商社に入社した当時は、期待や願望・野望を持っていた人が多いのではないでしょうか。

商社勤務は憧れる人も多い人気職ですから、「最初から商社に入りたくなかった」という人は少ないと思います。入りたくないけど入らざるを得ないというような最後の選択肢になり得る職場では、決してありませんからね。

ただ、現在は「辞めたい」と思っている。

理由は各々の中で色々なものが渦巻いていることでしょう。そこで、商社の営業を辞めたくなる理由としてありがちなものを紹介した上で、商社を辞めるべきかどうか、辞めるならどうすればいいのかを考えてみたいと思います。

忙しいんだ、商社というのは

商社を辞める人が挙げることの多い離職理由ナンバーワンは、「忙しいから」だと思います。商社勤務は「激務」なんです。

出社は早朝、帰宅は延長、居残り残業、休みも就業、週末出張、自律神経は失調

圧倒的な激務で体に負担をかけながら日々を送り、生活リズムが崩れて疲れが溜まってしまう人が多いです。自律神経が乱れて余計に疲れを感じやすくなってからは、疲労の連鎖が続いてしまうようになって常にどこか疲労を感じている状態になってしまいます。

また、出張も多くて嫌になりますよね。

出張は極たまにあるから楽しいのであって、毎回毎回出張ばかりだと苦痛です。出張があると生活リズムを整える暇がありませんし、移動が多くて心も体も休まりませんからね。

このように激務のために、自らの体を案じて商社を辞めるという人は案外多いです。

家族への負担

商社勤務に出張は付き物だけど、転勤も付き物なんだよなあ。

仕事や職場に慣れた頃に転勤させられて苦痛だとか、友人と会えなくて辛いとか、自分都合で転勤が嫌だなと感じる人も多いです。ただ、独り身であればどこかで折り合いを付けて働き続ける人も多いように感じます。

問題なのは、家族のある人の場合ですよね。

転勤は家族への負担が、とても大きいです。特に子供がいる場合なんて、折角できた友達と離れ離れにさせてしまうことが心苦しいですよね。転勤族の子供は「地元と呼べる場所が無い」ことと「昔からの友人がいない」ことの二重のコンプレックスを持ちながら、成長します。

大人になってから転勤ばかりだった境遇を恨むという人も、多いです。

家族への負担を思うと単身赴任を選びたいところではありますが、そうすると今度は自分自身が辛くなってしまう…。

非常に難しい問題に直面し、やむを得ず商社を去っていく人が多いです。

僕が思う、商社勤務の向き・不向き

商社を辞めたいと思う理由を二つ紹介しましたが、それだけでは辞めるべきかはわかりませんよね。そこで、実際に商社を辞めるべきかどうかを判断する材料として「向き不向きがある」という話もしたいと思います。

商社は、とても厳しい世界。

入社ハードルが高いだけでなく、入社後の出世競争も激しい。有能な人材が多く集まるために、学生時代優秀だった人でも上に行けるとは限りません。ましてやダラダラと惰性で続けていけるような仕事では、決してないわけです。

商社に向いていない人というのは、商社勤務をする明確な目的・野望が無い人。

逆に言えば、野望がある人は商社勤務に向いているんです。

「世界的なビジネスに携わりたい」「大規模な事業を自らの手で成功させたい」「のし上がってやりたい」

その野望を実現させるために商社で働くんだ! と、明確に働く目的が言えますか? 何としてでも成し遂げたい野望があると言えた人は、その野望を叶えるまで、もしくは挫折するまでは辞めないことを僕は勧めます。

今ここで辞めると、絶対に後悔しますよ。

今は、激務に疲れているだけだと思います。働いていたら、誰しも仕事を辞めたいと思うことはあるんです。今の気持ちに任せて辞めてしまうのではなく、一度有給を取ってリフレッシュした上で思う存分やってみませんか?

野望がある人は商社に向いている。今すべきことは、心身のリフレッシュです。

野望が無い人は商社に向いていない。今すべきことは、転職を考えることです。

転職は難しいのでは?

辞めたいけど辞めようか迷っている人の中で、僕が「商社に向いていない」と語った特徴に当てはまる人は「転職できるのかなあ?」という不安で躊躇しているんだと思います。確かに、環境を変えるのはいつでも不安なものです。

ただ、元商社マンは転職市場では結構強い

商社は入社ハードルが高いし、仕事もハードで出世競争も激しい。それは商社勤務経験のある人だけの認識ではなく、「商社勤務」に対する世間一般の共通認識なんです。だから、元商社マンという肩書きがあるだけで転職は有利になります。

また、商社で営業をしているとあらゆるビジネスの基本を学べますから、色んな業界・職種への転職に有利になるんです。他業界の営業に転職するのはもちろん、営業が気が進まないなら、思い切って職種を変えてみるのも良いと思います。

商社から転職しやすいのは?

商社から転職しやすく、実際に転職先として選ぶ人が多いのは「メーカーの営業」です。

元商社マンが不満に思っていた「残業・休日出勤」などが、メーカーには少ないですからね。メーカーはカレンダーを重視するところが多いですから、特に休日出勤はゼロに近いです。プライベートの充実を図れると考えて、商社からメーカーに転職する人が多いんですよ。

また、コンサル関係に転職する人も多いように感じます。

今度は売る側ではなく企画に回りたいと考え、企画職を考える人も多いです。

個人的にも企画職はオススメですよ。商社の営業という「売り手と買い手をつなぐ架け橋」から、「作り手」に回るというのは実際合理的ですからね。

商社営業は買い手の声と売り手の声両方を耳にする中立の立場ですから、両方の立場で物事を考えられるようになるんです。商社営業を経験したからこそ企画できるものは、必ずあります。

僕がオススメするのは「メーカーの営業」「興味のある業界での企画職」です。

ただ、どんな仕事を選ぶにしても一番大事なのは「自分に合っていること」。自分に合っていない仕事だと、どれだけ興味がある仕事でも続けることはできません。今、商社を辞めたいと思っているのがその証明です。

今度は仕事とのミスマッチを起こさないために、転職エージェントを利用して自分に合う職種を担当者と一緒に考える、興味ある職種について徹底的に調べるなどの対策を打ちましょう。それさえしていれば、「元商社マン」の肩書きを武器に、転職を成功に導くことは難しいことではありませんよ。

もちろん、自分自身でその肩書きの強さを活かせなければ、簡単ではありませんがね。

ポイントは「ポジティブに転職すること」です。

商社を辞めた理由をポジティブに語り、その業界・職種を希望する理由をポジティブに語る。特に営業以外の職種に転職しようと考えている人は、そのことを肝に銘じておいてください。