めないということは、風邪薬も飲まないということですからね。

「薬飲んで楽になれよ」って思います。

でも、彼はその理屈を頑なに信じていました。

だから、「仕事辞めたい気持ち」が芽生えていたときも「自覚」しているはずなのに、「認めたくない」一心で「自覚していないフリ」をしていました。

非常に無駄な努力ですが、「自らの信ずるところに従っている」という気持ちがあって、この努力を辞められないんです。

この「認めたくない」「自覚したくない」というのは、彼自身が「情けない」と感じるようなネガティブなことに適用されています。

「風邪なんかで弱りたくない」「弱いところを見せたくない」「一度やると決めた仕事を辞めるなんて…」

プライドが彼にそうさせているんですよね。プライドが邪魔で認めることができず、自分にとってベストな決断ができない状態になっていました。

彼は、辞めなかった

周りの人間が辞めていく中、結局彼は辞めませんでした。

心は「辞めたい!」「早く辞めろ!」「辛い! もう嫌、もう嫌だ…」と、彼のプライドにSOSを送り続ける。

それでも、伊藤のプライドは「辞めてたまるものか」とSOSを拒み続けました。結果、どうなるかは簡単に想像できますよね。

心が、ぶっ壊れたんです。

躁うつ病になりました。

日中はやる気が起きず元気が出ず鬱屈としていて、夕方を過ぎると急に元気ハツラツでファイト一発なテンションになる。

だから、周りからは「ただのやる気の無いやつ」と思われることがあります。うつ病だと認識してもらえずに、周りからの理解が得づらい。

本人の「弱さを認められない性分」もあって、なかなか本人も自覚できませんでした。たまたま似たような人を見ていた友人の薦めにより診療内科を受信したところ、躁うつ病と診断が下されたようです。

結局、伊藤は自分の心が壊れてしまうまで「自分の辞めたい気持ち」と向き合い、それを認めることができませんでした。

◆◆◆

これが、「プライドが邪魔して、仕事を辞めたい気持ちと向き合えなかった人」の悲惨な末路です。

人生において大切なのは「プライド持つこと」だけではありません。

「プライドを捨てること(自分自身と向き合って素直に認めること)」も大切です。

「今の仕事・会社を辞めたいけど、なんとなくプライドが許さない」という人は、周りからどう思われるかを考えたり、自分の考えに固執したりせず、一度自分の気持ちと素直に向き合ってみましょう。

そして、最悪の事態に陥る前に、転職活動を始めておきましょう。

仕事や会社を辞めたい気持ちが少しでもある人へ
ヒサダ

はじめまして。当ブログの管理人ヒサダです。

僕がこのブログに訪れたすべての皆さんに伝えたいこと…

それは、「仕事や会社を辞めたい気持ちが少しでもある人は、すぐに転職活動を始めるべき」ということです。

転職という選択に対して消極的な印象を持っていた僕がそう思うようになったのは、僕自身、転職したことで人生が好転したからです。

  • 転職を決断する勇気が出ない
  • この程度の悩みなら我慢したほうがいいんじゃないか
  • 転職後の自分をイメージできない
  • 辞めることを言い出しにくい
  • 自分の年齢や能力で転職成功できるか不安
  • 他の業種・職種に転職したいけど、どうすればいいかわからない

これは転職を考えている人なら誰しもが感じることだと思います。

でも、一昔前とは違って今は転職支援サービスがとても充実しているので、気軽に質の高い転職活動ができるようになっています。それに、転職活動を始めること自体には何のリスクもありません。むしろ早めに動き出しておくことは、いざというときの備えとしてメリットしかありません。

だから、悩みや不満の大小に関わらず、自分の人生が今より良くなることに希望を持って、自分なりの形で転職活動を始めてほしいです。

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