「今の仕事を辞めたいけど、親に言えない」
「転職したいけど、親に言えない」

Twitterで調べてみると、この種の悩みを抱えている人が結構多くてびっくりしました。

今回は、その原因に迫りつつ、解決するための考え方や立ち回り方を紹介します。

そもそも「親に許可を貰う必要はない」という話

もし、「親に言う」=「親に許可を貰う」という気持ちの人がいるとしたら、その人に言いたい。

そもそも、親に許可を貰う必要はないと思います。

仕事を辞めるということなんて、何かの話のついでに「転職活動してるんだよねー」と言うだけで十分なんです。「転職したよー」という事後報告でも、特に問題はありません。

さらに、「自分から親に報告する必要もない」とも思うんです。

親が仕事について聞いてきたときに「そういえば」と話す。必要に駆られたときにだけ話す。それでいいのではないでしょうか。

大人は、自分の行動に自分で責任を取るものですから。

「毒親」の可能性も考えてみよう

自分の意思や決めたことを親に言い出せないのは、親との関係性が影響している可能性があります。

あなたの親御さんが「毒親」という可能性はありませんか?

毒親とは、子どもに大きな悪影響を与える親のことを言います。

そんな毒親の特徴は、さまざま。

よく話題に挙がるのが、子どものことをしきりに否定するということですね。

たとえば、「あなたなんか生まなきゃよかった!」「死ねばいいのに!」と存在自体を否定する人。

「そんなのうまくいくわけないでしょ」「お前は何をやってもダメだ」と、行動や意志、意見を否定してくるケースもあります。

また、子どもに無関心な毒親もいます。

衣食住の面倒だけを見ているけど、愛情が足りないという状態ですね。

そして、否定と無関心の両方の特徴を持つ毒親もいます。

ほとんど会話もスキンシップもしない。やっと口をきいたかと思えば、出てくるのは否定の言葉ばかり。

子どもと深く接しようとしないのに、子どもの人生をコントロールしようとする、一番質の悪いタイプの毒親です。

ほかにも、さまざまなタイプの毒親がいます。

  • かいがいしく世話を焼き、愛情たっぷりで尽くしながら束縛する「過保護」タイプ。
  • 「かわいそうな自分」アピールをして同情を誘い子供をコントロールするタイプ。
  • 「家出」「自殺宣言」などのパフォーマンスで子供をコントロールするタイプ。

以上のような毒親が子どもに与える影響には、次のようなものがあります。

  • 親を過剰に恐れるようになる
  • 親を過剰に気遣うようになる
  • 親に自分の意思を伝えられなくなる
  • 自分で物事を決められなくなる
  • 自分の思うままに生きられなくなる
  • 人やモノに対する依存心が強くなる

あなたが「親に仕事を辞めたい、転職したいと言い出せない」と悩んでいるのは、この影響のせいかもしれません。

あなたにかかっている「言えない」呪いを解くための考え方

1.「親」を「親」として見ない

一度、親を親として見ないようにすれば、親の言動や行動の影響が、自分の中で薄くなります。

親をひとりの人間として見るんです。育ててくれた恩などの「尊重」は一旦忘れて、その人の自分に対する言動や行動、態度だけを公平に見てみてください。

そうすると、その人には人格的に何かしらの問題があるのではないかと思い始めるでしょう。同時に「自分に害をなす人間」とも思うようになるはずです。

そこから、「その人は尊敬に値しない人物だ」という認識が得られます。

人間的に尊敬できない人物の言動や行動は、何も心に響きません。

だから、「その人」の言動や行動の影響が、自分にとってだんだんと薄くなっていくんです。

結果、毒親にかけられた呪いは解けます。

2.親も所詮は他人だ

親も所詮は他人です。

というか、この世の全人類が他人です。

自分を自分たらしめているものは何かを、考えてみてください。

人格、自我、考え方、意思などさまざまなものが挙げられると思います。それらすべてが同じだという人間は、この世に一人たりともいませんよね。だから、人類はみんな「自分とは違う人間」なんです。

そして、血のつながりというのは、先ほど挙げた自分を構成する要素の一つでしかありません。

自分を構成する要素全てと比べれば、ほんのちっぽけなもの。

そんな他人に、自分の生き方を否定される筋合いはない。

そんな他人に、自分の意思や決定を止める権利はありません。

そんな他人に、自分の行動すべてを告げる必要も、ないんです。

3.あなたの人生の責任を取るのは、あなたしかいない。

どれだけ親があなたの人生をコントロールしようとしても、あなたの人生の責任を親が取るわけではありません。

親のことを気にして「仕事を辞めない」という道を選んだとします。その先であなたがどれだけ苦労しようとも、その責任はあなたにあるんです。

極端なことを言えば、鬱になろうとも、過労死や過労自殺をしようともその責任はあなたにあります。

これは僕が良く言うことです。

「大人は良いことも悪いことも、全部自分で責任を取る」んですよ。

自分の人生が好転すれば自分のおかげ、悪くなれば自分のせい。

そう考えれば、「自分の意思決定に親は関係ない」と思えるのではないでしょうか。

自分の意思で生きるために、具体的な行動に出よう!

1.一人暮らしを始める

一人暮らしをすると親と会う頻度が減ります。

実家の近くに引っ越したとしても月に1回も会わないし、実家から遠くのところに引っ越せば正月くらいしか会わないようになるんです。

今、親はあなたのすぐそばにいます。

そのため、親という存在が、自分の中で実際よりも大きなものになってしまっているんです。

一人暮らしをして親に会うことが少なくなると、その事実に気づくことができます。そこから「自分の意思で動いてもいい」と思えるようになるのではないでしょうか。

また、一人暮らしをすることで親という人物のことをより冷静に見ることができるようになります。これにより、『「親」を「親」として見ない』で語ったようなことに気づき、親の言動や行動の影響が薄くなるんです。

以上のことが自分の中で根を張り、それを根拠として自分の意思で行動しようと考えるようになるのではないでしょうか。

2.連絡をしない

一人暮らしを始めた上で、親に自分から連絡を取らないようにするんです。

親から連絡が来ても無視します。LINEは既読スルー。電話は取らない。

そうすることで、自分の中で親の存在はどんどん小さくなり、親の影響力が薄れてきます。

結果、自分の意思で行動できるようになるというわけです。

ただ、最初から全く連絡をしないのはハードルが高いですよね。

最初は3日間くらい放置するだけでOKです。放置した後は、「ごめん仕事で忙しくて返事できなかった」と言い訳をします。

次は1週間くらい放置してみて、また「ごめん忙しくて」と言い訳をするんです。言い訳の内容は変えてもいいし、変えなくてもいいですよ。

そして、10日・2週間とどんどん放置の期間を延ばしていきます。

そういう風に連絡を絶っていけば、最終的には最低限の連絡しかしないようになるんです。

それが世間では当たり前なんですよ。

よほど仲良し親子でもない限り、親とそんなに頻繁に連絡は取りませんからね。僕は、実家に帰省するときだけ連絡をします。だからか、自分の中で親の影響力というのは、ほとんどありません。

3.親に直接決別を告げる

親に決別を告げれば、親の影響力は徐々に薄れ、最終的には無になります。

決別というのは、そういうことですから。

ただ、制度的に縁を切るわけではありません。疑似的に縁を切ったような状態にすると言ったところでしょうか。

その方法は、ひとつしかありません。

直接、キッパリと、親に告げるんです。

たとえば、こんな風に。

「もう、自分の意思で自由に生きます。あなたが何を言おうと関係のないことです。それに、私が何をしたとしても、あなたには関係がありません。たとえ結婚するとしても、あなたは式に呼ばないかもしれない。それどころか報告すらしないかもしれない。引っ越し先もあなたには告げないでしょう。それだけのことをあなたはしてきた。

もう放っておいてください。」

毒親と向き合い、勇気を出して転職した人の成功談

発端

これは、僕の職場の同僚の彼女の話です。

彼女の名前は、福田萌愛さん(仮名)。

萌愛さんの親は、毒親でした。

特に母親は、子どもの頃から萌愛さんに対して過剰な期待をかけていました。「あなたは公務員になるの」と、生きる道を決められていたんです。小学校卒業間近、萌愛さんは「わたしのゆめ」という作文を書きました。その作文の一節を見てみましょう。

「わたしは、ケーキ屋さんになりたい。甘くておいしいケーキを作って、みーんなを笑顔にしたい。それが、わたしのゆめです。だけど、このゆめがかなうことはありません。」

これを見た母親は泣きながら怒りました。

「ケーキ屋さんなんてダメよ! あんな不安定な…。それに最後のこれ何!? 私が悪いの?」

母親は、作文を萌愛さんの目の前で破り捨てた。

萌愛さんの「ゆめ」の形をしたものが、バラバラになって、足元に散らばる。その様子を、萌愛さんは黙って見ているしかありませんでした。涙ひとつ流さず、声すらも上げず。立ち尽くす。

「ああ、わたしは、わたしのために生きちゃいけないんだ」

そこから萌愛さんの人生は、「おかあさんのためのもの」になった。

時が経ち、萌愛さんは母親の期待通り、公務員になりました。

だけど、どうも合わない。

一般行政事務職としての市役所勤め。能力的に難しい仕事というわけではなかったんですが、萌愛さんは「つまらない」と感じていたんです。

残業をしてまでつまらないことをしているというのが、萌愛さんにとって大きなストレスになりました。

「仕事、辞めたいな」

「だけど、親になんて言えば? 言えないよなあ」

そんな二つの思いを抱えたまま、時間だけが過ぎていきます。

だけど、萌愛さんの心はもう限界でした。

結末

彼氏に相談したところ、「君はしっかり仕事して、一人暮らしもしている立派な大人だ。親のためでも俺のためでもなく、自分のために生きろ。君の人生の責任は、君しか取れないんだ」と背中を押されたんです。

ここで言わないともう無理だ! そう思った萌愛さんは、彼氏を呼び出します。

そして、彼氏に見守られながら、母親にLINEしました。

「突然ごめんなさい」
「仕事を辞めることにしました」
「勝手にごめん」
「だけどこれまでいっぱい考えたの」
「もう無理なの」

それからしばらくして、母親から返事がきました。

母「あなたにはたくさんの期待をかけたのに…」
萌「ありがとう。だけど、もう人のために生きるのは辞めることにしたの」
母「それは自分勝手」
萌「ごめん」
母「ごめんで済むことじゃない。今まで何のために生きてきたの」

最後の言葉には、二重の意味が込められていたんだと思います。「母である私は何のために生きてきたのか」「あなたは何のために生きてきたのか」と。

この言葉をきっかけに萌愛さんはこれまでの人生を振り返りました。

「おかあさんの期待をかなえるために生きて、結果がこれだ。これまでの人生に価値が無いとしたら、これからは、まったく違う人生を歩んでもいいのかもしれない。」

吹っ切れたんですよね。

母親の理解は結局得られませんでしたが、それでも萌愛さんは仕事を辞めました。

萌「仕事辞めたから」
母「…わかった」

辞めてしまった後に何を言ってもダメだと思ったのか、母親はただ一言だけの返事。

今も、相変わらず親との関係は良いとは言えません。

だけど、萌愛さんはもう自分の人生を自分の意思でコントロールできるでしょう。

勇気を出しさえすれば、結果は後から付いてきます。

親と決別したり、親は関係ないからと黙って転職をしたりするのもいい。

萌愛さんのように「とりあえず親に決定事項として伝える」のもいい。

どちらにしても、あなたに今必要なのは、勇気です。