俺なんて、あいつに比べたら…。
会社の同僚や先輩たちと比べて、劣等感を感じるという人は多いはずです。仕事とプライベートとを合わせると、劣等感を抱いたことのない人なんていないと思います。
誰だって感じることだけど、それでも劣等感というものは僕たちの心を躊躇なく引っ掻き回し落ち込ませるものですよね。
ひどく落ち込んだ先にあるのは「もう辞めたい」という心理。
仕事関係の劣等感なら「仕事を辞めたい」と思い、友人関係なら「友人を辞めたい」と思う。そして人生全般において劣等感を抱いているのなら…「生きるのを辞めたい」と思ってしまうもの。
そんな劣等感と、どう向き合っていこう?
劣等感は自分から進んで抱くもの
心理学的に、劣等感というものは自分から進んで抱くものだと言われています。
劣等感の研究をしたスコット・フェルドという社会学者が、1991年にある論文を発表しました。その研究のタイトルは『どうして、あなたの友人はあなたよりもたくさんの友人がいるのか」です。
その論文の中には「自分から進んで選んだ友人に対し、友達は何人いるかと尋ねて回答を得る」という実験が掲載されています。
この実験を行うと、回答の平均値は質問者の友人の数よりも大きくなる可能性がとても高くなるのだそうですよ。自分の友人全員が自分より多くの友人を持っているわけではないだろうに、不思議ですよねえ。
結局、人は「友達が多そうだな」と感じる人を無意識に選んで質問しているんです。
人は「この人は自分より優れている」と感じる相手を無意識に選んで比較し、劣等感を抱くということになりますよね。
実際には自分の方が誰かより優れているということがあるのに、自分が比べる相手は無意識的に自分より優位に立っている人になる。周囲に自分よりできる人ばかりというのは、自分から進んで出来る人ばかりと比べているからだ。
そう思うと、劣等感はあまり実体が無いような気がしませんか?
劣等感は、自分が劣っているからではない
劣等感を抱くことは正しいし、無意識に比べているのだから無くすことはできない。
ただ、あなたが抱いている劣等感の原因は自分自身にあるわけではないんですよ。人間は誰もがナンバーワンではありません。自分が劣等感を抱いている相手だって、他の誰かに劣等感を抱いているかもしれない。
それは、あなたかもしれない。
劣等感は自分が実際に劣っているかどうかで抱くものではないんです。
無意識的に自分より優れていそうな人をわざわざ選び、自分が周囲の誰よりも劣っているかのように感じてしまうだけなんですよ。そんな実体のない感情を気にして、振り回される必要はありません。
今の仕事を辞めるかどうかは自由です。
ただ、転職したとしても「劣等感は自分が悪いのではない」という意識を常に持ってください。
じゃないと、また劣等感にさいなまれてしまいますから。
自分を最大限活かせる場所に転職しよう
人が劣等感を抱かなくなることは無いと思いますが、劣等感を抱きにくくすることはできます。劣等感は自分のせいじゃないという意識を持つこともその方法のひとつですが、仕事に関する劣等感なら転職をすることもその方法です。
たとえば、自分を最大限活かせる職場に転職したらどうだろう?
自分の能力や人柄・経験をいかんなく発揮して活躍できていれば、わざわざ誰かと比べたりすることはないと思います。人と比べなくても自分自身が会社に貢献できていることは、明白ですから。
また、仕事が合っていないと感じるなら仕事を変えてみるのもアリですよ。
ただし!
「転職したらいい」という考えにすがりすぎると、危険です。劣等感から逃げるために転職をして、転職先でまた劣等感を抱いたから次も転職…というのはダメ。あまりにも甘すぎます。
転職に対する認識も、自分自身の感情との向き合い方も、甘々だ!
劣等感などの強い感情から仕事を辞める人は、ジョブホッパーになりやすいように僕は思います。自分がリアルに見てきた人やネットの話を総合すると、「強い感情からの逃避」は常態化しやすいんですよね。
だから、今度は劣等感で辞めないように自分が転職すべき職場をしっかりと見極めることが大事です。そして、先ほど述べたように「劣等感は自分のせいじゃない」という意識付けも大切。
転職エージェントで劣等感とはさよならだ
自分が転職先に選ぶべき職場を見極める方法として、僕は転職エージェントの利用をオススメします。
転職エージェントを使うと、担当キャリアコンサルタントが自分の希望条件や今の状態を親身になって聞いてくれるんです。今劣等感を抱いていることや、次は自分を活かせる職場に転職したいということを話しておけば、そういう状況・希望に合った求人を選んで紹介してくれます。
また、特に親身な担当者に当たれば劣等感を抱いている理由や原因と具体的な解決策なんかも、一緒に探してくれるかもしれません。キャリアコンサルタントはキャリアカウンセラーとも言うくらいですからね。
そうやって相談しながら転職を進め、転職を成功させましょう。
転職を成功させたことも一つの自信になって、劣等感を抱きそうになるあなたを支えてくれますよ。