ブログやSNSで調査してみると、辞めたい思いを抱えながら働いている作業療法士が多いようです。

悩みのタネは人それぞれですが、それらを解決する方法として一番確実なのが「異なる施設への転職」と「異業種・異職種への転職」です。

ただ、そのどちらの方法を取るにしても疑問が生まれますよね。

異なる施設に転職するときにはどのような施設を選べばいいのか? 異業種転職するときのポイントやおすすめの転職先は?

その疑問の答えをこれから紹介したいと思います。

作業療法士にありがちな悩み

1.コミュニケーションのストレス

作業療法士はコミュニケーションでストレスを溜めがちですよねえ。

よくわからない話をし続ける患者さん。何かに付けて言いがかりをつけてくるモンスター家族。嫌味なことを言ってくる他職種の人たち。陰口を言い合っている同僚やあの人その人…。

作業療法士の職場には立場が異なる人が大勢働いています。価値観が異なれば考え方が異なり、人間関係がすれ違うこともあるでしょう。その上、さまざまな問題を抱える患者さんとその家族の対応もしなければなりません。

作業療法士はとにかく精神的に疲れる仕事ですよね。

2.長時間労働・休日返上

作業療法士は残業が多いですよね。

日中はリハビリをして、リハビリが終わればカルテを読んで患者さんの分析と適切なリハビリの考案・準備などをしなければなりません。この作業にはとてつもない時間がかかり、夜遅くまで帰れないことが多いのではないでしょうか。月の残業時間が平気で100時間を超える職場もありますよね。

しかも、これは全て「仕事のための自主的な勉強」などとして処理され、残業代がつかないことが多い…。

さらに、作業療法士協会のイベントなどの仕事を手伝うことがあり、休日返上になることもありますよね。そうでなくても患者さんの都合によって休日返上になることもあるのではないでしょうか。

これでは体がもちませんよね。

3.給料が低い

作業療法士は精神的にも肉体的にも大変な仕事ですよね。

そんな作業療法士の年収は決して高くはありません。平均年収は400万円前後。20代なら年代の平均年収より高めの給料を得られます。ただ、30代以降の給料の伸びが悪いのが作業療法士の悩みどころなんですよね。

年齢が上がっても作業療法士は作業療法士のまま。立場が変動しなければ年収が大きく変動することもないわけです。

結局のところずっと400万円前後にとどまり続けることになります。

この年収は世間的に見れば低いとは言えないんですが、長時間残業と休日返上の対応、精神的ストレスなどと天秤にかけると「低い」と感じてしまいますよね。

作業療法士として異なる施設に転職

作業療法士の悩みを改善するには、異なる施設に転職するか、違う仕事に転職するかの二択です。

異業種転職については後ほど詳しく語ります。ここではまず「異なる施設に転職する選択肢」について語りましょう。

作業療法士にはさまざまな職場がありますよね。

「精神科」「総合病院」などの医療系。

「老健」「老人ホーム」「訪問リハビリ」などの介護系。

こういった施設の種類によって、患者さんのタイプが異なるのではないでしょうか。

精神科なら心のリハビリを必要とした患者さんが多く、患者さんとのコミュニケーションが密になりがちです。そのためコミュニケーションによるストレスを受けやすくなります。一方、回復期リハビリテーション病院は体のリハビリを必要としている患者が多いです。

さらに、医療系と介護系とでも患者さんの傾向が異なりますよね。

そのため、患者さんのタイプが異なれば現在抱いている悩みは改善される可能性があるのではないでしょうか。

また、単純に働く施設を変えることで「給料」をアップできる可能性があります。これまでの経験をアピールして今より高い給料を提示してくれる施設に転職するんです。

中には残業時間が比較的短い施設もあるでしょう。

施設を変えるだけでも今の悩みはある程度解決します。

ただし、「作業療法士という仕事自体に疲れた」という人や「施設を変えるだけでは悩みは改善しない」という人は異業種転職をするしかないでしょう。

作業療法士以外の仕事に転職

作業療法士の社会的認知度は低いです。

異業種転職をする際、作業療法士の経験をどのように転職先の仕事に活かせるのかをしっかりアピールしなければ、仕事の適性などがうまく伝わりません。

書類と面接でのアピールには力をしっかりと力を入れる必要があります。

まず、アピールポイントを掘り起こしましょう。

作業療法士として普段行っている仕事を洗い出し、その仕事にはどんな能力が求められるのかを考えてみてください。

参考までに一般論として作業療法士の仕事に求められる能力を紹介します。

コミュニケーション能力と分析能力です。

作業療法士は心身共にリハビリを行う仕事です。リハビリを行うには患者さんに寄り添わなければなりません。そのためには人との距離感をはかり、上手なコミュニケーションを行う必要がありますよね。だから作業療法士は高いコミュニケーション能力を持っていると考えられます。

さらに、人をよく観察して分析しなければ効果的なリハビリを行うことができません。分析力も備わっていると言えるでしょう。

以上のように仕事内容から自分の能力を洗い出せば、アピールはうまくいきますよ。人に自分の主張を伝えるには「根拠」が必要です。アピールしたい能力が求められる仕事内容が根拠になるんです。仕事内容とセットで能力を伝えることで、伝わりやすいアピールになります。

作業療法士におすすめな転職先

作業療法士には「コミュニケーション能力」と「分析能力」とが備わっていると、前章で語りました。ここではそれらの能力を活かして転職できる仕事の例を紹介します。

これから語るのはあくまでも一例に過ぎません。自分自身がどのような仕事に就きたいのかも考慮しながら、自分の力でも転職先候補を探してみましょう。

1.コミュニケーション能力

  • ショップ店員
  • 営業職
  • ジムインストラクター
  • エステティシャン

ショップ店員は人との距離感をはかるのが大切な仕事です。客によって「積極的に話しかけたほうがいい人」と「話しかけないほうが買ってくれる人」とがいます。人をしっかり観察分析して適切な距離をはかる作業療法士の能力を活かせるのではないでしょうか。

営業職もまた距離感をはかりながら顧客ごとに適切な対応方法を見出す必要があります。距離をはかるコミュニケーション能力を活かせるんです。

ジムインストラクターはジム利用者にトレーニング器具の説明をしたり、アドバイスをしたりすることを求められます。トレーニングのアドバイスをするには人体に関する知識が必要です。コミュニケーション能力ももちろんですが、作業療法士としての知識も活かせる仕事だと言えるでしょう。

エステティシャンもまた、人を心身ともに癒やすためにコミュニケーション能力と人体に関する知識が求められます。

以上の他にもさまざまな「接客業」「販売業」に転職できる可能性が高いですよ。

2.観察力・分析力

  • 企画職
  • 輸送警備
  • ホテルの仕事

企画職は分析力がとても重要な仕事です。

企画を立てるにはまず市場を観察してユーザーが求めているものは何なのかを分析しなければなりません。企画を立案した後も企画をより良い物にしていくために、随時分析が求められます。

輸送警備は高額な現金や美術品などを輸送する際、盗難・事故などが起きないように警備する仕事です。輸送車両の周囲を取り巻く人物たちを観察し、不穏な動きがないかどうかを分析しなければなりません。事故が起きないように周囲の環境を観察・分析する必要もあります。

ホテルの仕事は客をよく観察・分析しないといけません。宿泊客には「察して欲しい」「何かをやってほしい」という人がいます。ちょっとした会話の中から相手が欲していることを観察・分析しなければ、適切なサービスを提供できない場面があるんです。そのため、観察力と分析力を活かせます。

他にも観察力や分析力を活かせる仕事はたくさんあるでしょう。

以上のように、作業療法士の能力を活かせばさまざまな仕事に転職できる可能性があります。

異業種転職も視野に入れて、作業療法士を辞めてどうするのかをじっくりと考えましょう。