クリエイティブな仕事を辞めることで掴める幸せもあるのではないかと、僕は思います。

Webデザイナー、ファッションデザイナー、コンテンツプランナー、イラストレーター、インテリアコーディネーター、ライター.etc

クリエイティブな仕事には、特有の辛さがありますよね。正解が無い仕事だし、プライベートとの境目も曖昧になるし…。そして、仕事を続けるうちに「向いてない」とわかることもあるでしょう。

僕の知り合いにも、クリエイティブな仕事を辞めたいと悩んだ人がいます。

彼がどのようにして悩んだのか。そして、幸せになったのか。

それを軸として、クリエイティブな仕事を辞めたい人にアドバイスしたいことがあるんです。

クリエイティブな仕事を辞めて幸せになった人の話

知人の話を紹介します。想像で補った部分もありますが、ストーリー自体は実話です。

1.生み出す仕事ならではの辛さ

この物語の主人公の名前は、日野ヒカリくん。仮名です。

ヒカリくんは、自分のことを「非凡な人間だ」と感じていました。さらに、ゲームが好きだったんですよ。

だからか、専門学校を卒業して、ゲーム会社に入社しました。

職種はエフェクトデザイナーです。

「非凡な自分なら、人をアッ! と言わせる演出ができる!」と彼は喜びました。

しかし、研修が終わって初めて制作チームに入った頃から、辛さを感じ始めたんです。

クオリティを上げるためには、時間がかかります。だけど、当然のように高いクオリティが求められる。必然的に残業が増える。自分のデスクの下に寝袋を広げ、泊まり込む。デスクには何本ものエナジードリンクが置かれていた。

休日も、彼にはない。

また、時間をかけ過ぎると「遅い」と言われる。だけど、効率化を重視するあまりクオリティを下げるわけにはいきません。

クオリティと効率との板挟みになり、自由に動けなくなりました。

そんな苦労をしながら納品したエフェクトに対し、リテイクが課せられる。しかも、再リテイクのときに最初の指摘とは矛盾することを言われることがあった。

「何が正解なんだよ…」

ヒカリくんは、頭を抱えてしまいます。

「この仕事に正解は無いのかもしれない」

そう気づいたら、もっと、しんどくなる。

「辞めたいな」

そう思いながら、初めて制作にかかわったゲームが無事マスターアップ(完成)を迎えました。

全員で拍手をし、打ち上げをしたとき、彼の心にはあたたかいものがいっぱい詰まっていました。これまでの苦労、辛さ、悩みの全てが報われたような。ビールの喉越しが妙にしみて、普段あまり飲まないお酒をその日は何度も何度もおかわりしました。

「もう少し、続けてみようかな」

2.折れた心

初マスターアップ後、仕事が落ち着いてきました。

時間が空いたため、さらなる技術向上のため勉強に磨きをかけた。またあの感動を味わいたいという一心で、必死に仕事と勉強をこなし続けました。

だけど、違和感を抱えていました。

どれだけ勉強しても、なかなか成長しない。

そんなとき、上司に呼び出されたんです。

「んー。君のエフェクトは面白みがない。それに…最初の1年は成長が著しかったが、ここ最近は技術もセンスも成長が見られないぞ。どうした?」

その言葉を聞いた瞬間、彼の脳内にはこれまでの仕事の毎日が走馬灯のように流れた。色鮮やかに楽しく舞う桜、世話になった寝袋、エナジードリンクの山…。ああ、ダメなんだ。

「俺、これ以上はもう無理なんだ…」

ヒカリくんは、退職願を出し、会社を辞めてしまいました。

会社を辞めた日、ヒカリくんは子どもの頃に買ってもらったゲームを全部捨てた。大人になってから自分の金で買ったゲームも、一度も遊ぶことなく捨てた。自分が制作にかかわったゲームすらも、ごみ袋に入れたんです。

抜け殻になったようでした。

そのまま貯金を食いつぶして、家賃を払えなくなり、実家に強制送還。

3.転職

失業保険をもらいながら仕事探し。

「クリエイティブな仕事はもう嫌だ。人と関われる仕事をしてみたい。」

結果、彼はタクシーの運転手になりました。

「適度な距離感で人と関われるし、稼ごうと思えば稼げるのが気に入った」と、今は幸せそうにしています。地元も仕事も肌に合っているようです。

◆◆◆

クリエイティブな仕事には独特な辛さがある。

向いてないと痛感することもあるし、向いていてもさまざまな壁にぶつかることがある。その状態のまま働き続ければ、ヒカリくんのようにその仕事に関する物事が嫌いになるかもしれない。そして、抜け殻になったり、うつ病になったりする危険性もある。

自分に向いている仕事や、クリエイティブな仕事とは全く異なる特徴を持つ仕事に転職することが、幸せになる方法なのではないでしょうか。

自分に向いている仕事を探す方法

自分に向いてる仕事を探すには、自分の得意なことと、自分の性格を知らないといけません。

まず、自分の得意なことを探すには、過去の成功体験を洗い出す必要があります。

それぞれの体験に「どのようにして成功に導いたのか」「苦労したことはあるか。どのように乗り越えたか」「何が楽だったか」を自問自答する。そうしたら、得意なことが見えてくるんです。

次に、自分の性格を知るには親しい人に聞くことをオススメします。

自分の性格を詳しく聞けるほど親しい人がいなければ、過去を振り返りましょう。過去の自分の行動パターンを振り返れば、そこから性格が割り出せます。

以上のように、自分の得意なことと自分の性格を知ったら、あとは「興味がある仕事」に求められる適性と照らし合わせるだけでいいんです。

クリエイティブな仕事を辞めたい人にオススメの転職先

いくつか転職先候補を挙げてみたいと思います。

これはあくまでも一例です。「転職先はいろいろな選択肢がある」ということをイメージしてもらえたら嬉しいです。

1.一般事務

クリエイティブな仕事も、人と深く関わる仕事も嫌だという人にオススメの仕事です。

一般事務の仕事は、データ入力、書類の作成と管理が主。書類には決まった書式があるし、指定もあります。そこにクリエイティブな要素は全くありません。

そして、電話対応も来客応対も無い求人が少なからずあります。そういう求人を探すようにすれば、人と関わる仕事を全くしたくない人でも楽しく働けるでしょう。

2.営業職

クリエイティブな仕事の経験を活かして、営業職になってはどうでしょうか。

同じ業界・業種で営業職になれば、クリエイティブな仕事で得た知識をそのまま使えます。会社が違っても、商品ジャンルが同じであれば、ある程度の知識は共通しますから。

この知識を使って営業をかけることができれば、かなり活躍できると僕は思います。

3.アニメ制作進行

アニメ制作進行の仕事は、クリエイターたちの仕事を管理することです。

  • アニメの内容を把握する
  • 放送日から納期を算出する
  • 予算を把握する
  • 担当話数のアニメーターやスタッフを確保して仕事を発注する
  • アニメーターからの原画の回収
  • アニメーターへの納品催促
  • 監督や演出家との調整をしながら完成まで面倒をみる
  • 納品し、次の担当話数に取り掛かる

以上のような仕事をしていると、アニメーターに振り回されることが多いです。

納期間近になるまで納品しない人、逃げる人。急にわがままなことを言い出す人。急に演出変更を言い出す監督などなど…。

そういう人たちのことをうまく管理するために、制作進行には、クリエイティブな仕事をする人たちの気持ちを理解することが求められます。

気持ちが理解できなければ、「どうすれば早く原稿をくれるか」「アニメーターが何に行き詰っているか」などがわかりませんからね。

その点、クリエイティブな仕事を経験したことがある人なら有利でしょう。

もちろん、ほかにも「忍耐力」「対応力」「体力」なども必要になります。「気持ちがわかる」だけではダメです。

それでも、特に有利な点も無くこの業界を目指している大勢の人たちに比べれば有利なことは確かでしょう。それに、入社後に仕事を進めやすいのは、やはりクリエイティブな人たちの気持ちも理解できる人です。

クリエイティブな仕事は辞めたいけど、クリエイティブな現場は好きだという人には向いているのではないでしょうか。