飲食店の正社員を辞めたい人はとても多いです。

僕の知り合いにも新卒・ベテラン問わず飲食店勤務をしていた人が何人かいますが、みんな口を揃えた「キツイ、しんどい、辞めたい」と言っていました。

あまり内定が取れずに駆け込んだ先が飲食だった人、飲食を志望して入社した人、バックグラウンドもそれぞれにあることでしょう。

しかし、飲食店に正社員として入ったなら、長く続けるか即辞めるかの二択しかないと思った方が賢明です。

飲食店の仕事を辞めたい理由を整理し、辞めるべきかどうかを見極めましょう。

飲食店を辞めたい!ネットに数ある声を集めてみると…

「飲食店を辞めたい」と嘆く人は、ネットという広大すぎる海の中にたくさんいます。言わば、インターネット圏の飲食店海域を遭難し漂っている人というわけです。

その遭難者たちの声を集め、飲食店を辞めたい人のよくある退職理由をまとめてみました。

  • とにかく激務で辛い
  • 休日が少ない! 給料も良くない!
  • 残業が多い(サービス残業がデフォルトな会社も)

激務な割に、給料がそんなに多くはないというところに不満を感じている人が多いようです。

シフト勤務だから休みも勤務時間も不定期的。本部から変な圧力がかかったり、本部から「バイトを○人辞めさせたら、今度はお前のクビが飛ぶぞ」と脅されるなんていう話もよく聞きます。

そして、残業時間が気づけば400時間を越えていて、でも残業代は出ない。朝早くて夜遅いし、バイトがドタキャンして休日に呼び出されるなんていうことも多くて、大変。ボーナスでないのも当たり前で、有給が無いのも当たり前。

新卒で入ったとき先輩たちの給料を知り、「数年勤めてもそれなのか」と絶望したという人も多いはず。

バイトと社員の垣根が曖昧だし、力のアルバイトリーダーは社員より権力持ったりするし…。

わけが、わからないですよねえ。

労働環境や待遇が良かったとしても客が…

店の労働環境や待遇が良かったとしても、クソみたいな客と接するのが辛すぎる人も多いと思います。

特に居酒屋なんて大変。高級レストランではしっかりとした振る舞いをする人が、居酒屋では横柄な態度を取るなんてこともありますからね。

居酒屋は人の気を大きくしすぎるんですよ。少し気が大きくなったくらいなら人は優しくなりますが、度を過ぎると横柄になります。

客が店員を怒鳴ったり、店員に「ありがとう」の言葉もなかったり…。

お客様は何様だよ!! ありがとうくらい言えよって、思っちゃいますよね。

酒の入った客による予測不可能な行動、理不尽なクレーム、理不尽な謝罪要求などなど、嫌な客の嫌な行動は挙げればキリがありません。本当に、飲食店の店員さんには社員・バイト問わず、頭が上がりませんよ。尊敬すらします。

飲食店に務めている人が歩むべき道は二つに一つ

飲食店に務めている人が幸せになる道は、上を目指すか即辞めるかの二つに一つだと僕は思います。

飲食業界というのは、正社員を独立させる前提で育てることが多いです。料理人としても、接客のプロとしても、経営者としても教育します。正社員が自分の店を独立して持つか、会社が別店舗を出すときの店長にするかという感じですね。

どちらにしろ、自分の店を持つことを前提としています。

それまでの期間は修業期間として考えられていて、給料は鳴かず飛ばずです。先輩の給料もそんなに多くないのは、そのためと考えていいでしょう。

だったら、選択肢は二つしかありませんよね?

長く勤めて勉強して、自分の店を持つ!
自分には無理だと悟り、即座に転職してしまう!

二つに一つ、のるかそるか!

自分はどっち? 辞めるべきかを考えよう

僕が思うに、辞めるべき人の特徴はただ一つだけです。

何が何でも独立してやるという強い意志が無い人。

正社員を店長にする前提で教育すると言っても、全員が全員そうなれるわけではありません。全員がなれるなら新卒入社して勤続している人の分だけ、会社は店舗を出さなくてはならなくなります。もちろん、独自に店を出す人もいるでしょうが…。

ただ、完全独立は会社の店舗を任されるよりもハードルは高くなるわけで。

どちらにしても、「自分は何がなんでも自分の店を構えるんだ!」という志が無ければ、勤まらないわけですよ。

志が無い人に店舗を任せることは出来ず、志が無い人は自ら独立することはせず…。

一生飼い殺し決定! エンドレス下働き、終わらない修行期間…! 結局、数年経って中途半端な状態で辞めてしまうことになります。

自分の意志を、確かめてみてください。

飲食店を辞めたい理由を整理して、自分には志があるかを問う。辞めたい理由が大きすぎたり、志が無いことを自覚したり「自分が店を持つ未来」が全く想像つかないのなら、今辞めてしまった方が賢明だと思いますよ。

飲食店正社員の辞め方 ~引き止め工作の対処法~

飲食店を辞めたいと思ったら、辞めたほうがいいと僕は思います。

さっきも語ったように、夢を追いかけている人以外には働くメリットが無いからです。店側の実態はブラックそのもので悲惨だし、客絡みでもストレスが多すぎる。

辞めたほうが、幸せになれます。

ただ、気をつけて欲しいのが「辞めるときの引き止め工作」です。

飲食店でありがちなのが、「辞めたいです」と打ち明けたときの引きとめ。飲食店は人手不足なところが多く、ギリギリで回っているところがほとんどです。そんな中辞められると、その穴埋めが大変なので、必ず引き止められます。

「飲食店上がりなんて、どこも受け入れてもらえないよ」
「転職なんてできるの?」
「どこも厳しいよ」
「無責任だと思わない?」

色々言ってくるでしょうが、気にしないでください。

そんなのは、会社側の理屈に過ぎないんだから。人手不足だからって色々理由を取ってつけているだけに過ぎず、それは感情に振り回されているだけの乱暴な言葉であって、あなたのためを思っての言葉ではありません。

だから、「知るか!!」の一言で片付けられます。

引止め工作にあっても、断固として「辞める」を貫き通してください。

労働者には辞める権利があり、それを無理やり止めることはできないんだから。

転職活動を始める前に現状を整理しておこう

飲食業界の年収は平均300万円

国税庁による民間給与実態統計調査(平成29年分)を見ると、宿泊・飲食サービス業の性・給与階級別の年収の推移がわかります。

男性で最も多かったのは300~400万円。次に400~500万円、200~300万円となっていくんです。

女性で最も多かったのは100万円以下。次に100~200万円、200~300万円でした。100万円以下は流石に非正規雇用がほとんどだと思います。おそらくは、男性に比べて女性の非正規の割合が大きいのでしょう。

以上を総合すると、300万円前後というのが平均的に感じました。

ただ、中途採用求人の中には「店長候補・業界未経験歓迎・年収500万円!」というものも多く、店長・幹部になるという前提があれば比較的高めの年収を得ることも可能なのではないでしょうか。

飲食業界のキャリアパス

  • 研修社員
  • 一般社員
  • 料理長・チーフ
  • 既存店の店長
  • 新規店の店長
  • スーパーバイザー・エリアマネージャー
  • ブランドマネージャー

店長になるときのキャリアフローにいきなり新規店を持ってくる会社もありますが、通常は新規店のほうが既存店より長いマネジメントの経験が求められるため、新しく店長になるときには既存店で就任するのが基本です。

店長からさらにアップすると、スーパーバイザーやエリアマネージャーという「地域単位」で店舗を管理する立場になります。

このあたりから勤務地が店舗ではなく、本社や各営業所になるのが特徴です。

ブランドマネージャーは、その会社が持っている飲食ブランド全体のマネジメントを行います。

たとえば、すかいらーくグループで言うところの「ガスト」「ジョナサン」それぞれを違う人が管轄してマネジメントする感じです。

飲食店は比較的出世がしやすい業界と言えますが、逆に言えばキャリアパスを意識して上昇志向を持って働き出世していかないと先がない業界ということになります。

【他の飲食店に転職】ホワイトな職場の特徴と見分け方

「飲食の仕事自体が嫌になったというよりは、今の職場に不満がある」

そんな人はホワイトな飲食店に転職するのも選択肢の一つです。

  • 勤怠管理システムを導入している
  • 福利厚生が充実している
  • バイトの人数が適性または多い
  • 求人に「大量募集」の言葉が無い
  • 休暇が取れる

以上が飲食業界におけるホワイトな飲食店の特徴です。

タイムカードやPC上のシステムなどで勤怠管理を行っているというのは、今や当然ですよね。ただ、中小の飲食店の中には未だにアナログな勤怠管理方法をとっているところがあります。

そういうところは確実に残業代をちょろまかすので、やめておくのが吉です。

福利厚生の充実度は、従業員をどれだけ大切にしているかに関わってくるため、充実しているところはブラックの可能性が低いと言えます。

バイトの人数に関しては、実際に足を運んでみれば判断しやすいです。「ホールが回っていない」「料理が遅い」などと感じたとき、あきらかにその時間帯の人数が少なければ警戒してください。

忙しさとバイトの人数との釣り合いが取れていなければ、そのしわ寄せを食らうのは正社員ですからね…。

あと、求人で大量募集と書いているところは「離職率が高いですよ」と宣伝しているようなものです。休暇が取れないのも論外。

飲食からの転職先はどこがオススメ?

飲食店から異業種への転職は、難しいと言われています。

確かに、簡単ではありません。異業種への転職は、どんな場合でも一筋縄にはいかないものです。

けれども、それは飲食店に限ったことではなく、本当に「どんな場合でも」です。飲食店だからと言うことはないので、その点は安心してください。

ただ、やはり飲食店から転職しやすそうな職種は、知っておきたいですよね。

転職経験者の視点から、飲食店経験者が転職しやすいだろう職種を考えてみました。

  • 営業
  • 一般事務
  • 経理
  • 製造業
  • ビルメンテナンス

色々挙げましたが、飲食店の経験を活かせそうな仕事は営業くらいでしょうか。他は一般的に転職しやすいと考えられている物と、飲食店の仕事で抱えがちな不満を解消できる物という観点から選びました。

営業はブラック企業さえ避ければ、仕事の張り合いもあって給料もそれなりでプライベートも充実できます。元ブラック企業営業の、現ホワイト企業営業である僕が言うんだから、間違いありません。

経理はある程度のPCスキルが必須で、簿記関係の資格を持っていればもっと良いです。簿記関係は「あればいい」というもので、必須ではありません。未経験・無資格でも、採用をしていますからね。

ただ、どの職種を選ぶにしても「スキルの細かい棚卸し」に力を入れてください。

飲食店の経験は、結構潰しがきかないんですよ。たとえば、厨房に入っていた人だと「調理スキル」が磨かれるわけですが、そんなのは飲食業界でしか必要とされないですからね。ホールでも接客スキルばかりで、他はなかなか磨かれない。

そこで大事になるのが、スキルの抽象化です。

調理スキルを細かく分析して、抽象的にしてやると、案外色々なスキルが発掘できます。

たとえば、調理をすればマルチタスクが得意になるし、作業の効率化もできるようになるでしょう。調理中自分なりにどのように作業を効率化したのか、そういう工夫をアピールすることもできます。

同じような感じで、調理スキル以外も細かく分析、抽象化してください。飲食店でどんな仕事をしていた人でも、細かく色々なスキルや経験が身についているはずです。それさえしっかり把握できていれば、転職できます。

逆に、スキルの抽象化ができていない人は、転職に失敗する可能性が大きいです。

自分を分析し、売り込む力が、勝敗を分けますよ。