ここ数年目にすることが多くなった「フレックスタイム」は、自由を渇望する僕ら現代人にとってすごく魅力的に見えますよねえ。
朝が弱い人にとって、または早く帰りたい人にとって、世紀末救世主のごとく颯爽と台頭したこの制度…。実際どんな仕事に採用されることが多いのか、フレックスタイムを条件に転職するときには何を知っておくべきなのかまでは知らない人が多いと思います。
これから語るのは、フレックスタイム制を導入する会社に転職するための全知識です。
フレックスタイム制を採用する会社が多い仕事とは?
フレックスタイム制を導入している会社が多い業界。
- IT・通信・インターネット業
- マスコミ関係
- 広告代理店
- デザイン関係の仕事
- メーカー
フレックスタイムで働く人が多い職種。
- ITエンジニア
- WEBデザイナー
- ゲームクリエイターなど各種クリエイター
- 企画・経営
こうして見てみると、フレックスタイムを採用しているのは、役割分担がかなりハッキリしている業種や職種が多いですね。
特にITは、「エンジニアひとりひとりの仕事と役割」が職場ごとに明確に決められているし、プログラマーも個人単位で請け負う案件が決まっています。勿論チームで進める仕事もあるものの、会議など以外は個人作業が多いためフレックスタイムが問題になりにくいんです。
WEBにも同じようなことが言えます。
また、広告代理店のデザイナー・プランナーなどもフレックスタイム制を採用している職場が多いです。
個人の裁量の大きさが、フレックスタイム制の有無を左右する!
フレックスタイム制を採用している仕事を探すときには、ぜひ参考にしてみてください。
フレックスタイムの仕事に関する知識を全部紹介します!
フレックスタイムの仕事に関して、転職する際に知っておきたいことを3点まとめてみました。フレックスタイムとコアタイムの話、残業の話、廃止の話…それぞれ気になるところを見ていきましょう。
1.フレックスタイム制でコアタイムなしはあり得るのか?
通常、フレックスタイム制というのは「就業時間のすべてがフレキシブル」というわけではありません。
フレックスタイムの中に、コアタイムと呼ばれる「全員が揃っていないといけない時間帯」があるのが一般的です。
たとえば、9時~22時までのフレックスタイム制を導入しているとしたら、9時~15時はコアタイムとしていることがあります。コアタイムは、連絡事項や共有事項のために、始業時間から数時間としていることがほとんどです。
ここで問題となるのが…。
コアタイムなしのフレックスタイム制はあり得るのか? という話。
答えは「無くはない」です。
コアタイムなしのフレックスタイム制は、「スーパーフレックス制」と呼ばれることがあります。
実際、2018年11月には、住友商事がスーパーフレックス制度を導入して話題になりました。
働く側からすると「好きなときに来て、好きなときに帰っていいよ!(仕事さえ終わらせれば)」というのは、メリットの塊のように感じられるかもしれません。個人単位で適応できる/できないという話はもちろんあるけどね。
一方管理側からすると…。
会議の予定合わせが難しくなったり、有給消化率が下がったり、デメリットも多いです。
そのためか…極端なレア求人化しています。スーパーフレックスを導入している会社が、超大手企業かベンチャー企業かの二極化しているというのも、コアタイムなしが難しい理由です。
「無くはない」とはこのこと。
「自分のスタイルに合うコアタイムの求人」を見つけるほうが現実的かもしれませんね。
2.フレックスタイム制の残業はどういう仕組み?
フレックスタイム制にまつわる疑問としてよくあげられるのが、「残業」です。
どこからが残業? 上限あるの? 残業代の計算は?
通常、労働時間は1日単位で計算して残業の基準とします。それがフレックスタイム制の場合は、1週間または1カ月単位で労働時間を計算し、残業の基準とするんです。
1日8時間を超えれば残業というわけではないということですね。
労働時間の清算が1週間単位なら、1週間の労働時間がトータルで40時間を超えたところから残業時間に計算されます。1か月単位なら、その月の労働時間を1週間あたりに平均したときに40時間を超えていた分が残業時間になるというわけです。
残業代は労働時間が1週間40時間を超えているときに1.25倍と、通常通りの割増賃金が適用されます。
じゃあ実際の労働時間が、会社が決めている「1日8時間」のような就業規則よりも少なかった場合は?
賃金がカットになるか、労働時間を繰り越すかのどちらかとなるんです。
問題なのは、フレックスタイム制を理由にして長時間のサービス残業を強いているブラック企業が、あるということ。
そういう会社に騙されないように、残業の仕組みをしっかり覚えておきましょう。
3.採用の動き同様「廃止」の動きも活発だから気を付けよう
近年の「自由に働こうぜ!」「多用な働き方を実現しようぜ!」という風潮のため、フレックスタイムを採用する企業が増えています。
ただ、逆に「数年前は採用していたのに廃止する企業」の動きも活発なんです。
フレックスタイム制だから「サボれるじゃん!」とルーズな社員が多く生まれたり、職種による採用非採用に不公平感を訴える人がいたりしていることから、廃止する企業も多くなっています。
フレックスタイム制を採用している企業だとしても、突然廃止ということもあり得るので注意しましょう。