ニートには警備員が向いていて、引きこもりにも警備員が向いている。
『NHKにようこそ!』という引きこもりニートを題材にしたアニメでも、主人公は警備員になりました。ネット上でもニートは警備員を目指せということが語られることが多いんですよねえ。
そこで、警備員の種類と仕事内容、ニートに警備が向いてる理由、警備員に就職する前に知っておくべきことなどをまとめてみました。
ニートからすぐ挑戦できる警備員の種類と年収の話
1.施設警備
施設警備は、商業施設やオフィスビル・工場・娯楽施設などで、巡回や車・人の出入管理などを行う仕事です。
また、施設警備は「暇」と言われることが多いんですよ。オフィスビルの場合は、基本的に警備室に常駐して何かがあった時に対応するくらいだから、確かに暇かもしれません。
ただ、商業施設の場合は各店舗の手伝いに駆り出されることもありますし、トラブル対応もたまにあります。
たとえば、不審者対応をしたり、火事の際に避難誘導や各機関への通報、病人の対応などですね。
まあ、警備員が積極的に不審者を捕まえることは基本的にないので、安心してください。
2.交通誘導・雑踏警備
駐車場や工事中の道などで赤い棒を持って交通整理をしているのが、交通誘導・雑踏警備です。施設警備と異なるのは、現場が結構変わることが多いところでしょうか。当たり前だけど工事が終われば警備は現場から離れますからね。
また、祭りやイベント時にはそっちに駆り出されることも考えられます。
交通誘導や雑踏警備の良いところは、覚えることが少ないことです。
施設警備はその施設の設備の場所や点検個所を覚えたり、案外覚えることがあります。ただ、交通誘導や雑踏警備は「こういうときにはこうする」というケーススタディをすれば、あとはその時の状況次第です。
場面を見て動く必要はあるものの、仕事を覚えるのは早いでしょう。
3.警備員の年収
警備員の平均年収は、300万円程度と言われています。
これは正社員以外にも、派遣や契約社員・アルバイトなどの非正規雇用も入れての数字です。正社員として警備員を募集している求人を見ると、モデル年収が400万円を超えているケースもあります。給料が特別低すぎるわけでもなければ、高いということもありませんね。
ただ、未経験からだと月給17万円~20万円程度からというのが一般的です。
大きな期待をするとズッコケますが、特に悲観することもないのではないでしょうか。資格を取ったり、勤続年数を上げたりすることで年収400~500万円にはなれると思えば、希望も生まれると思います。
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ニートに警備員の仕事がオススメな理由と警備員の大変さ
警備員として働くメリット。
- 警備員は人手不足
- 研修がしっかりとしている
- 適度に人とコミュニケーションが取れる
- ひとりで仕事ができるケースも多い
- シフトの融通が利きやすい
まず、警備員はどこも人手不足です。
人手不足ということは、採用率が高いということ! どこの警備会社も、正社員も派遣も契約社員もアルバイトも関係なく、ありとあらゆる雇用形態で人を集めています。だからニートからでも正社員に採用されやすいし、いきなり正社員がハードル高いと感じるなら契約社員などでも良いわけです。
また、警備員は研修がしっかりしています。
これは後で詳しく語りますが、法律で「これくらいの期間、しっかり研修しないとダメですよー」と決められているんですよ。知識が無くても、物覚えに自信がなくても、まったく問題ありません。
そして、人と適度にコミュニケーションを取れます。
ニート期間に人間関係が薄かった人はリハビリになるし、挨拶や感謝されることもあるので、コミュニケーション自体がやりがいになるかもしれません。逆に、小さなビルの施設警備だと一人で仕事をすることが多いので、人付き合いがストレスに感じる人でも大丈夫です。
極めつけは、シフトの融通がかなり利くということ。
ゲームの発売日に休みを取ることができるし、逆に「稼ぎたいからシフト増やして欲しい」ということもできます。
警備員として働くデメリット。
- 夜勤があることが多い
- 暇な現場が逆に辛い
- 適度に人とコミュニケーションを取らないといけない
ニートが警備員になって大変なことと言えば、夜勤ですかねえ。施設警備も交通誘導も夜勤ありという現場が多く、夜型の人には向いてるけど昼型の人には辛い場面があります。夜勤が無い現場だとしても、拘束時間が長いのがデメリットになるでしょう。
10時間拘束されることは、ザラです。
ただ、暇な現場だと拘束時間が長くても自由な時間がたくさん得られます。その時間で資格の勉強をする人もいるし、警備員を踏み台としてとらえて「手に職を得るための勉強」をする人もいますよ。
あとは、メリットと表裏一体、コミュニケーションに関する部分くらいのものです。
ニートが警備員になるには? 知っておいたほうがいいさまざまな話
1.年齢や性別は関係あるのか
警備員に、年齢は関係ありません。
20歳だろうと、30歳だろうと、35歳だろうとニートから警備員になれます。
また、「女性でも警備員になれるか」ということですが、意外と女性の警備員も多いです。求人広告の写真には女性警備員を使っている会社もたくさんありますし、その現場の警備員全員が映っている写真を見ても1/3くらいは女性というケースもあります。
学歴も年齢も性別も関係なくなれるのが、警備員の良いところですよ。
【30代ニート】就職活動8つのポイント、34歳の就職成功例、おすすめの就職先などを紹介
2.引きこもりでも大丈夫か
引きこもりが警備員になるということの不安材料は、コミュニケーションです。
施設警備や交通誘導・雑踏警備の仕事内容でも語ったように、警備の仕事は「誰かと協力すること」「人の対応をすること」が多いですからね。唯一ほとんど一人で仕事をする警備の仕事は、小さいビルの施設警備。
コミュニケーションに自信がない引きこもりでも、そこを狙えば比較的楽に警備の仕事ができるのではないでしょうか。
まあ、引きこもりという経歴のために面接を落とされるということはそう多くないので、人間関係のリハビリを兼ねて敢えてコミュニケーションが必要な仕事をするというのもアリだと思いますよ。
交通誘導は商業施設の警備より負担が低いので、そこから始めてもいいのかもしれません。
3.警備員に必要な書類
- 住民票
- 身分証明書
- 登記されていないことの証明書
- 健康診断書
- 証明写真
- 印鑑
住民票は、続柄・本籍地記載のものを貰ってきましょう。
「登記されていないことの証明書」が何のことかわからない人が多いと思います。これは、自分が成年後見人や保佐人を受けていないことを証明するものです。それらを受けている人は警備業法で「警備員にはなれません」と決められているため必要になります。
申請書を書き、法務局で手に入れましょう。
健康診断書も、警備業法上必要な書類なので忘れずに持って行く必要があります。
また、印鑑は絶対必要ということはありませんが、即採用の場合は印鑑があった方が手間がかかりませんよ。
4.法定研修について
未経験者が警備員になるとき、基本教育15時間+業務別教育15時間の合計30時間、新任研修を受けることになります。
だいたい、3~4日かけることが多いです。
基本教育というのはその名前の通り、警備の仕事全体を通しての最低限の知識について学ぶ研修。具体的には、警備業法の知識と警備員として必要な心構え、事故発生時の対処法・護身用道具の使い方・救命措置などなどですね。
業務別教育というのは、常駐警備・交通誘導警備などの種類ごとに必要な専門知識と技能を学ぶものです。基本的には本社や事務所で勉強するばかりですが、15時間中8時間は現場での実地研修をすることもあります。
以上が警備業法上の法定研修ですが、この期間中にはその地域の最低時給より少しだけ高いくらいの給料になるのが一般的です。
研修が終わって現場配属後、契約時に決めた給料になります。
5.警備員になってからの「資格」の話
警備員には、主に3つの資格があります。
- 警備員指導教育責任者
- 機械警備業務管理者
- 警備業務検定
この中で最初に取っておきたいのは、警備業務検定ですかねえ。
これは施設警備・交通誘導・雑踏警備・貴重品運搬・核燃料物質等危険物運搬・空港保守の6つに分かれていて、自分の業務に合わせて取得することができる国家資格です。
そう言うとなんだか難しそうに聞こえますが、国家資格の中では比較的簡単だし、交通誘導2級や雑踏警備2級・施設警備2級などはかなり取りやすいですよ。
あとは、勤続年数に応じてキャリアアップのために「警備員指導教育責任者」を取得しておくと、給料と立場がかなり上がります。
機械警備業務管理者を取っておくと、無人警備のシステム管理などの仕事ができるようになるので、これもキャリアアップの一環として取得すると警備員生活が捗るでしょう。
警備員に興味があるニートにとっての「警備員以外の可能性」
- ビル管理士
- 事務
- 清掃・ハウスキーパー
- タクシー運転手
警備員に興味があるニートが就職先に選びやすい仕事を、まとめてみました。
ビル管理士は施設警備と同じようにさまざまな施設で働く仕事ですが、人や車の流れなどよりも「設備」を管理するという点で警備員と異なります。その分警備員よりも必要なコミュ力の水準は低いのがオススメポイントです。
しかも、仕事をしながら第2種電気工事士などの資格を取得するのが一般的で、取得後は転職の選択肢が広がります。
タクシー運転手は接客業の中では、接客の比重が低い仕事です。人付き合いが苦手なタイプのニートや引きこもりが社会復帰を目指すのに、とてもぴったりな仕事と言えるのではないでしょうか。
ニートから警備員になるのも良いですが、視野を広げて「本当に警備員がいいのか」をじっくり考えてみましょう。
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