信用金庫は地域住民や企業の信用や協力で成り立っている側面が大きく、そこで働く社員は常に完璧を求められます。
そのプレッシャーに耐えかねて「辞めたい」という思いを募らせている人も多いのではないでしょうか。
今回は、信用金庫からの転職の考え方や転職先候補なんかを掘り下げていきたいと思います。
信用金庫の渉外係を辞めたいと思っている人は参考にしてみてください。
信用金庫の渉外係に向いてない人の特徴
信用金庫の仕事は、合わない人にはどうしたって合いません。
信用金庫の渉外係が顧客に勧めるのは「住宅ローン」「投資信託」「生保」「預金」と、どれも大きなお金の動くものです。日常生活で「1円無くしたけど、1円くらいいいか」とか考えるタイプの人には向いてないと思います。
渉外係だから直接お金を扱うわけではないにしろ、そういう人は顧客に信用されませんよね。
大きなお金と信用が絡むものだから説明も丁寧で細かくしなければならないし、営業だって1円1円を大切にしないといけないのは当然ですから。
また、顧客の気持ちに寄り添いすぎる人も向いてないです。
信用金庫の渉外係をしていると、「投資? どうなってるのかわからないけど、儲かるの?」と、よく理解できていない人に投資信託を売ることがあります。特にお年寄りに売る場合は、完全に押し売りになるでしょう。
そこで罪悪感を覚える人は、合わないと思います。
「金勘定に細かく、商売と割り切って、とにかく売る」
そんな人が信用金庫の渉外係に合っているのではないでしょうか。
その逆の性格をしている人は、どうしたって信用金庫は合わない職場。
無理をして働き続けることになります。将来が無いとは言いませんが、今後数十年無理し続けることができるかどうか、よく考えてみてください。
辞める前に信用金庫で働くメリットを再確認してみる
信用金庫を辞める前に一度信用金庫で働くメリットを再確認してみましょう。
信用金庫は銀行よりも業務内容が少なく、残業も少ない傾向があります。その分、銀行よりも給料は安いです。
ただ、それは銀行と比べるとという話であり、場合によりますが、一般企業で働くよりは年収が高いと言えます。
信用金庫のメリットは、銀行と比べると仕事と給料のバランスが良いということです。信用金庫は定休日がしっかり決められているため休日は多く、地方の中では「金と時間両方がある人」という扱いになります。
銀行と比べた場合のメリットですが、この利点はとても大きいです。少し合わないくらいなら、我慢して働けるかなという人も多いのではないでしょうか。一般企業に転職したら、間違いなく待遇が悪くなりますからね。
リスクを考えると、留まることを決意するのも必要な勇気なのかもしれません。
ただ、精神的な問題でどうしても続けられないのなら、辞めたほうが良いです。
- 毎朝憂鬱で仕方が無い
- 趣味が減った
- 休日にぼーっとすることが増えた
以上に当てはまる人は、健康なうちに辞めましょう。
信用金庫からの転職先、ねらい目は?
信用金庫からの転職をするのなら、地元企業と不動産が狙い目です。
信用金庫は、地域の中小企業と密に連携をとって成り立っている「地域密着型」の業種。転職する際に元・信用金庫という肩書きは好印象になります。志望理由も考えやすいです。
「地域社会や地元企業に貢献する」ということを主軸にすると、信用金庫を辞めた理由と、求人先企業を志望する理由の両方がまかなえます。
たとえば、「融資とは異なる角度から、地元企業や地域社会に貢献したいと考えました」というような理由ですね。そこから「御社は……」と相手企業の分析結果に繋げていけば、立派な転職理由になります。
また、信用金庫の渉外係の仕事をする中で顧客に喜んで貰えたエピソードがあるなら、それを話しても良いでしょう。地域社会のために信金として何をしてきたのかがわかれば、「貢献したい」という想いにも納得してもらえます。
職種は自分の興味が惹かれるものを選ぶのが一番とは思いますが、僕がオススメなのは「営業」と「経理」です。
営業は、信金での渉外の経験をアピールできるため、転職のハードルが低いです。
経理に関しては「今度はお金を直接扱う立場に」と立場を変えて勉強したいと述べれば、営業から経理に鞍替えする理由も作れます。
また、不動産が狙い目というのは単に金融業界と似ている部分が多いためです。信用金庫で培った知識や経験を活かして働くことができます。
実際、信用金庫の渉外係を不動産会社が欲しがって「うちに来ない?」と引き抜き話をすることもあるようです。
信金の仕事ほど完璧を求められることもありませんし、人を騙している気分になることもなくてオススメです。待遇もそれほど悪くはなりませんからね。その分、不動産業界は信金より忙しい傾向があるので注意は必要ですが…。
地元企業も不動産もあまり…というなら、公務員もオススメです。
公務員になる場合勉強が必要ですが、地元企業や不動産を選ぶにしてもデメリットはあります。
どんな転職先を選ぶとしてもメリット・デメリット両方があるので、デメリットとメリットを天秤にかけて「メリットが勝る」と判断できる業界に飛び込みましょう。