「あー今日も仕事疲れた。このストレスを癒やしてくれるのは… 酒だ酒だー!」
ストレス解消のためにお酒を飲むのは決して悪いことではありません。仕事終わりの1杯はたまらないですからね。
しかし、「飲酒の頻度が高く、明らかに酒に逃げている」という人は要注意です。
僕もブラック企業に勤めていた頃は毎日のように飲んでいて、まさに酒に逃げている状態でした。
今回は、僕自身が過去に得た教訓をもとに、酒に逃げ続けることの危険性と改善策を紹介していきたいと思います。
お酒との付き合い方、見直してみませんか?
仕事のストレス解消を酒に頼りすぎるとどうなるか?5つの危険性を解説
アルコール依存症になる
ストレスから逃げるために酒を飲むのって、頻度が高くなりがちですよね。
すると、「お酒を飲まないとストレスに潰されてしまう」と感じるようになります。
精神的に依存するわけです。
さらに飲酒習慣を続けると「手の震え」「不眠」「発汗」「吐き気」「嘔吐」「不整脈」「集中力低下」など、さまざまな症状が出るようになります。
こうしてアルコール依存症になり、仕事はおろか日常生活にまで支障をきたすようになるんです。
仕事の辛さを酒に逃げることでやり過ごしている人は、既に「精神依存」まで進んでいる可能性があります。
行き着く先は、アル中です。
さまざまな臓器障害を引き起こす
大量の飲酒を長期間続けると、さまざまな臓器に障害が生じます。
たとえば、脂肪肝やアルコール性肝炎といった肝臓の障害ですね。肝臓は沈黙の臓器と言われているくらい、不調の予兆がありません。気付けば自分の肝臓はもうダメになっている…なんてこともあります。
ほかにも、口腔・咽頭がん、食道がん、大腸がん、胃がん、乳がんなどさまざまな「がん」が引き起こされる危険性もあるんです。
参考:SUNTORY「DRINK SMART」お酒のメリット・デメリット
今すぐにそうなる、というわけではもちろんありません。
だけど、このまま酒に逃げる生活を続けていると上記のような障害・病気になる可能性は十分にあり得るんです。
酔って理性が失われ、さまざまな不都合が生じる
酒に酔うと、少なからず理性が失われていきます。
「俺、酔っても変わんねえから」
そんなことを言っている人も、周囲に迷惑をかけないだけで実は理性が飛んでいるんです。
僕の友人にも「酔っても性格が変わらない人」がいます。
だけど、彼はストレスから逃げるために飲酒を続け、次のような事態に陥ったんです。
まず、大切な人の形見であるジッポライターを飲み屋に忘れてしまうという大失態をしてしまいました。
翌日気付いて店に連絡したら、既に処分された後…。
さらに彼には、「酔うと財布のひもがガバガバになる」という傾向があったんですよ。
どんどん散財。不要なものを買い漁り、生活費に手を付けてまでセクキャバに行き、果てには消費者金融に手を出す…。
酔いが表面に出ない人ですら、こうなるんです。
酔うと性格が変わる人の場合、友人を失ったり恋人を失ったりする可能性もあります。
眠りが浅くなり、仕事の疲れがとれない
寝酒を飲む人もいるでしょうけど、あれは「寝つきやすいだけ」なんです。
お酒を飲むと、アルコールを分解するために臓器が働いてしまいます。眠っている間にも体は働き続けるため、脳や体がしっかりと休めなくなるんです。すると、「寝たのに疲れている」という状態になります。
また、アルコールを分解するときに発生する物質が浅い睡眠を引き起こすんです。
仕事で疲れているのに疲れを癒せないのは、大問題ですよね。
仕事のパフォーマンスが落ちる。出世にまで悪影響が出る可能性も
アルコールが抜けるまでには、案外長い時間がかかります。
たとえば、ストロング系チューハイを2缶(700ml)飲むと、アルコールを分解するまでに10時間近くもかかるんです。
あなたが飲む酒の量と、アルコールが抜けるまでの時間を「キリンの飲酒習慣診断」を使って計算してみてください。
分解時間や体質、飲む時間帯によっては、翌日の仕事にアルコールが残るという人もいるでしょう。
アルコールが残ると、仕事のパフォーマンスは確実に落ちます。
たとえば、「下痢をして頻繁にトイレに行く」「身体が重くてしんどくなり、集中できない」「酒の匂いがして信用を失う」などの不都合が起こるんです。
仕事に影響が出るのは前半の数時間かもしれませんが、それが毎日のように続けば、飲んでいない人に比べて仕事の成果が出せなかったり、出世が遅くなるのは必然ではないでしょうか。
酒に逃げまくってる状況を抜け出すには?6つの改善策を紹介
仕事のストレスで酒に逃げる危険性を説明してきましたが、この危険な飲酒習慣は改善できます。
6つの改善策を紹介します。ぜひ参考にしてみて下さい。
飲むのは「適量」にしておく
お酒を飲むのは別に悪くありません。
僕もお酒が大好きです。「止めろ」と言われても「嫌だ!」と言うでしょう。
だけど、何事も「適量」というものがあります。
酒の適量は、「純アルコール20g」相当です。
具体的にどれくらいなのか、「SUNTRY」のサイトを参考に見ていきましょう。
- ビール:ロング缶1本・中瓶1本(500ml)
- 日本酒:1合(180ml)
- 焼酎:グラス1/2杯(100ml)
- ワイン:グラス2杯弱(200ml)
- ウイスキー:ダブル1杯(60ml)
- チューハイ:缶1本(350ml)
度数によって違いはありますが、大体こんな感じです。
ただ、適量だと物足りない人もいると思います。
そんな人にオススメなのは、ウイスキーとビールです。
ウイスキーが60mlあれば、長時間飲んでいられます。ちびちび飲むものですからね。
ビールも500ml飲めばそれなりに酔えますし、炭酸の刺激などで満腹感が得られます。
適量でも楽しみやすいお酒を、適量で。これがポイントです。
レコーディングで飲酒量を減らす
仕事のストレスで酒に逃げる現状を変えるには、レコーディングが効果的です。
飲んだ酒を「純アルコール量」に換算し、記録しておくんですよ。
純アルコール量を算出する式は、「飲んだ酒の量(ml)×アルコール濃度(度数÷100)×アルコール比重(0.8)」です。
現在の飲酒量から算出すると、適量と言われている20gよりも明らかに高い数値が出ると思います。
こうして飲酒量を数値化して記録することで、自分の飲酒習慣がヤバイことを客観視し、「酒を減らす必要性」をハッキリと実感できるようになるんです。
その実感によって、減酒や禁酒を達成しやすくなります。
レコーディング用にオススメのアプリは、「GizaPad(手帳アプリ)」です。
使いやすい日記機能があるのがオススメの理由。
日記に飲酒量などを記録し、いつでも見返すことができます。入力可能文字数が多く、感じたことなどを書きやすいのもポイントです。
仕事終わりの食事に「ノンアルコール」を取り入れる
仕事終わりの食事に酒じゃなく、ノンアルコール飲料を飲んでみませんか?
「ノンアルなんて酔えないし楽しくないでしょ」と思うかもしれません。
実は結構楽しいんですよ。
ノンアルコールビールも、近年はかなりビールに近くなってきましたしね。
あとは、ノンアルカクテル(モクテル)も面白い…。
また、炭酸水もオススメ。強炭酸を飲むことで、酒を飲んでるときの「喉への刺激」などを再現できます。食事の邪魔もしません。爽快感があって楽しいですよ。
こういう楽しく飲めるノンアルを飲むことで、楽しくストレス解消しましょう。
それで、ここぞというときはお酒を飲むんです。
数日ぶりに飲む酒ほど、うまい酒はありません。
仕事終わりの「ストレス解消法」を見直してみる
仕事終わりのストレス解消の手段なんてたくさんあるんですよ。
たとえば、お風呂。一人暮らしの場合は風呂に入るのが面倒でシャワーで済ます人もいると思いますが、あえて長めに風呂に入ってみてください。できれば入浴剤なんかも入れて。
そして、風呂あがりには、ノンアルコールの強炭酸。
こんな簡単なことでもストレス解消に一役買ってくれます。日常的な行為に時間をかけることで寝るまでの暇な時間が減り、飲酒を我慢しやすくなるというメリットもあります。
騙されたと思って試してみて下さい。
他にもストレス解消法はいろいろあると思うので、生活の身近なところから探してみてはいかがでしょうか?
「運動」の趣味をつくる
運動の趣味を作ると、自然と酒が離れていきます。
酒は運動との相性が悪いんですよね。
自転車を趣味にすると、自転車に乗るから酒を飲めなくなります。
筋トレを趣味にすると、トレーニング効果を出すために酒を控えるようになるんです。
しかも、運動はストレス発散になります。運動をしているときは他のことを考えられませんし、運動終わりの高揚感がストレスなんか忘れさせてくれるんです。酒に逃げるより、運動に逃げるほうがよっぽど健康的ですよ。
どうしても止められない人は病院で相談してみる
何をどうしても、仕事のストレスで酒に逃げる習慣を止められない…。
そういう人は、病院で相談してみましょう。
アルコール依存症専門の病院がたくさんあります。検査を受けて、依存症かどうか調べてみましょう。依存症だった場合は治療に専念してください。
依存症と診断されなくても止められないなら、心療内科でカウンセリングを受けるのもアリだと思います。
元々の原因は「仕事のストレスや辛さ、不安」なんだから、それらを和らげることができれば飲酒習慣も改善されるはずですよ。
これを機に「転職」という選択肢を考えてみてほしい
ここまで、仕事のストレスを酒で紛らわすことの危険性や、その習慣を止める方法・コツを紹介してきました。
だけど、先述の通り「元々の原因は仕事のストレス」にあるわけです。
あなたが今の職場・仕事で耐え難いストレスを受けていたり、悩みを抱えているのであれば、「より良い職場に転職する」という選択肢も考えてみるべきだと思います。
大元のストレス原因を取り除くことによって、酒に逃げなくても良い状況を作りましょう。
転職は飲酒と違って、逃げではありません。
闘う場所を変えるだけのことです。
酒に逃げてばかりいるんじゃなくて、しっかり自分の問題と向き合って、前を向きましょう。
そのための手段として、転職を検討してみてください。