ニートが就職するときに気になることに、年収がいくらくらいになるのかということがあると思います。
ニートだから高望みはできないということは理解していても、なるべく高い給料で就職したいですよね。そこで重要になるのが、ニートが就職で狙うべき年収の目安がいくらくらいかということです。
僕からその目安を紹介すると共に、給料の妥協点についても語りたいと思います。
まずは、年齢別の年収中央値を目標に
はじめに断っておきますが、年収中央値は、平均年収とは違います。
平均年収はその名前の通り「一定条件のもと均等にならされた金額」なんです。年齢別の平均年収ということなら、貧困層も富裕層も関係なくデータに取り込み、平均化されています。
もしも、100人のグループに調査して100人中99人が「年収400万円」と答えたとする。そして、残り1人が「私は1億円だ」と答えたとしましょう。そうすると、平均年収は496万円になってしまうんです。
極端な例だけど、これだけ富裕層に影響されるんですよ。
だから、ニートが就職で狙う年収の目安に平均年収を使うと、自分の状況に合わないことが多いんです。
一方、中央値というのはその名前の通り「データを大きい順に並べてちょうど真ん中あたりの数値」となります。
要は、最も庶民の感覚に近い年収額が中央値というわけです。
だから、年齢別の年収中央値をニートが就職で狙うべき年収の目安としたほうが良いんですよ。
そして、その中央値というのがどれくらいかというのを、国税庁の民間給与実態統計調査や厚生労働省の賃金構造基本統計調査などの資料をもとに、独自に算出してみました。
まず、20代前半は約250万円が中央値ということになります。これは高卒で働いている人、フリーター、新卒社員などが多いためですね。
そして、20代後半になると途端に中央値は大きくなり、340万円程度になるんです。新卒の社員が仕事に慣れてある程度昇給し、ボーナスも貰えるようになったことでこういった数値になっています。
ここから上昇は落ち着き、30代前半は約370万円程度、30代後半は400万円程度になるんです。
以上が、ニートが就職で目標にすべき年収の目安ということになります。
中央値にこだわり過ぎず妥協することも大切
1.妥協が必要になる理由
年齢別の中央値を説明しましたが、あくまでもこれは中央値です。近年は非正規社員が多くなったとしても、正規社員の数のほうがやはり多い。20代後半からは新卒から社会人を続けている人が中央値に食い込んでいるのではないかと考えると、ニートが実現できない場合もあります。
ニートには、経験がありません。
年齢ごとに着実に中央値が上がっているのは、それだけの経験をみんなが積んでいるためです。中央値だから昇進した人のデータかはわかりませんが、昇進していなくても増えた経験と実績の数だけ給料が上がっているでしょう。
ニートにはその経験が無いから、もしも30代前半のニートが就職したとしても、いきなり中央値である年収370万円を得ることは難しいと思います。
しかも、ニートということがわかるとその瞬間に給料が低く設定されることが多いです。これも、経験や実績が無くて「高い年収を出す」判断ができないためと言えます。
だから、ニートは年収に関して、ある程度は妥協をしないといけません。
そして何よりも、ニートにとって大事なのは「とにかく働いて経験を得る」ということです。
年収にこだわりすぎるあまり門前払いを食らい続け、いつまでも就職できないというのでは本末転倒ですよね。それで就職活動が長引き1年経ったとしたら、これまた世間一般のサラリーマンとの差は大きくなります。
就職自体が目標であることを忘れずに就職活動をしましょう。
2.具体的にどのあたりで妥協すればいいのか
ニートは就職において年収に関してある程度の妥協をしないといけないということですが、じゃあ具体的にどのあたりで妥協すればいいのかが問題ですよね。妥協しないといけないと言っても、低すぎると生活できませんから。
そこで、僕は「自活できる範囲」という基準を推したいです。
自活というのは、一人暮らしをして、食費・雑費・被服費・交通費・交際費など生活していくうえで必要なお金を自分の稼ぎだけで補うということを指すんです。
じゃあそれを実現するには具体的にどれくらい必要になるのかということを、東京を基準に考えてみたいと思います。
まず、ニートだからと言って月給18万円よりも低くなることは稀です。未経験歓迎とかニート積極採用とか書いている求人を見ても、給料の最低ラインを月給18万円としているところが多いですからね。
月給18万円は、控除によっても変わりますが、手取りにすると約15万円です。これを基準に考えてみましょうか。
まず、東京だと家賃が高くなり、6万円くらいはします。
電気代は働いていれば日中家にいることがないから、5000円程度でしょうか。ガス代も都市ガスなら4000円くらいでおさまりますし、水道代も3000円くらいです。あとはスマホの通信料などに7000円、ネット代にまた7000円としましょう。
この時点で残り64,000円。
食費は無理なく3万円とし、雑費を6000円程度とする。
あとは被服費と交際費で消えます。
ギリギリ自活できるけど、趣味にはお金を使いづらい感じですね。
こうしてみると、手取りが17~18万円くらいあれば東京でも結構余裕のある暮らしができそうです。そうなると、額面の月給としては21~22万円は欲しいということになります。
妥協点を探るときには、以上を参考にしてみてください。
そして、「自分のポテンシャル」も考慮すると、より妥協点を見つけやすくなります。自分のポテンシャルというのは、応募する仕事に活きる自分の能力やスキル・知識がどれほどあるかということです。
自分の経験を洗い出した上で、上記の「自活できる給料の目安」と照らし合わせ、月給18万円あたりで妥協するか22万円あたりで妥協するかを決めると良いでしょう。
いざとなったら副業すればいい
妥協点を自活できる範囲とすると、結構低めの数値になります。だから、不満を抱く人もいるでしょう。
とは言え、ニートには経験が無いのだから給料の高望みはできません。
そこで、僕は思うんです。「これからの時代は会社からの給料以外に、自分で稼げる奴が強い」ということを。
少しだけ副業して、趣味の費用くらいは増やそうぜ!
ただし、ニート上がりですぐ副業に手を出すのは厳しいですよね。仕事にも働くことにも慣れていないのに、疲れた勤務後に副業なんてできません。休日にやればいいと人は言うけれど、平日で疲れ切ったのに休日も働くなんて無茶です。
そういう無茶をいきなりすれば、息切れを起こしてしまいます。
だから、副業に手を出すのは、あくまでも仕事や社会人生活に慣れた後です。
そして、ニート上がりが手を出しやすい副業にしておきましょう。
個人的には、ライターの仕事が適していると思います。クラウドソーシングサイトで案件を探すと、隙間時間で執筆できるようなものもあるんです。そういうものは単価が低いけれど、継続していれば月に2~3万円はプラスできます。
それだけでも生活は大きく変わると思いますよ。
ただ、これはホワイト企業に就職して定時で帰ることができ、休日もしっかり取れることが前提です。給料以外の基準でも職場選びを徹底しましょう。
初任給は妥協しても未来に妥協はするな!
ニートから就職したときの初任給は妥協することが必要になる。
だけど、未来の給料には妥協してはいけません。
まず、年次昇給がしっかりとしている会社を選ぶことが大事です。業績が悪い会社やブラック企業は、年次昇給の機会が毎年1~2回あると言いながら、まったく昇給させないことがありますからね。
また、年次昇給のペースがどれくらいかもしっかり確認しておきましょう。
ハタラクティブのコラムによると、年次昇給の平均はだいたい月給6000円程度ということです。これよりも明らかに低い数値を言われたのなら、そこは避けましょう。
そして、ニートは歩合制を避けたほうが無難です。
歩合制は実績に応じて給料が上がるものの、実績が得られなければ給料が全く上がりません。それに、基本給がかなり低く設定されているんです。社会経験自体が無い人がいきなり歩合の仕事に就いても、かなり低い基本給のまま長い期間を過ごすことになりますよ。
実績が給料に反映されて欲しいのなら、実績が昇給に結び付く制度を採用している会社を選びましょう。
そして、これは基本的なことだけれど、ボーナスがしっかりと支給されることも確認しておいてください。ボーナス有りとしていても、「去年は無かった」とか「ここ数年無いな」とか面接時に言われることがあります。
ボーナスというのは業績に左右されるので、業績が著しく悪くなればボーナスが出ないということがあるんです。
しっかりボーナスが支払われる会社を選ぶ基準は「業績」の安定性と言えます。業績が高くなくてもいいし、近年爆発的に上がっている必要も特にありません。もちろん、その方が高いボーナスが得られるので、そういう会社も視野に入れたほうがいいですけどね。
最後に、ニートを脱してある程度の経験を積んだときに、自分の給料が経験や実績に見合わないと感じることがあります。これはあなたの成長に昇給が追い付いていないということです。
そのときには、転職をして給料を引き上げることができるということを忘れないでおいてください。
以上のようにすれば、脱ニートして就職するときの年収は妥協するとしても、将来的には年齢の中央値以上の給料を得ることができるようになるんですよ。
しかも、妥協せずに中央値を目標とした就職を成し遂げた場合、平均年収以上の年収を得ることすらも可能になります。
ニートには職場を選ぶ余裕なんてないんじゃないかと思うかもしれませんが、ニートだからこそじっくりと職場を選ぶ心の余裕を持つべきです。
落とされてもいいから、とにかく食らいつきましょう。
給料は妥協しても、職場選びと将来の給料の可能性だけは妥協してはいけませんよ。
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