インハウスデザイナーは、孤独だ。

待遇は良い。ボーナスが出るし、福利厚生は整っているし、労務管理もちゃんとしている。

だけど、デザイナーとして長く生きていくのに、インハウスデザイナーという働き方はベストではないかもしれません。

そこで、インハウスデザイナーを辞めたい人が転職によって幸せになる道を、徹底考察してみたいと思います。

よくある「インハウスデザイナーを辞めたい理由」まとめ

1.環境が整っていない

インハウスデザイナーの仕事場は、他の業務をしている人たちと同じことが多いですよね。

さまざまな業務で慌ただしいオフィス。プルル、と電話が鳴り響く。交渉の声がこだまする。外回りに行く人、帰ってくる人の往来。デザイン業務に集中できる環境ではありませんね。

また、デザイン環境そのものが整っていないケースもあります。

たとえば、PCがWindowsだとか有料フォントや素材が使えないとか…。

「有料フォントを使わせてください!」と頼むのも、一苦労。なにせ、デザインを知らない人が多いですから。なかなか承認が降りません。

こんな環境では、有意義な経験が得られにくいのではないでしょうか。

2.幅広いデザインができない

インハウスデザイナーの仕事は、その企業の事業のみに限定されます。

特定の商品、特定の制作物のデザインばかりを作り続けることになりますよね。デザインの仕事が好きな人ほど、この不満は大きく募ってしまうのではないでしょうか。

「もっといろんなデザインがしたい!」

そんな物足りない気持ちを抱えながら働き続けるのは、辛いと思います。

3.デザイナー仲間が少ない

社内には、デザイナーが大勢いませんよね。

オフィスには大勢の人がいるのに、デザインの仕事をしているのは数人だけ…。

デザインを主体としていない会社や、アウトソーシング化している会社ならよくあることです。

仕方がないことだけど、これは死活問題。

情報交換ができない。

お互いに刺激を与えあうことができない。

そして、最新のスキルやデザインの流行を、なかなかキャッチできなくなります。

【転職の方針1】デザイン事務所(制作会社)に転職

メリット1.デザインのスキルを磨きやすい

デザイン事務所や制作会社では、しっかりとしたデザインソフトを使い、有料素材も使えます。

これだけでも、インハウスデザイナーから転職してきた人にとっては天国です。

さらに、デザイン関係のノウハウや勉強法が社内に蓄積されています。それらを利用することにより、インハウスデザイナー時代は得られなかった学びが得られるでしょう。

そして何よりも、さまざまな会社から業務を委託されるから、幅広いデザインに携わることができるようになるんです。

メリット2.デザイナー仲間やコネが増える

当たり前だけど、デザイン事務所や制作会社はデザインがメインの事業です。

社内のデザイナー数が多くなります。そして、会社に出入りする業者の幅が、広いです。

デザイナー仲間が増えるだけじゃなくて、コネクションも増えます。

それにより、情報交換がしやすくなるんです。

最新のスキルやデザインの流行を、しっかりキャッチできます。

さらに、独立した後に仲間やコネを活かした営業活動ができるようになるんです。

以上の結果、稼げるデザイナーになれます。

デメリット1.福利厚生が整っていないところが多い

デザイン事務所や制作会社は、メーカーなどの事業会社に比べて福利厚生が貧弱です。

単純に、福利厚生に回せる予算があまりないんですよ。特に個人事務所は、福利厚生なんてほとんどありません。

そのため、インハウスデザイナーがデザイン事務所や制作会社に転職すると、働きづらいと感じることがあります。

このギャップを少しでも和らげる必要があるでしょう。

そのためには、まず、個人事務所を避けることが大事です。

そのうえで、規模が大きく、事業資金が多いところを探しましょう。これで「家族手当」「住宅手当」「交通費」くらいは出るところに転職できる確率が上がります。

デメリット2.生活が不規則になりやすい

フレックスタイムを採用するデザイン事務所や制作会社が多いです。そのため、始業の時間は融通がききます。朝が弱い人にとっては朗報です。

ただ、終わりの時間にルーズな傾向があります。

デザイン事務所や制作会社は、売り上げを伸ばすためにどんどん仕事を受注するしかありません。必然的に抱える案件の量が多くなります。ひとつの案件を終わらせても、すぐ次の案件に取り掛からないといけません。

そのため、残業をしないと間に合わなくなることがあるんです。

徹夜が続くこともあります。

また、クライアントの都合を優先させるため、休日出勤になることがあるんですよ。

以上のことから、心身の調子を崩す人が大勢います。

まず、フレックスタイムは避けた方が無難でしょう。定時が決まっているほうが、時間をより強く意識するようになりますから。

そして、休日出勤をしたときには代休が取れるかを確認してみてください。

これだけでも、かなり働きやすくなるのではないでしょうか。

【転職の方針2】インハウスデザイナーとしてより良い職場に転職

1.会社の事業一覧や制作実績をチェックする

企業HPには、会社の事業や制作実績などが一覧で掲載されていることがある。

それらをチェックすることで、その会社のデザインの傾向を知ることができます。会社の事業の幅が広ければ、携われるデザインの幅も広くなるでしょう。制作実績を見て、デザインのテイストが多岐に渡っていれば、さまざまなテイストでデザインをすることができます。

メーカーの場合、商品一覧を見てみるのも効果的ですよ。

単純だけど、大事なことです。

2.風通しが良い会社を探す

風通しが良い会社は、自分の意見を言いやすい会社と言えます。

自分の意見を言いやすいということは、自分のやりたいことができる可能性が高いということです。制作実績や商品の傾向が似通っていても、前例を超えて新しいことに挑戦できるかもしれません。

風通しが良い会社に転職し、積極的に自分の意見を発信しましょう。

3.アウトソーシングの割合が低い会社を探す

デザインを外部に委託する会社が多い。

それは、自社で人材を常に抱え続けるより、案件ごとに外注したほうが安く上がるためです。

ただ、最近は「自社でデザイナーを育てる動き」が少しずつ出始めています。

そういう会社を探すことにより、デザイナーが多い会社に勤めることができるでしょう。

また、そういう会社の良さはデザイナー仲間が増えることだけではありません。

自社で人材を育てるには、会社がデザインに関して理解しないといけないということ。理解が深まれば、環境を整る必要性があることに気づきます。それはデザイン環境だけじゃなく、教育環境もそうです。

アウトソーシングの割合が低い会社には、インハウスデザイナーを辞めたい理由の多くを覆せるメリットがあります。

デザイン事務所や制作会社への転職を検討すると同時に、以上のようにして今の不満を解消する道も検討してみてください。