「ハローワークの職業訓練を受けようかなあ」と思っているニートは、結構多いと思います。
就職するための技術を身につけたほうが、就職が楽だというのは実際にその通りですしね。
だけど、職業訓練を受ける前に知っておくべきことがいくつかあるんです。
求職者支援訓練とは何か、職業訓練受講給付金をニートも受け取ることができるのかなどなど…。
今回は、職業訓練の恩恵を最大限に享受するために知っておくべきことを、お話したいと思います!
ニートは就職にハローワークを使うべきなのか?サポート内容や体験談を踏まえてベストな選択肢を考察
職業訓練には種類がある! 違いをまとめてみた
1.公共職業訓練
公共職業訓練というのは、国や都道府県が運営している職業訓練のことです。訓練校は日本全国の都道府県に設置されており、離職者向け・在職者向け・学卒者向けとに分かれています。無料で受けられるのは、離職者向けのみです。
期間は3~6か月程度や1~2年程度とコースによって異なります。
そして、募集時期は6カ月コースなら年2回ほど、1年コースなら年1回ほどと限られているので注意が必要です。。詳しくは、自分が住んでいる都道府県の公共職業訓練の概要を見てみてください。
また、公共職業訓練は雇用保険料を財源として運営されているため、雇用保険の受給資格者を主な対象者としています。
そのため、受講者の多くは失業給付を受けながら職業訓練を行っているんですよ。さらに、日額500円の受講手当と月額最高42,500円までの交通費も受けられるというお得な制度付き!
一応、ニートなどの雇用保険受給資格が無い人でも受講することができるんですが、失業給付が無い分お得度は下がりますね。
そして、職業訓練校の試験の合格最低ラインに雇用保険受給資格者と資格のない人とが同順で並んだ場合、受給資格者が優先的に合格となるという不利要素もあります。
2.求職者支援訓練
求職者支援訓練というのは、雇用保険制度ではなく求職者支援制度という後発の制度をもとに運営されている職業訓練のことです。
この制度の目的は、雇用保険受給資格者以外の失業者・ニートに就職するための技能を獲得してもらうこととなっていて、公共職業訓練よりニート向きと言えます。しかも、公共職業訓練同様「受講料無料」です。
また、詳しい受給方法などは後程語りますが、求職者支援訓練は訓練期間中に月額10万円の職業訓練受講給付金を得ることができます。これは訓練中の生活資金援助という名目です。
そして、月10万円の給付金を受給してもまだ生活費が足りないという場合、単身者は月5万円、同居している配偶者がいる人は月10万円を借りられるんですよ。
もちろん、これは職業訓練受講給付金と違い、「借金」なので利子付きで全額返済しないといけませんけどね。
他にも公共職業訓練との違いがあるとすれば、訓練校が民間専門学校がほとんどということです。
さらに、募集もほぼ毎月行われています。
ニートが職業訓練に申し込む流れと試験に受かる方法
1.職業訓練に申し込む
まず、最寄りのハローワークに登録して、職業訓練を受けたい旨を伝えます。
公共職業訓練と求職者支援訓練とどちらを受けることになるかは、あなたの状況などから相談員が判断して教えてくれるので安心してください。ニートの多くは、募集回数も多く雇用保険の縛りの無い求職者支援訓練を受けることになるでしょうけどね。
そして、どのコースを受けるのかを決めてから、希望するコースの訓練校に見学に行きます。
この際、家から訓練校までの距離と交通費、訓練校の設備の充実度や清潔度、講師陣の雰囲気や態度、訓練校に張り出されている求人の数などをチェックしておきましょう。余裕があれば、訓練校で使っているソフトウェアのバージョンも確認しておくとさらに良いですよ。
長い間通うんだから、できるだけ有意義に過ごせるよう、訓練校選びはしっかりと行いましょう。
そして、申し込む訓練校が決まったら、ハローワークに申し込みに行きます。
申し込みに必要なのは、ハローワークに備え付けてある申込書です。
その後、職業訓練校が実施している試験を受け、合格したらハローワークで入校手続きをし、晴れて職業訓練生活が始まります。
2.筆記試験の内容と対策
筆記試験は、国語・数学から出題されることが多いです。
各都道府県で過去問を公開している場合があるんですが、大阪府の場合を見てみると、そんなに難しい問題が出るというわけでもないようですよ。たとえば、平成30年3月に出題された問題には次のようなものがありました。
国語
- 類義語と対義語
- ことわざ・慣用句の意味理解
- 四字熟語の穴あけ問題
- 敬語の変換問題
- 文章()内に入る言葉を選ぶ問題
数学
- 四則演算
- 分数の足し算・引き算
- 乗数
- ルートの計算
- 中学程度の簡単な方程式
- 割合計算
- 簡単な図形問題
国語も数学も、中学校を卒業していたら解ける程度のやさしい問題が多いです。ただ、現役を離れてしばらくすると数学の問題が解けなくなっていることが多いので、数学をメインに問題集や過去問対策などをすると良いのではないでしょうか。
問題集は訓練校対策の問題集を使うのもいいし、中学生用の各種問題集を使うのもいいと思います。
また、試験によっては国語・数学以外に一般常識問題も出題されるので気を付けましょう。
3.面接試験の内容と対策
まず、職業訓練校の面接には受かりやすい人と受かりにくい人とがいます。
その違いは、「ちゃんと就職できそうな人かどうか」です。職業訓練が無料で受けられるのは、運営費用を国が訓練校に出しているからなんですよ。
そして、国が訓練校を評価する基準が、就職率なんです。
就職率が低い訓練校は評価が下がり、今後の支援活動に支障が出るため、就職できそうな人を積極的に通わせたいと訓練校は考えます。
それを踏まえて、面接の対策を考えてみましょう。
まず、服装はスーツがベターです。わかりやすく就職意欲をアピールできるし、何よりも無難なのでマイナス印象を与えることがありませんからね。髪型は前髪を分けるなり上げるなりして、明るく前向きなイメージを演出しましょう。
よくわからないなら、美容室や理容室に行って「僕くらいの年齢のサラリーマンが良く頼む髪型」と注文すれば良いと思います。
あとは、相手の目を見てハキハキ堂々と話すことが大事です。
自信がある人のほうが「就職できそう」と思えますしね。
また、職業訓練校の面接でよくある質問内容を見てみましょう。
- この職業訓練を申し込んだ理由
- 応募した訓練コースの内容を知っているのか
- 現在どのような就職活動を行っているか
- ニート期間は何をしていたのか
- 今までの人生で一番頑張ったことは何か
- どんな〇〇(各コースの職業名)になりたいか
- 幅広い年代の人とうまくやっていく自信はあるか
- 訓練中に就職が決まったらどうするのか
まず、応募した職業訓練を申し込んだ理由は必ず聞かれます。
これはその職種に興味を持ったきっかけを語ると良いでしょう。Webデザイナーコースなら、「普段からさまざまなサイトを見ており、自分もこういう個性的なサイトを作ってみたいと思ったため」などが思い浮かぶと思います。
あと、応募した訓練コースの内容を聞かれることもあるので、応募するコースに関してはしっかりと調べておきましょう。
次に、現在の就職活動状況も必ず聞かれるんです。
就職活動はしていないと答えると、就職意欲が無いと判断されてしまい、アウト。面接には行ってなくても、求人票を見るくらいはしている人が多いと思うので、それを語ればOKです。
もし、まだ面接に至っていない理由を聞かれたら、「二度とニートにならないよう、自分に合う会社を慎重に選びたいからです」などと答えておくと良いでしょう。
また、ニート期間に何をしていたのかも聞かれます。
これは就職活動以外のことについて聞きたいので、「就活をしていました」ではダメです。
特に面接で話すような刺激的なネタが無いのであれば、普段の生活でしていることを聞こえがよくなるように言い換えて話しましょう。
たとえば、ネットをしていたという人は「この機会に、自分の興味があることを徹底的に調べていました」と語れば好奇心と向上心をアピールできます。
ほかにも、友人との遊びは「コミュニティを広げるための活動」、ずっと実家にいたなら「就職後自立するために家の手伝いをした」などと言い換えられるでしょう。
あとの質問に対しては、基本的に素直に答えていれば問題ありません。
ただ、幅広い年代の人とうまくやっていく自信があるかということは慎重に答えましょう。職業訓練校には本当に幅広い年代の人がいて、ここでNOと答えると結構ポイントが下がる可能性が高いですからね。
自信が無いなら、馴染めるように努力すると付け加えるなど印象をなるべく下げないようにする工夫が必要だと思います。
また、訓練中に就職が決まったときはどうするのかということについては、「訓練を打ち切って就職します」と答えると好印象です。職業訓練はニートにとって目的ではなく、就職するための手段に過ぎませんからね。
そこをはき違えていないか、相手はチェックしているわけです。
ニートは職業訓練受講給付金が貰えるの?
1.職業訓練受講給付金の条件
- 申込者の月収が8万円以下であること
- 世帯収入が月々25万円以下であること
- 世帯全体の金融資産が300万円以下であること
- 申込者が不動産・土地を所有していないこと
世帯というのは、同居している人たちのくくりです。実家暮らしの場合は、同居している親兄弟も同一世帯としてカウントされます。一人暮らしをしていて、住民票を現住居に移している場合は、あなただけの世帯ということになるわけです。
ということは、実家暮らしをしている人の多くはニートだろうと職業訓練受講給付金が受け取れないということになりますよね。
まあ…職業訓練受講給付金の名目は「職業訓練期間中の生活費補助」だから、実家暮らしで生活ができるなら受けられないというのは当然のことです。
一応釘を刺しておきますが、嘘の所得を申告するというのはナシですよ。
職業訓練受講給付金の審査はめちゃくちゃ厳しく、前年度の所得証明・口座残高までしっかりチェックされます。
万が一バレたときには給付金返還を求められるだけでなく、罰金を支払うことになるわけです。世帯収入が月々25万円より高いのに低くしたり、金融資産があるのに無いと言ったり、そういうあからさまなのは確実にバレます。
最悪の場合、詐欺罪になるケースもあるようなので、絶対にやめましょう。
2.支給手続きの方法と流れ
最初に、ハローワークで職業訓練受講給付金を受けたいという旨を相談員に伝えます。
そして、相談員から職業訓練受講給付金についての説明を受け、職業訓練受講給付金の審査に必要な書類を受け取る。あとは訓練校の申し込みと同時に、ハローワークの窓口にて職業訓練受講給付金の事前審査を受ける申請を行ってください。
このとき、次の書類が必要になります。
- 住民票の原本
- 申請日の前月分の収入証明
- 前年の収入証明
- 預金通帳と給付金の受取先の口座情報
- 身分証明書
前年の収入証明は、世帯全員分の証明が必要になります。
本人の収入証明ももちろん必要ですが、前月も前年もニートをしていて収入が無い場合は、非課税証明書が所得証明の書類になりますよ。
また、身分証明書は顔写真付きなら1点、顔写真付きが無いなら2点必要になります。免許証を持っているならそれでOK、無ければパスポートや個人番号カードなどですね。
3.いつ給付金が支給されるのか
職業訓練期間中に給付金が得られるのは少し考えればわかるけど、問題は「期間中のいつから」ということですよね。
職業訓練受講中、月に1回はハローワークに行くことになるんです。そのときに職業訓練を欠席していないかどうかとか、受講態度とかを確認されます。それで問題が無ければ、その一週間から10日後くらいには振り込まれているという感じです。
だいたい、開始から1か月後くらいと思っておくと良いでしょう。
今から職業訓練の下調べと就職活動を始めておこう!
職業訓練が行われるタイミングは、各地域やコースなどによって異なります。今すぐにでも、職業訓練の募集が行われていないかどうか、次に行われるのはいつかを調べて受講コースを検討しておきましょう。
それと同時に、求人票をチェックする程度の就職活動も始めておくことをオススメします。
職業訓練の面接で就活をアピールできるし、職業訓練を受けながら就職活動をすることで求人先企業に「現時点でのレベルで働けるか」を判断してもらうことができるようになるんです。
そうすれば、相手が求めている技術力とのミスマッチが無くなります。
そして、研修が充実している企業なら、残りの勉強は給料をもらいながら研修という形で続けることができますよ。
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