「僕は(私)は、もしかしたら適応障害かもしれない」
僕らの日常には、さまざまな出来事とストレスが降りかかります。それに伴う不安・ダメージが弱ければすぐ適応し、自分の精神や行動を適切にコントロールできる。だけど、それが強いと適応できず…適応障害になってしまいます。
自分自身がそうなのかもしれないと疑っている人も多いでしょう。
そこで、仕事における適応障害と甘えの線引きと、適応障害の症状に当てはまる人が今後取るべき行動の選択肢とを紹介したいと思います。
仕事における適応障害と甘えはここが違う! 適応障害の症状タイプ別まとめ
仕事の不安やストレスに甘えているだけの状態と、適応障害とは大きな違いがあります。少しでも適応障害の可能性を感じているのなら、詳しい症状を学ぶことが大事です。適応障害の症状をタイプ別にまとめてみたので、一緒に見ていきましょう。
1.抑うつタイプ
抑うつというのは、気分が落ち込むことで「活動したくない」と脳がストップをかける状況のことです。「憂鬱により行動を抑制している」から抑うつだと覚えておくと、わかりやすいと思います。
このタイプの適応障害の症状としては、次のようなものが挙げられるんです。
- ぼんやりとしてるけど鋭い憂鬱感
- 大きく慢性的な絶望感
- 思考力と判断力が鈍る
- やたらと涙もろくなる
- 感情をコントロールすることができない
- 簡単な行動を起こすのに大きなエネルギーを要するようになる
簡単に言うと「うつ病」ですね。
仕事に行けなくなったり、仕事中ずっと気分が落ち込んでいたりする場合もこれに当てはまります。甘えているだけだと「大きく慢性的な絶望感」「感情のコントロールがきかない」「簡単な行動すら難しくなる」などの症状は出ないでしょう。
2.不安タイプと、抑うつ+不安タイプもある
不安タイプというのは、漠然とした不安感にあおられて精神が過敏になってしまうことです。そこから過呼吸や呼吸困難・パニック発作などを引き起こすことがあります。仕事をすることが難しい状態と言えるでしょう。
仕事中に過呼吸になったことがあるとか、息苦しさを覚えたり、何か大きな不安に駆られて居ても立ってもいられなくなったりしたのなら、このタイプに当てはまります。
また、抑うつタイプと混合する場合もあるんです。
激しい不安と気分の落ち込みとが同時に襲ってくるため、仕事だけでなく日常生活すらも難しくなってきます。体の病気で入院した後に「適応障害かもしれない」と疑い始めた人に、当てはまるケースが多いです。
3.行動障害タイプと、精神障害+行動障害タイプ
通常なら考えられないような行動をしてしまう症状のことを、行動障害タイプと言います。
- 暴力
- 仕事の無断欠勤
- クライアントに対する暴言や暴力
- 仕事場での悪戯行為
- 犯罪行為
異常な行動が増えていると指摘されたことがあれば、このタイプに当てはまります。このタイプの適応障害は万引きなどの犯罪行為をすることもあり、社会生活的にかなり危険です。
また、抑うつタイプや不安タイプのような情緒的な障害と同時に発生するケースもあります。子どもの場合は不登校になるなどの症状が出ますが、大人の場合は出勤困難症や人間不信などになりがちです。
4.特定不能な症状タイプ
特定不能とされているのは、肩こり・頭痛・倦怠感などの身体症状や引きこもりといった症状です。これまで紹介した症状のパターンに比べると少し軽めなものが多いと感じるかもしれませんが、これも適応障害の立派な症状というわけですね。
頭痛や倦怠感などは情緒障害と同時に起こることも多く、注意が必要です。
症状に当てはまる人がこれからとるべき行動の選択肢3つ
適応障害の症状を見てみると、甘えというのとは全く異なることがわかりますよね。
甘えというには仕事においても、日常生活においても支障が出る症状ばかり。それに当てはまる人はとにかく注意が必要です。
適応障害の可能性が大きい人がこれからとるべき行動は、これから紹介する3つのパターンだと僕は思います。
1.とりあえず病院に行く
とりあえず、病院に行くことが大事です。
適応障害の症状というのはどれも「特有のもの」ではありません。確かに深刻な症状が多いものの適応障害ではないケースもあり、一過性のものも中にはあります。ほかの病気の可能性も否定できません。
自分が今どうしてそういう状態に陥ってしまっているのかをハッキリさせるためにも、適応障害だとしたら適切な治療法をとるためにも、病院に行きましょう。
適応障害を判断する基準は、以下の通りです。
- 適応障害のきっかけと考えられる原因があってから、一般的に考えられるよりもずっと強い症状が出ているかどうか
- 仕事や日常生活に支障が出ているかどうか
まずは、ハッキリ確認できるようなストレス要因と症状との関連性を調べることになります。そのうえでその症状が特に強いのかどうか、仕事などに大きく支障が出ているかを調べるんです。
治療法に関しては、ストレスを取り除くこととストレスに対処する方法を学ぶことを薦められます。
ストレスが取り除かれると、半年以内に適応障害の症状はおさまるとされているんです。
ストレス要因によっては仕事を続ける道をお医者さんが一緒に探してくれるだろうし、続ける道が無いなら仕事を辞めないといけないという後押しをしてくれるでしょう。
まずは自分のストレス要因を調べ、症状と結びつけて適切な治療法を選ぶことができるように通院からはじめよう!
2.休職または退職して様子をみてみる
適応障害の可能性が高いなら、まずストレスから離れることが大事です。根本的に取り除かないと意味がありませんが、とりあえず休職または退職して様子をみるのもアリだと思います。
休職中・退職後は、なるべくストレスを受けないような過ごし方をしましょう。
体力が落ちていると感じれば体を休め、体力はあるけど倦怠感があるなら心を休めてみてください。明るく健康的な生活になるように心がけながら、自分の心身が回復するような行動をとることが大事です。
休職中はあまり遊んではいけないと思う人もいるかもしれませんが、遊ぶことが症状改善に向かうこともあります。
また、復職するときには転職エージェントなどの支援サービスを使うのがオススメですよ。
仕事において強いストレスとなっている要因を取り除くため、転職エージェントに「こういう仕事や職場はNG」と伝えておきましょう。そうするだけで、あなたが「適応障害かもしれない」と感じている症状の原因は取り除かれます。
あとはゆっくり焦らずに方向性を定めて、じっくり取り組むことが大事です。
3.余裕があれば今から転職活動を始めてみる
精神的・体力的にまだ余裕がある人や、適応障害ではなかったけど今の仕事を続けられないほどのストレスを抱えているという人は、今から転職活動を始めてみましょう。
仕事に支障が出るくらい強い症状が出ているのなら、その仕事を続けることは難しいと僕は思います。仕事自体を変えるにしても職場だけを変えるにしても、どのみち治療のために転職は必要不可欠になる可能性が高いです。
また、転職するしないに関わらず今の仕事におけるストレスなどを相談しておくことには意味があると思います。
転職活動を始めておけばそれだけで気分が楽になることもあるし、通院後やっぱり転職したほうが良いということになったとしてもすぐ動き出せるでしょう。
とにかくまずは病院、余裕がある人は転職活動!
これが、適応障害の疑いがある人が最初にとるべき行動です。