会社の不祥事が発覚してから、今の会社を辞めたいという気持ちが溢れて止まらない…。
信用してきた会社でも不祥事があると気持ちがさめてしまいますよね。もともと会社に対して不満があったなら、その不満も頂点に達していることでしょう。
今回は、そんな会社からの転職を検討するべき理由を紹介しつつ、転職に向けた立ち回り方を掘り下げていきたいと思います。
ぜひ参考にしてみて下さい。
不祥事があった会社からの転職を検討すべき4つの理由
1.仕事のモチベーションが下がる
不祥事があった会社に勤め続けていると、モチベーションがどんどん下がっていく可能性があります。
不祥事があると会社に対する不信感が募りますよね。この会社は大丈夫なのだろうか。この会社のトップの価値観は自分に合わないのではないだろうか。社員を大切にしてくれないのではないだろうか。さまざまな不信感を抱えることで仕事へのやる気も失ってしまいます。
「頑張る価値がない」「貢献する価値がない」と考えてしまうこともあるでしょう。
モチベーションの低下というのはとても大きな問題ですよ。
次のようなリスクを引き起こす恐れがありますからね。
まず、成長ができなくなるというリスクが考えられます。モチベーションが下がると自分自身の100%の努力をすることができなくなりますよね。そうすると成長機会があったとしても精一杯それに取り組めず、成長の機会を逃してしまう危険性があるんです。
続いて、精神的リスクも考えられます。辞めたいなあと思い続けながら働くのは精神衛生上よくありません。嫌なことを続けることになりますから。ストレスから不眠・過眠、過食などさまざまな症状が引き起こされる可能性があるんです。
また、人事評価にも悪影響を与えます。給料を上げることができません。
以上のことから、モチベーションが低下し続ける会社で働くのはキャリア形成において適切ではないと思います。
2.自分自身にも悪評が付いてまわる
会社が大きな不祥事を起こした場合、その悪評はついて回ります。
不祥事が大々的に報じられている場合は特にそうです。周囲の人はあなたのことを「不祥事を起こした会社の人間」として見るようになります。家族がいる場合、配偶者は「あの会社の奥さん(旦那さん)」になるんです。子どもがいるなら「お前の親○○なんだろ」と友達から不祥事をネタにされ、傷ついてしまうかもしれません。
家族にまで悪影響が及ぶんです。
大々的に報じられていない場合にも悪影響はあります。
たとえば、関係各社からの評価が悪くなるという悪影響です。取引先が取引を中断するかもしれません。新しく営業をかけても「あの会社は信用ならん」と門前払いを食らう可能性もあります。
今後の仕事がしづらくなるわけです。
生活にも仕事にも悪影響を及ぼすような会社は、退職を検討すべきではないでしょうか。
3.新たに他の不満が生まれる可能性がある
不祥事によって、会社に対して疑心暗鬼になることがあります。
一度会社に不信感と疑問を抱けば、今までは気づかなかった不満に気づくことがあるんです。友人に裏切られて不信感を抱いたときに、これまでは気づかなかった友人の嫌な部分が見えてくるのと同じ現象ですよ。
待遇に不満を抱くかもしれない。実は残業時間が平均より長かったことに気づくかもしれない。そのうちにさまざまなことが気になってきます。価値観、上司、人間関係、仕事の進め方などなど…。
そんな状態で働き続けるのは無理ですよ。
疑心暗鬼から大きなストレスを受け、うつ病になることも考えられます。第一、その状態で働き続けても幸せになれる見込みは全くありませんよね。
もしも、既に会社のさまざまな点が気になり始めているのなら退職を検討することをおすすめします。
4.業績不振になる可能性がある
会社が大きな不祥事を起こすと、業績不振に陥ることがあります。
考えてみれば当然の流れですよね。
不祥事が知れ渡ると世間はその会社を信用しなくなります。信用できない会社の株式は売れません。信用できない会社の商品もまた売れにくくなるでしょう。一般消費者だけじゃなく、関係会社もまた不祥事を起こした会社との付き合いを改めようと考え始めます。
業績が悪くなって当たり前です。
大企業だとそこから持ち直すケースも多いように感じますが、不祥事による業績不振からなかなか立ち直れないケースもあります。
結果、事業を売却したりリストラをしたりして帳尻を合わせようとする会社があるんです。倒産をする会社もあります。
雪印食品がその例です。
2001年、北海道産の乳牛がBSEにかかっている疑いがあると農林水産省が発表しました。しばらく国内産の牛肉販売が自粛されるようになったんですよね。ただ、それだとさまざまな業者が困ってしまいます。そこで国が「国産食用牛を買い上げる」と宣言したんです。
雪印食品はこの制度を悪用。安い輸入牛肉を国産だと嘘をついて国に買い取らせ、約2億円を騙し取りました。
これが明らかになった後相次いで不祥事が発覚し、雪印食品は再建できずに解散し、雪印食品の関連企業も相次いで売却されることになったんです。
このように、不祥事によって業績が悪くなりさまざまな影響が出る危険性があります。
不祥事によって業績に大きなダメージがあったのなら、転職を考えるべきではないでしょうか。
転職活動で退職理由をどう説明するべきか?
会社の不祥事をきっかけに会社を辞めたいと思ったらのなら転職を検討すべきだ、と語ってきました。
ただ、ここでひとつ難しい問題がありますよね。転職活動をするときに退職理由として「会社の不祥事」を語ってもいいものなのか、という問題です。
正直に「会社の不祥事のため見切りをつけて転職しました」と語ると、「我社で何か問題が起こったときにも退職するのではないか」と思われてしまう危険性があります。
僕が思うに「退職理由は前向きなもののほうがいい」んです。後ろ向きな理由を伝えると「不満を解消するために転職している」と後ろ向きに捉えられてしまいます。だから、不祥事があったことを退職理由としてそのまま伝えると「この人は不満があると辞める」と判断されてしまうわけです。
会社の不祥事に関しては、こちらから話す必要はないと思います。
聞かれれば答えればいいというものです。
また、会社の不祥事を理由にするとしても「前向きな言い方に変える」ことができます。
たとえば「自分が共感できる経営姿勢の会社で働きたい」「自社の商品やサービスに誇りを持って仕事をしたい」などですね。これらは次のような不満を前向きな言葉に訳したものです。
「(不祥事のせいで)経営姿勢に共感できないから辞めた」
「(不祥事のせいで)商品やサービスに誇りを持てないから辞めた」
何事も前向きに言い換えることで、面接官にマイナスイメージを持たれて不利になるということはなくなるのではないでしょうか。
退職理由の言い換えをして転職活動を少しでも有利に進め、不祥事を起こした信用できない会社を辞めましょう。
そして、次は信用できる会社で元気に活き活きと働きましょう!