鍼灸師が行う「はり治療」「きゅう治療」は、自律神経を整えたり肩こりを軽減したりすることができる魅力的な治療法です。

しかし、鍼灸師自身の待遇は魅力的とは言えません。

給料が低かったり、労働時間が長かったり…

鍼灸師を辞めたいほど悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

今回は、鍼灸師の悩みを転職で解決する道を考察していきたいと思います。「鍼灸師の経験を活かせる転職先」も紹介します。

ぜひ参考にしてみて下さい!

よくある【鍼灸師の悩み】まとめ

  • 給料が低い
  • 長時間労働が辛い
  • 無免許マッサージなど違法行為をさせられる

ネットには「生活できない」「食えない」「結婚できない」「家族を養えない」と、給料の低さを嘆く声が多数投稿されています。

公益社団法人東洋療法学校協会の第5回アンケート調査報告書によると、鍼灸師の年収は100~350万円程度とされています。

確かに「食えない」人がいてもおかしくはない年収です。

その上、拘束時間が長いんですよね…。

また、鍼灸師として就職したのに、無資格マッサージをさせられることもあります。

無資格マッサージという違法行為をさせられることに、嫌気が差している人もいると思います。

鍼灸師が転職で給料を上げるには?

1.資格を追加取得する

鍼灸師が転職で給料を上げるには、資格を追加取得するのが効果的です。

たとえば、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師などですね。鍼灸接骨院、福祉施設、医療施設、リラクゼーション施設などさまざまな現場で活かせる資格です。

「資格手当」のある職場に転職したり「さまざまな施術が可能」ということをアピールして給料交渉をして転職したりすることで、より給料アップを狙いやすくなりますよ。

2.雇われ院長になる

チェーン展開している鍼灸院の院長になることで、給料を上げることができます。

院長候補を募集している鍼灸院には、月給20~50万円の給与幅で求人を出しているところもありますからね。

院長になればインセンティブが付くという鍼灸院もあります。

また、院長候補の時点で月給20万円以上という求人がほとんどのため、転職後すぐに給料アップが期待できますよ。

給料を上げたいのなら院長候補として転職し、院長を目指すという選択肢を検討してみると良いのではないでしょうか。

違法行為をさせるような店への転職は全力回避!

あん摩マッサージ指圧師の資格を持っていない鍼灸師にマッサージをさせる店が、たくさんありますよね。

無資格マッサージは違法です。

そんな違法行為にうんざりしている人はもちろん、他の悩みを理由に違う院やサロンに転職しようとしている人にも、注意しておいてほしいことがあります。

それは違法行為をさせない優良店を転職先に選ぶ、ということです。

違法行為を平気で行うような順法意識の無い店は、他にもさまざまな違法行為を行う可能性があります。

たとえば残業代を支払わない、客引き行為、不正広告などです。残業代未払いは経営者のみの責任になりますが、客引きや不正広告などがバレた場合には社員も責任を問われかねません。

違法行為をスタッフにさせる経営者は、スタッフを大切にしないんです。

だから、どんな悩みが原因で転職するにしても、違法行為をさせない店を狙って転職する必要があります。

そのためには、求人探しの際の情報収集が大切です。

その店が違法行為を行っていないか、しっかり調べてから転職しましょう。

鍼灸師として開業するという選択肢もある

雇われ鍼灸師ならではの悩みを一気に解決したいなら、「開業」という選択肢も視野に入れてはいかがでしょうか。

鍼灸院を経営している鍼灸師の中には、年収1000万円を稼いでいる人もいますからね。経営方針は自分次第だから違法行為をすることもありません。

営業時間などで労働時間を調整することもできますし、システム化など効率化を図って労働時間を短縮することも可能です。

ただ、自分に合った開業方法を選ばないといけません。開業方法によって費用も働き方も異なりますからね。次項では二通りの開業方法について、詳しく説明します。

開業方法は二通り

開業するには「鍼灸院を開業する」「訪問治療専門の鍼灸師として開業する」という、二つの方法があるんです。

まず、鍼灸院の開業について説明します。

鍼灸院を開業するにはかなりの費用が必要です。店舗を借りるだけで数十万円かかりますし、改装するなら100万円以上はかかりますからね。

施術台などの備品を揃えたり、ホームページ制作を委託したり、法人化するなら登記費用がかかったり…。

そのため貯金が無いと開業は不可能です。

次に、訪問治療専門で開業する選択肢についてです。

訪問治療だけなら店舗を借りる費用はかかりません。備品も治療に必要な鍼管などの器具を揃える程度で済みます。

ホームページ制作を委託する費用などはかかるものの、院の開業に比べると安上がりです。

どちらが自分に適しているのかを、じっくりと考えましょう。

開業に付きまとうリスクとを軽減する方法

開業のメリットと方法を説明してきましたが、開業には「仕事が無くて失敗する」などのリスクがあります。

そこで、リスクを減らす方法を考えないといけません。

フリーランスの鍼灸師になる場合、「フリーランス可」の求人を出している鍼灸院でWワークをすることで、ある程度の収入を確保できるでしょう。

鍼灸院でアルバイトをするのもありですね。軌道に乗ってきたらそれらの仕事を打ち切り、自分の仕事に専念するという形ならある程度はリスクを軽減できます。

鍼灸師として開業する選択肢はリスクもメリットも大きいです。

開業を検討する場合は、「どんな方法で開業するか」「開業リスクをどのように減らすか」を考慮して慎重に決断を下しましょう。

鍼灸師の経験を活かせる転職先の候補

鍼灸師の仕事を続けながら悩みを解決する方法を紹介してきましたが、鍼灸師の経験を活かして違う仕事をすることで悩みを解決する選択肢もあります。ここでは鍼灸師の経験を活かせる仕事の例を三つ紹介しましょう。

1.エステティシャン

エステティシャンは必須の資格がないため、あん摩マッサージ師などの資格がなくても就くことができる仕事です。

鍼灸治療とは異なるアプローチから施術を行うことになりますが、経穴に関する知識や身体の仕組みに関する知識などを活かすことができます。

エステの目的は美容、疲労回復などのリラクゼーションです。はり師資格ときゅう師資格を取るときに学んだ知識や、鍼灸師として働いてきた経験を人の美と癒しのために使うのもやりがいがあって面白いのではないでしょうか。

2.介護職

介護職として転職すれば、鍼灸師の知識を活かして介護施設利用者にアドバイスができます。

介護の現場には鍼灸師の需要があるんです。それは鍼灸師を雇う介護施設があることからも明らかなことですよね。鍼灸師として介護施設に勤めることもできますし、鍼灸師と介護職を兼任することもできます。

また、施術は行わないとしても鍼灸師の知識から利用者の身体の状況を判断し、利用者に適切なアドバイスをすることもできるでしょう。

それだけではなく、鍼灸師としての判断を介護のプランを作るケアマネージャーに進言することもできます。

このように、鍼灸師が介護職になればさまざまな方法で職場に貢献できるんです。

3.接客業

鍼灸師には、観察力とコミュニケーション能力が必要ですよね。

鍼灸師は患者さんの言葉だけではなく、動作・顔色・姿勢・声などから患者さんの状態を推察して治療に繋げることを求められます。そのため、鍼灸師は観察力が備わっている可能性が高いです。

人と接する仕事だから、コミュニケーション能力も身につきます。

接客業も客の行動や顔色などを注意深く観察し、接客に繋げることが求められます。たとえば、飲食店なら「グラスが空いてるから注文を促す」「泥酔しているから注意が必要」などの観察に基づく対応が必要です。

だから、鍼灸師は接客業への転職に有利なんですよ。