税理士事務所(会計事務所)の仕事は、大変ですよね。

毎日大量のデータと向き合っていかなければならず、少しでも間違えると最初から見直さないといけなくなって発狂ものです。会計は一箇所間違えると、全体の計算が狂いますからね。自分では気づかないうちに間違えていて、最後に「あれ、おかしいぞ」と気づくことも多いでしょう。

「どこだ、どこが間違ってるんだ!?」

血眼になって探した結果、最初のほうに間違えていて全部やり直しとか、ね…。

そんな税理士事務所・会計事務所の仕事を辞める人は、何を理由にして辞めるのか。転職するとしたら何を考えるべきなのかというところを、一緒に考えてみましょう。

税理士事務所・会計事務所を辞めたい理由で多いのは?

待遇が良くない

税理士事務所・会計事務所は個人で経営している事務所が多いためか、待遇があまり良くはありません。法人化しているところもありますが、多くは個人事業としてやっていますよね。

個人事業だから給料低くても良いということはないんですが、何故だか個人事務所は給料を渋る傾向があります。

個人事務所で「給料たくさん出すぞ!」という話、聞かないんですよねえ。

恐らく、同じく独立を目指す人たちに対して「勉強させてやる」という意識で接しているんでしょう。

給料まで払って勉強させているんだから、給料が低くて当然なんだという理屈ですね。なんとも古臭い考えなのだろうかと、僕は言いたい。

そんな昔の職人さんじゃないんだから。

滅私奉公という、古臭い考えが浸透しているのが伝統工芸の世界ですが、税理士事務所や会計事務所も、それに近い部分があるようです。

個人事業として事務所を立ち上げずに、事務所で働いているだけの人は給料水準がとても低い。それでも仕事が忙しくないなら耐えられますが、給料が低い割に忙しいですよね。特に年末年始や年度初めなんて、地獄です。

給料は、疑問を持たない限りは我慢できます。経営者というのは、ギリギリ生活できる程度の我慢できる程度の給料を渡し、「給料が低い」という感覚を鈍らせるのが上手なんです。経営者としての才能があればあるほど、そういった傾向があります。

ただ、一度給料が低いかもしれないという疑念を持てば、とたんに我慢できなくなります。

だから、給料を理由にして辞める人はとても多いんですよ。

勉強することができない

税理士事務所で働く人は、新米税理士として勉強をしたい人と、税理士免許取得のために勉強をしたい人との二種類が多いです。

どちらにしても「働きながら勉強する」ために働いているというわけで、だからこそ税理士に良いように使われてしまうんですよ。

それは、給料の面だけではありません。

雑用ばかり押し付けられたり、経理の仕事をろくに教えられなかったり、ね。

働きながら勉強するために就職したにも関わらず、たいした勉強にもならないなんていうことがあるんですよ。給料が低くて搾取される、勉強にもならない…働いている意味が無いですよね。

まだ資格を取っていない人は「他の事務所のほうがいいな」と思って辞める。
もう資格を取っている人は「税理士資格を活かして、違う仕事したほうがいいな」と思って辞める。

これが、税理士事務所・会計事務所を辞める人の退職理由です。

向いてないと気づいた

税理士事務所・会計事務所の仕事に向いているのはこんな人ではないでしょうか。

  • コミュニケーションが得意な人
  • 長時間数字を眺めていても苦痛に感じない人
  • 知識欲が高い人
  • 論理的思考力がある人
  • 仕事において正確性を重視する人

会計の仕事はずっとパソコンとにらめっこするだけではありません。各部署と連携して仕事を行うのが基本なので、コミュニケーションスキルは必須になります。会計業界でキャリアアップして税理士や公認会計士すら視野に入れるなら、特に必須項目です。

数字を長時間眺めていても苦痛に感じないというのも、地味に大事!

僕は数字を長時間見つめていると「うがあああ!」と頭を掻きむしりたい衝動に駆られ、数字がだんだんとわけのわからない暗号に見えてきます。

そういう人は向いてないということです。

知識欲も大事。

会計の仕事は「税務の知識」「労務の知識」などたくさんの知識が必要です。キャリアパスは豊富だし、経験を積んで資格を増やしていけば収入もかなり多くなります。その分、「学び続けなければならない仕事」だということなんです。知識欲が無ければ、絶対に長続きしません。

論理的思考力や正確性が大事なのは言わずもがなでしょう。

以上に当てはまれば当てはまるほど、会計向きということになります。逆に当てはまらない人は会計には不向きです。

税理士事務所・会計事務所から転職。選択肢は二つ!

税理士事務所・会計事務所を辞めて、次のステージに進むための選択肢は二つあります。

資格を活かすなど、会計に関する違う仕事をする
会計自体から離れて未経験の職種に転職する

税理士資格を持っている人は、資格を活かして会計に関わる違う仕事をすることも考えられます。会計の仕事でも税理士事務所や会計事務所勤めと、一般企業勤めの経理とではぜんぜん違いますしね。

また、資格が無くても会計関連の仕事をすることができます。

当然、資格を持っている方が有利ですが、税理士として活動しないなら税理士資格は会計能力があることの証明くらいにしかなりませんからね。実際、一般企業の経理の仕事は税理士資格を問わずに募集されています。

一番理想的な選択肢は、会計関係の仕事をすることだと思います。

税理士事務所・会計事務所で働いていた経験が活かせて、自分が努力してきたことを別の方向で活かすことができるからです。全く関係ない未経験の仕事をするとなると、それらとは関係ない道を歩むということになります。

職種によっては、今までの経験が全く役に立たないなんていうこともあるんです。

自分の努力やこれまでのキャリアをゼロにするという覚悟があれば、未経験の異業種転職も勧められます。

会計の仕事か異業種か、どちらを選ぶのかは「会計の仕事自体が嫌いかどうか」で考えましょう。会計の仕事自体が嫌なんじゃなくて、税理士事務所や会計事務所で働くのが嫌だというのなら、会計に関する別の仕事をしましょう。

ただ、この仕事自体に嫌気が差したという人は、異業種転職するしか道がありません。

会計に関する仕事には何があるのか

税理士事務所・会計事務所での経験や資格を活かすことができる仕事と言えば、次のようなものが考えられます。

  • 一般企業の経理
  • 証券アナリスト
  • 銀行
  • 会計ソフトウェアメーカー
  • コンサルティングファーム

経理以外は税理士試験科目合格者であることが前提となっていますが、どれもオススメですよ。資格を持っていれば、幅広いキャリアパスが考えられます。科目合格しているなら、一般事務所の経理管理職に転職することも可能でしょう。

将来独立開業を目指すなら、コンサルティングファームで経営に関する知識などを身に着けておくのも手です。

銀行や証券会社にも税理士の活躍できる場所がありますし、少し変わったところだと会計ソフトウェア開発の仕事に回るのも面白いでしょう。

上記のような仕事の中から、自分自身の興味ある分野の仕事や、将来に繋がる仕事を選ぶのが一番良い転職方法だと思います。これまでの努力や人生を活かして方向転換をし、次に繋げて、将来の自分の成功をイメージできるようにしましょう。

また、税理士の科目を取っていなくても、税理士事務所・会計事務所に勤めた経験があるというだけで経理への転職がとても有利になります。大手への転職も考えられるので、自信を持ってくださいね。

異業種転職のオススメ職種は?

異業種転職をする人にオススメなのは、次のような仕事です。

  • 営業
  • 製造業の購買部門
  • 一般事務

一番オススメなのは、購買部門です。製造業という畑違いの業種ではありますが、購買部門には「お金を扱う仕事」という共通点があります。購買部門の仕事は、外部から資材などを買い付けて金銭を支払うことです。

自社製品の部品や資材の価格を交渉して値切り、企業の利益向上に貢献します。

自分の会社の経常利益率を左右するのが、購買部門の仕事なんです。

会計の仕事は「使った経費を計上する」ことで、購買部門は「経費を削減しながら使って利益率を上げる」ことと言えば相互関係がわかりやすいかもしれませんね。お互い何の関係もないように見えて、案外繋がっているわけですよ。

淡々と他人の使った経費を計上するだけでは得られない発見が、購買部門では得られます。

今まで事務所に訪れてきた個人事業主や経営者の苦労や気持ちも、わかるようになるでしょう。そう考えると、案外面白そうだと思いませんか?

将来的に会計の仕事に戻ることがあったとしても、購買部門を経験すれば、会計の仕事に役立つ発見もあるかもしれない。そういう意味では、安定な選択肢とも言えるでしょう。全く違う仕事のように見えて案外繋がっていて面白く、将来に繋がる可能性もある。

だから、僕は購買部門を推します

ただ、会計関連の仕事を続けるにしても、異業種転職をするにしても、最終的に決めるのは自分自身です。

自分自身が、少しでも興味がある仕事にチャレンジしてみてください。

「給料が高いところがいい」「忙しすぎないほうがいい」というような希望もあるでしょうが、そういったものは職種を選んだ後からでもある程度は融通がききます。だから、後からでもいい。とにかくまず、選ぶべき道を定めましょう。

まあ、職種全体でそれらの希望を叶えられない傾向があるところは避けるべきですが、ね。