勤務時間が不規則になる仕事は、命を削る危険性があります。

不規則な勤務時間の仕事を続けていると、大きなストレスがかかりますよね。それで眠れなくなることもあるでしょう。友達や恋人と疎遠になることもあると思います。そういうさまざまな悩みがあると、「勤務時間が不規則な仕事を辞めたい!」と考えてしまいますよね。

そこで、不規則な勤務時間のリスクと、その対処法を紹介します。

不規則な勤務時間が続くと危険! その理由を徹底解説します。

1.ストレスが溜まり、健康被害が出る。

不規則な勤務時間が続くと、ストレスがたまっていきます。

それに、不規則な勤務時間が続くと体力がなかなか回復しなくなりませんか? 寝たのにむしろ疲労が増したように感じたり、常にだるさを感じていたり…。

この「ストレス」と「体力が回復しない」ということは、実は繋がっているんです。

公益財団法人福島県労働保険センターによる、「深夜勤務従業者の疲労蓄積と日常生活ストレスの関連」という調査研究があります。

福島県のある会社で不規則な交代制勤務をしている人を対象に、調査は行われました。回答者数は76人です。

調査項目は平均睡眠時間、ストレスの自覚、ストレスの解消方法、運動習慣の有無、深夜勤務による疲労の蓄積度合い、疲労の回復度合いなど多岐に渡ります。

深夜勤務後の疲労の回復度合いに関しては、選択肢を次の2群に分類したんです。

「疲れを感じない」「翌日に回復する」という、特に問題なく回復するグループ。

「2~3日で回復する」「それ以上」という、回復に支障があるグループ。

結果、深夜勤務後の疲労が翌日までに快復すると回答した人は、76人中34人でした。2日以上かかると答えた人は20人です。

そして、深夜勤務後の疲労回復に2日以上の時間がかかると答えた人には、「ストレスがあまり解消できていない」と自覚している人が多かったんですよ。

深夜勤務後に疲労があまり回復しない人には、重いストレスという問題がある。逆に言えば、重いストレスを抱えている人は回復が遅くなるということでもあるのではないでしょうか。

つまり、こういうことです。

不規則な交代制勤務によるストレスが溜まる→回復が遅れる→回復の遅れによりストレスが溜まる。

そういう悪循環に陥っている、またはこれから陥る可能性があるということです。

このままでは、疲労やストレスによる健康被害が出てしまうのではないでしょうか。

そうなる前に、対策する必要があります。

2.寿命が縮む可能性がある

不規則な勤務時間の仕事が続くと、寿命が縮む可能性があります。

その根拠として、京都府立医科大学の実験を紹介しましょう。

この実験はマウスを使って行われました。

マウスの飼育環境に照明を取り付け、そのオンオフにより「昼」と「夜」を演出します。比較のため、二種類のシフトパターンで照明のオンオフをしたんです。

「日勤」→「深夜勤」→「準夜勤」を4日ごとに繰り返すAdvance群。
「日勤」→「準夜勤」→「深夜勤」を7日ごとに繰り返すDelay群。

Advance群に配属されたマウスは実験中ずっとAdvance群のシフトパターンのままです。Delay群のマウスについても同様。

そのまま630日、マウスを飼い続けました。もちろん、飼い始めた時期はAdvanceとDelayともに同じです。

結果、Advance群のマウスは体内時計が常にかき乱される状態になり、慢性的に強い炎症を起こしていました。

そして、Delay群のマウスと比べると、死亡率が4.26倍高かったんです。

まとめると、こういうことになります。

「生活スタイルを頻繁に昼夜逆転させることにより体内時計が乱れると、病気のリスクが高くなり、死亡リスクも高くなる。」

だから、不規則な勤務時間を続けると寿命が縮むというわけです。

この実験では4日ごとに昼夜逆転を繰り返していましたが、実際には2~3日おきに繰り返している人もいますよね。

そういう人はもっと病気のリスクと寿命が縮むリスクが高いと言えます。

病気になる前に、対策を考えたほうがいいのではないでしょうか。

体内時計をコントロールする方法

不規則な勤務時間により病気のリスクが高くなるのは、体内時計の乱れが大きく関係しています。ということは、体内時計をコントロールする方法を身につけることである程度は対策できるということですよね。

その方法を紹介しましょう。

1.【夜勤が多い人へ】体内時計を夜にリセットする方法

光を使うことで、体内時計を夜勤に適した周期にコントロールできるのではないでしょうか。

その根拠は、武田薬品工業株式会社のホームページに記されています。

これによれば、起床後に光を浴びることで体内時計の針が進み、体内時計がリセットされるんです。

さらに、厚生労働省が健康情報を伝えるためのサイト「e-ヘルスネット」にもにた記載があります。

要約するとこんな感じ。

「目から入った明暗環境の情報が、体内時計に影響を与える。朝日のような強い光は体内時計を進め、夜の暗さは体内時計を遅らせる。」

以上の「強い光が体内時計を進ませてリセットさせるという特徴」を逆手に取ることで、体内時計の周期をコントロールできるのではないか、ということです。

夜間は明るい環境で過ごし、日中は暗い環境で過ごしてみてください。

目から入った光が体内時計を進ませるということなので、夜勤明けの移動中はサングラスをかけるなどして対策しましょう。

帰宅後は遮光カーテンを閉めて、電気をつけずに寝るんです。

そのまま思う存分寝ましょう。起きたら、人工の灯りでもいいので強い光を浴びてください。

これで活動時間である「夜」に体内時計がリセットされ、睡眠時間である「朝」に体内時計を遅らせることができます。

つまり、体内時計が大きくかき乱されずに済むということです。

2.【日勤中心の人へ】体内時計の周期を変えずに交代制勤務に対応する方法

日勤が中心だけど夜勤もあるという場合。

体内時計を日勤ベースで保ったまま、夜勤に臨みましょう。

体内時計は光でコントロールできると「体内時計を夜にリセットする方法」で語りました。

夜勤の日はいつもどおり朝に起き、太陽の光を浴びてください。日勤をしているときは体内時計は朝にリセットされるので、夜勤のときにも同じようにします。

ただ、翌朝まで眠れずにパフォーマンスが下がる可能性があるので、夜中の休憩中に少しの仮眠を取りましょう。

夜勤が明けたらサングラスをかけるなどして光をカット。帰宅後もまた光をカットしながら眠ってください。

これで朝でも体内時計を「夜モード」に維持できます。

そして、起床後に光を浴びることで体内時計を朝にリセットするわけです。

そのために、「15時まで」には起きましょう。

太陽の光は10時から正午にかけて強さを増し、正午をピークとして徐々に弱まります。15時を過ぎると太陽の光がかなり弱くなってしまい、体内時計のリセットが難しくなるんです。これは夏も冬も変わりません。

だから、遅くても15時には起きて光を浴びる必要があるんです。

以上のように生活をすることで、日勤の体内時計を維持したまま夜勤を過ごすことができます。

ちなみに、以上と逆のことをすれば「普段は夜勤でたまに日勤がある人」も体内時計を乱さずに日勤に対応できますよ。

一番いいのは規則的な働き方ができる仕事に転職すること

不規則な勤務時間で仕事を続けていると、ストレスが溜まり疲労回復がしにくくなります。そのうえ、体内時計が乱されることにより病気と死亡リスクが高まるわけです。

体内時計は光によりリセットされるため、光を使って体内時計をコントロールすることにより、体内時計を乱さずに済む…。

ただし、ストレスに関しては体内時計が原因とは言い切れませんよね。不規則な働き方自体がストレスになっている人もいるはずです。そういう人は体内時計をコントロールしたとしても、やはり「不規則な勤務時間の仕事を辞めたい」という気持ちは消えないでしょう。

だから、一番いい対策方法は「規則的な働き方ができる仕事に転職すること」だと思うんです。

完全週休二日制の土日休みで残業が少ないような仕事や会社への転職を考えてみてはいかがでしょうか。