大学職員は、年金の待遇が公務員と同じになる。大学職員は、給料が良くて定時上がり。

…幻想だ、そんなものは!

確かに年金の待遇が公務員と同じになる点は嬉しいですが、実際にその恩恵を実感している職員は少ないでしょう。

新卒で大学職員になったとしたら、なお更ですよね。だから幻想に感じる。それに、給料が良くて定時上がりという点については完全に幻想。

働いてみると、「そんなことなかったぜ!」となりますよね。

大学職員の幻想に惑わされて入社したものの、「辞めてしまいたい!」と嘆き叫ぶ人は多いです。

というわけで、今回は転職経験者の僕の視点から、大学職員の仕事を辞めたくなる理由を分析しつつ、大学職員からの転職を成功させるためのポイントをまとめてみました。

大学職員の退職理由とは?

大学職員が仕事を辞めたいと思う理由やタイミングは、色々あるでしょう。

たとえば…人間関係です。

旧態依然とした風習の残る大学が多いらしく、そこで働く先輩方との人間関係で悩んでいる人をよく見かけます。長く勤めていれば偉い、という昭和じみた考えのために、先輩方の態度は横柄。後輩職員に対して横柄であり、学生に対してさえも横柄な態度を取る人が多いんです。

先輩からの理不尽な怒りや、イビリに精神的ダメージを負う人も少なくはありません。

また、学生に対して横柄な先輩たちに疑問を感じ、こんな職場で働いて自分にとって良い結果が得られるのかと将来を不安に思う人も多いです。特に、私大であれば学生はお客様、大学職員にとってはクライアントですからね。

疑問に感じるのは、正常な感覚ですよ。

また、思ったより忙しくて薄給だったという理由で退職する人も多いです。

大学職員の求人広告の多くには、「給料が良くて定時上がり」と書かれています。インターネットの情報でも「楽で待遇良いよ」という口コミを見ることがありますが、実際働いてみるとその逆。「給料低くて残業多い」状態だった、というので辞めたいとなるわけです。

理想と現実とのギャップという、どの仕事でもありがちな退職理由ですね。

100時間近く残業する月もあるようなので、これは辞めたくなるのもしょうがありません。

だって、月80時間の残業を超えたら、ブラック企業と変わらないよ。80時間以上残業すると、過労死する可能性が高くなると言われてますからね。過労死ラインと言われているものを軽々と超える大学が多いということに、驚きを隠せませんよ。

そうやって命をすり減らすくらいなら、辞めたほうが絶対良い。

仕事に、命をかける価値は無い。

他の大学への転職で悩みが解決しそうな場合は…

大学職員を辞めたいけど、実際大学職員という仕事自体を辞めなくても済むことありますよね。違う大学に転職するだけで悩みが解決するような…。

たとえば、人間関係・部署異動の頻度は大学によって全然違ってくるじゃないですか。特に人間関係は大学ごとにさまざまだし、今の人間関係になじめないというだけで大学職員という仕事を捨てるのは惜しいと思う人もいると思います。

部署異動に関しても、大学職員という仕事の都合上避けられないものではあるけど、今よりも頻度が低い大学に転職することは可能です。

あとは、給料・残業時間などもある程度は改善できます。

もちろん限界はあると思うので、他の大学への転職により自分が満足できる給料が得られないと判断したら、そのときは違う仕事に転職すれば良いでしょう。

条件がやっぱり合わなかったときはそのときまた方針を変えれば良いだけだから、まずは、他の大学への転職を考えることをオススメします。

人間関係を改善したいなら、まず今の大学のどういうところが自分に合わないと感じているのかを明確にしましょう。

「あの人とウマが合わない」という特定個人のことよりも、職場全体の雰囲気・風潮・大学の方針などから、人間関係が合わない理由を探るほうが良いです。

転職をするとき、特定個人のことなんて知り得ません。

ただ、職場全体の雰囲気や風潮・大学の方針という全体的なことは、転職エージェントを使うことで知ることができます。転職活動をするときにより求人のチェックがしやすいよう、職場全体に理由を求めることが大事ということです。

部署異動の頻度に関しては、求人に載っていないのでこれも転職エージェントでキャリアアドバイザーに聞く必要があります。

給料に関しては、あなたの大学職員としての経歴に左右されるでしょう。転職エージェントのミッションは給料をアップさせることを前提としているため、何も考えなくても多少は上がります。

ただ、最大値を知った上で、違う仕事を選ぶかどうか決めたほうが良いのではないでしょうか。

今の自分の経歴・状況で最大どれだけの給料が得られそうかを、目安だけでも教えてもらうことが大事。

一応僕から傾向だけ伝えておくと、国公立よりも私立大学のほうが年収が高い傾向があります。私立大学は一般企業のように利益を追い求めるので、大学職員に給料という形で業績を還元できるんです。

その理屈からすると、有名私大が最も年収が高い大学ということになりますね。

あとは残業に関してですが、これは求人情報をあてにするんじゃなくて、キャリアアドバイザーに個別で質問することをオススメします。求人に掲載されているからとその手間を省く人がいるんですが、求人情報では嘘をつく大学も多いですから。

以上、違う大学に転職する方向性で話を進めてきました。

ただ、年収が高いような有名私大は倍率が高く、待遇が良い大学というのは大学職員の応募が殺到します。経験者・未経験者関係なく集まってくるし、学歴が高い人も多く、なかなか難しいです。

大学職員以外の転職先も、やはり探しておいたほうが良いでしょう。

大学職員経験は、いろいろな転職先で活かせる

大学職員は、大学にもよりますが、部署移動が多いですよねえ。そのため、色々なタイプの仕事を経験している人も多いと思います。大学職員の経験は、実はいろいろな転職先で活かせるんです! そのうえマルチな経験があれば、転職先の選択肢はものすごく広がります。

学生支援の経験を活かす

学生支援の経験を活かすのなら、営業サポートのような誰かを支える仕事に転職しやすいのではないでしょうか。

営業サポートは営業事務と呼ばれることが多く、営業活動に関する事務処理や電話対応などがメインの仕事です。営業職と密に連携をとることが求められるだけでなく、営業職各人を理解することも求められます。

これは大学職員の「学生という立場を理解」し、学生に対して支援を行うという仕事内容と一致するのではないでしょうか。

営業事務以外にも、誰かを支える仕事の中には「一般事務」「総務」「コールセンター」「AD」「イベント運営企業」などがあります。後方支援の仕事と言っても事務だけじゃなく、面白そうな仕事もたくさんあるということです。

就職支援の経験を活かす

大学職員として就職支援を行ったのであれば、その経験を活かしてキャリアコンサルタントになるという選択肢もあるのではないでしょうか。

キャリアコンサルタントというのは、転職エージェントなどに在籍して社会人のキャリア構築の支援をする仕事です。幅広い仕事に対する理解と、刻一刻と変わる人材市場に対する勉強などが求められます。

ただ、キャリアコンサルタントを名乗るには資格が必要です。

キャリアコンサルタントの資格を取得するには認定講習の受講を修了するか、一定の実務経験を積む必要があるんです。その後国家試験を受け合格し、キャリアコンサルタント名簿に登録され、5年ごとに講習を受けることで更新されます。

物品購入の経験を活かす

大学職員として、研究のための物品などを購入した経験がある人は、企業購買部に転職しやすいです。

購買部の仕事は会社の予算を使い、業務に必要なものを買うこと。たとえば製造業においては、製造のために必要な材料を必要な数だけ購入することを仕事とします。もう一歩踏み込んで「なるべく安く買う」ことも必要になるんです。

また、経費に対する理解が深い人なら経理という道もあると思います。

事務処理の経験を活かす

大学職員の仕事は、事務的なものが多いですよね。

書類仕事もデータ入力のような仕事もあり、大学職員の多くは仕事の中で事務処理能力を培ったと言えるのではないでしょうか。その事務処理能力を活かすことにより、一般事務・営業事務などの事務職に転職できると考えられます。

それだけではなく、事務処理能力はほかの能力と合わせるとさまざまな仕事に派生するんです。

たとえば事務関係で言っても、英語が得意な人なら「外資系企業の事務」「商社事務」などが選択肢に入ってきます。大学職員としての他の経験と合わせることでも、選択肢は広がりますよ。

広報・入試関係の経験を活かす

私立大学だと、大学と言えども利益を上げることが大切になってきますよね。私立大学はビジネスで大学教育をしているのだから、そこには当然「広報活動」が関わってきます。特に大学は毎年安定的に客となる新入生を入れなければならないわけですから…。

広報・入試関係の仕事をしていた人には、その経験を活かして「広報」「企画」「営業」「マーケティング」「秘書」などが向いているのではないでしょうか。

特に営業職は、オススメです。自分たちの商品・サービスを広く世間に知らせるという仕事内容が、広報・入試関係の仕事と一致していますからね。

そう考えると広告の仕事なんかも向いているのかもしれません。

研究支援の経験を活かす

大学職員の仕事に、研究サポートもあると思います。

研究室の予算を管理したり、研究に関する各種申請手続きを行ったり、共同研究者とのやり取りをしたりと研究サポートも幅が広いですよね。産学連携もすすめないといけないし、場合によっては知的財産の管理や特許出願や管理もしないといけません。

それらの経験を活かすと、こういう仕事に転職しやすいのではないでしょうか。

  • 経理
  • 購買部
  • 営業事務
  • 知的財産に関する仕事
  • 特許に関する仕事
  • 役所の仕事

知的財産や特許に関しては一般企業にそれらを扱う部署があるケースもありますし、特許事務所で働くという道もあります。各種申請作業などが多いという点で言えば、役所の仕事も向いているかもしれません。

選択肢は、かなり広いですよ。

企画・会計・財務などに関する経験を活かす

大学職員の企画・会計・財務関係の仕事をしていたという人は、そのまま一般企業の同様の仕事に転職できるのではないでしょうか。

企画の仕事経験を活かすのに企画の仕事、会計・財務は経理の仕事…。直接的に大学職員の経験を活かすことができるし、企画は業界が変われば面白さも悩みも変わってくると思うので、今の仕事がつまらなくても楽しめる職場はたくさんあると思います。

また、企画の経験を活かすなら、マーケティングや営業も視野に入れられるでしょう。

ほかにもディレクター・編集者など人と人との間に立つ仕事も、企画の経験者には向いていると思いますよ。

大学職員からの転職のコツ

大学職員が転職で躓く原因は、「説明不足」です。

大学職員の仕事は企業内勤の仕事を一定周期で一通り巡るようなものですが、そのことを知る人はそう多くありません。

一般企業勤めからすると、大学職員=事務職というイメージがあります。そのため、実際には適正がある仕事なのに適正なしと見なされる可能性があるんです。

大学職員から異業種へと転職するコツは、大学職員の仕事内容を詳細に伝えること。

大学職員は様々な部署を巡る仕事だということ、その中で希望職種を経験したことを説明してください。

たとえば希望職種が広報なら、大学職員としてどのような広報活動を行ったのかを詳細に説明するんです。その中で自分なりに工夫した部分があれば、それも説明します。

公式ホームページの充実を図ったり、各高校に配るパンフレット作成、オープンキャンパスの企画などなど、エピソードも付け加えて説明するとイメージしやすいでしょう。

また、説明するタイミングは、出来れば職務経歴書を書く際が良いです。

職務経歴書で詳しい説明が無ければ、「大学職員=事務」のイメージが取り去れず、その時点で落ちてしまうかもしれません。

職務経歴書で軽く説明をし、興味を持ってもらってから、面接でさらに詳細に説明するというのが、ベストですね。

大学職員を辞めて転職活動をするとしたら、このことを頭に置いておいてください。

説明不足を回避すれば、転職は難しくはありませんよ。

結局、辞めたほうがいいの?

僕が説明してきたとおり、大学職員からの転職は、決して難しくはありません。

大学職員の仕事は、辞めようと思えば辞められます。

ただ、大学職員の仕事は安住の地だと考えている人もいるでしょう。

確かに、大学職員は終身雇用前提で半ば公務員のような待遇ですから、一般企業に比べて「安定」があるのは確かです。けれども、その安定というのは、案外脆いものなんですよ。

残業時間80時間以上、薄給。

旧態依然として変わりそうもない昭和の商社のような職場環境や風習に、クライアント意識の無い先輩たち…。

安定している土壌がガラガラと音を立てて崩れ去ってもおかしくない材料は、既に整っています。大学職員という仕事は無くならないという一点に関してのみは崩れないでしょうが、それ以外は崩れ去るでしょう。

そもそも過労死ラインを突破している職場に勤めて、安定も何もありません。

死の間際、崖っぷちにいる状態で「安定しているな」とは言えません。

「安定」という言葉で自分を誤魔化し、大学職員の立場にしがみつくのは、もう辞めたほうがいい。精神的・体力的に消耗しきってしまってからでは身動きが取れなくなってしまいます。

大学職員の仕事はブラック企業体質に馴染める人に任せて、一度疑問を持った皆さんは脱出した方が自分のためですよ。

もちろん、全ての大学がブラック企業体質で昭和商社じみているわけではないでしょうが、それでも大学にそういう傾向があることは確かです。

大学から大学を渡り歩いて、か細い希望…クズ山の中から宝を掘り当てるような転職をするより、異業種転職で光に向かって一直線に突っ走るほうが、現実的ですよね。

だから、結局、僕は言うでしょう。

一度辞めたいと思ったら、疑問を持ってそれを口にしたら、辞めたほうがいい

自分の命が尽きるか、仕事への我慢の限界が来るかのチキンレースになってしまうから。