「仕事が辛いから、辞めたいんです」

優しい人は「辛いなら辞めたらいいんだよ、仕事なんてたくさんあるんだから」と言うでしょう。厳しい人は「甘えるな!」と一蹴すると思います。

どちらが正しいということも、ないでしょう。

ただし! 僕は優しくも厳しくもありません。

元々社畜をしていた僕からすれば、「辛いから辞めたい」という言い分には複雑な思いを抱かずにはいられない!

だから、少しだけモノ申させてください。

「辛い」って何?

最初に言いたいことは、仕事が辛いって何なのかということです。

「仕事が辛いから辞めたい」と言う人にこれを聞くと、言葉を濁されることが結構多い。「サービス残業が多すぎるから体がもたない」とか、「人間関係が合わない」とか辛い理由を話してくれる人も中にはいます。

そういう理由が言えますか?

ただ「辛いから」だけではありませんか?

僕が思うに「仕事が辛いから」という理由で辞めたいと感じている人には、明確な理由が無い場合が多いです。明確な理由があったら「仕事が辛い」なんていう漠然とした言い方や検索をせずに、「残業 辞めたい」とか「人間関係 合わない」とか明確な言い方や調べ方をする人が多いと思うんですよ。

自分から悩みを解決しようと能動的に検索をするような場合、より自分の状況に合う記事を求めます。「仕事 辛い 辞めたい」というキーワードでは、なかなか自分の状況にピッタリな記事にはたどり着けないと考えるため、もう少し具体的なキーワードを入れるんです。

人に相談するときでもそう。「残業が多くてクソでさあ」「上司が本当にクソでさあ」という言い方をします。

もう一度聞きますよ。

「何が、どう辛いんですか?」

自分が悪い? 環境が悪い?

仕事が辛い原因は、自分が悪いのか職場環境や仕事内容が合わないのかどっち?

「自分が悪いってどういうこと?」

たとえば「仕事を覚える気が無い」「自分が悲観的すぎる」「自分から職場の人間に馴染もうとしない」など、消極的な精神がある場合は「仕事が辛い原因は自分にある」と言えます。仕事や職場の人間関係なんていうものは、自分から「こうしよう」と思って動かない限り楽しさや面白さなんて提供してくれません。

仕事や職場の良い部分なんていうものは、自分から引き出すものです。

消極的な精神でいると、仕事や職場の大変で辛い部分ばかりを感じることになります。「精神論だ」とバカにする人もいるかもしれないけれど、仕事や会社も人が絡む以上は精神論から逃げられません。

この話を感情や精神論抜きで説明することはできませんが、同意してくれる人は多いと思います。

仕事を面白くするのは、常に自分自身の精神なんです。仕事を辛くするのは「常に」とは言いませんが、自分自身の精神に原因がある場合も多々あります。仕事が辛いと思っている原因を探ったら、その後は自分自身に非が無いかどうかを考えてみてください。

現状は変えられるか? 努力はしているか?

仕事が辛いと嘆いているだけではダメだ! 現状を変えることができるかどうか、考えてみてください。

現状を変えることができないと断定できるのは、たとえば違法残業がはびこっている場合など「会社が法に違反している場合」くらいのものです。あとは「現状を変えられる可能性」くらいはあります。

給料が低いのが辛いなら交渉できる余地くらいはありますよね。人間関係が合わなくて辛いなら馴染む努力くらいはできます。上司や部署が合わないなら「異動願い」を出すことができる。

ここで「どうせ無駄でしょ」と思うようなら、転職したところで現状を変えることはできないと思います。転職する際にも「どうせ無駄」とか「どうせ無理」とか達観しているフリをして、自分の可能性を潰してしまうんです。

違法労働を強いているような会社は労働者の権利を奪っているので何を言っても無駄かもしれませんが、そうでないまともな会社なら交渉するのは労働者の権利だから無駄なんていうことはありません。

現状を変える努力をしてみないと、結果なんてわからないじゃないか。

その結果ダメだったら、その時はその時です。最初から諦めているような人に、転職で明るい未来を掴み取ることはできません。

辞めてもいい人とは?

僕は「仕事が辛いので辞めたいです。」という人に対して、優しすぎず厳しすぎない意見をしてきました。僕がこれまで語ってきたのは、「こういう人は辞めたらダメ、こういう人は辞めてもいい」という判断基準なんですよ。

僕が思う「辞めてもいい人」というのは、これまでの内容を見ていればわかります。まとめると、こういう感じ。

自分自身以外の「どうにもならない部分」を明確な退職理由として説明できる人。

それら全てを満たしている人にだけ、僕は胸を張ってGOサインを出します。厳しいと思うかもしれませんが、考えてみると当たり前のことなんですよ。

まず「明確な退職理由」は、言い換えれば転職先の希望条件です。明確な退職理由を自分自身で理解していれば、転職先の希望条件はその退職理由と反対の職場ということになり転職活動の戦略を立てやすくなります。

逆に、明確な退職理由が無ければ希望条件も漠然としてしまって、転職失敗してしまう可能性が高いです。転職先の当てもなくて、次どうすればいいのかという指標も持たず辞めてしまうのは愚の骨頂。

転職は「無謀な賭け」であってはいけないんです。「勝てる勝負」でなければダメ。

また、自分自身に非があるなら自分を変える努力をすればいいし、交渉の余地があるなら交渉すればいい。交渉失敗したら、そのときに転職を考えればいいだけのことなんです。

必要なら転職してもいいと僕は考えていますが、出来るなら会社を辞めない方が良いというのは誰が考えても当たり前じゃないですか。会社を辞めなくても「辛い状況」を変えることができる可能性があるのに、それを放り投げて会社を辞めるなんてアホらしいでしょう?

「仕事が辛いので辞めたい」と思ったなら、少し立ち止まってみてください。

今すぐ辞めるかどうかを決めるのではなく、一度立ち止まってからゆっくりと考えてみましょう。最後にもう一度だけ質問をします。「辞めたい明確な理由はありますか? それは自分自身に非があるものではありませんか? どうしようもないものですか?」