仕事中に動悸がするという人、その状態が続くと危険です。
「仕事をしたくない」「会社に行きたくない」という思いが強い人によく表れる症状のひとつが、動悸。それを放置するとどうなるかを、僕はよく知っています。僕の友人が同じように「仕事中に動悸がする」という症状を抱えていたんです。
彼の話を紹介しながら、その状態の危険性と今後やるべきことを考えていきましょう。
仕事中の動悸を放置すると危険! 僕の友人が「どうしても仕事に行けない状態」になった話
古賀(仮名)という友人の話です。
古賀くんが入った会社の人間はどこかぼんやりとしていてやる気が感じられず、先輩も覇気がありませんでした。それもそのはず、月々の残業時間が90時間を回っていたんです。残業代だけはしっかり出るものの、忙しすぎて目が回る状態でした。
ひとりだけ真面目でやる気がある彼は人間関係も空回りし、無理をしてでも残業をこなし、望んだ環境ではなくても必死に努力を続けた。
そんなある日、彼の身に動悸が襲ったんです。
「苦しい…だけど頑張らないと! 僕は無能だからもっともっと頑張らないと…」
無理な努力を続けた結果、ある日、彼は仕事に行けなくなりました。
仕事に行こうとすると動悸が襲い、会社に近づくと過呼吸になる。どうしても仕事に行けない状態になり、会社に電話することもできず無断欠勤を経て、とうとう退職。
その後は「人と一緒に働くこと自体が不可能な状態」になりました。
働こうとするとまた動悸と過呼吸の発作に襲われてしまい、出勤不可能になる。それを繰り返すうちに人間すら怖くなり、電車にも乗れなくなってしまいました。
おわり。
仕事中に動悸がする原因と、放置しておく危険性
仕事中に動悸がするというのは、本当に怖いです。古賀くんの話を見て「あれで終わり?」と思うかもしれませんが、本当に終わり。それから古賀くんの働く姿を見た者は誰もいなかったエンドです。
そうならないように、仕事中に動悸がする原因と放置しておく危険性をもっと具体的に紹介しましょう。
仕事中に動悸がする原因は仕事や会社でのストレス
仕事中に動悸がする根本の原因は、仕事や会社でのストレスです。
ストレスにより自律神経が乱れていたり、出勤困難症という症状になっていたり、うつ状態になっていたりする可能性があります。まずは自分自身のストレスを自覚することによって、そのストレスから遠ざけてあげることが大事です。
自律神経失調症や出勤困難症などの人によく見られるストレス要因と言えば、次のようなものがあります。
- 残業があまりに多すぎる
- 人間関係がうまくいっていない
- ハラスメント被害
- 勤務時間が変則的(夜勤・早朝勤務など)
- 仕事で大きなプレッシャー・責任を感じている
- 失敗・挫折の経験
- 仕事に大きな不安材料がある
- 会社の立地がクソ
- 家族や友人の悩み
- 恋愛の悩み
人間関係・失敗や挫折の経験・プライベートな悩みは、出勤困難症の人に特によく見られる傾向があります。出勤困難症が何かということについては、仕事中の動悸を放置する危険性を語る中で詳しく説明しましょう。
いずれにせよ、以上のような悩みやストレスが大きい人は仕事中に動悸が起きやすいということです。
自分のストレスを客観的に把握するよう、自己分析をしてみましょう。
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仕事中の動悸を放置するとどうなるのかを具体的に説明します
出勤困難症というのは、その名前の通り「会社に出勤することが困難になる症状」のことです。言ってしまえば「不登校の社会人バージョン」というわけですね。
仕事に行けないのは甘えではなく、「どうしても仕事に行けない精神状態になるから」なんです。仕事中に動悸がするというあなたはまだ「仕事には行けている」ため、出勤困難症ではないかもしれません。
しかし、仕事中の動悸は出勤困難症の前触れである可能性が高いです。
事実、僕の友人「古賀くん」は仕事中の動悸を放置した挙句に出勤困難症になりました。心のどこかに仕事に行きたくないという思いがあるのなら、そうなる可能性は非常に高いです。
仕事中の動悸を放置すれば、出勤困難症になる。
じゃあ出勤困難症になった後はどうなるの?
まず、出勤困難症が悪化すると無気力状態になります。
何をする気力もなくなり、好きなことですら手をつけられなくなるんです。ベッドの隅でひたすら膝をかかえて、ぼうっとするだけになります。
続いて、「外で働くこと」自体に恐怖を覚えるようになり、就職自体が困難な状態になるんです。人間不信・人混みでのパニック・電車に乗れないなどなど、さまざまな不都合が起こります。
最終的には、うつ病です。
そういう状態になってしまう前触れが、今のあなたには起きています。
解決方法を考えないと、取り返しのつかないことになりますよ。
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仕事中の動悸を経験した今、やるべきことは?
まず、症状が長引いている人は病院に行くべきです。
そこで適切なアドバイスや治療を受けましょう。場合によっては休職や有給取得などをして仕事と距離を置くことも必要です。
そして、日常生活に問題がないのであれば、今の仕事(会社)を辞める方向で動き出しましょう。
仕事中に動悸が起こるということは、脳が「もうやめろ!」と警告している証拠です。ストレス要因を取り除く必要があります。残業時間や勤務形態などの仕事の根本にかかわる部分が動悸の原因として多いので、仕事を辞めるのが一番の解決方法ということになるわけです。
また、プライベートに不安なことや悩みがある場合はそれも解消しておく必要があります。
仕事とプライベートの両方を万全な状態にすることにより、動悸とは無縁の社会人生活を送れるようになるんです。
転職しましょう。
まず、自分のストレス要因を自覚するところから始めてみてください。その後に転職エージェントに登録して「こういう悩みがある」ということを相談し、転職活動の方向性を決めましょう。
そうして自分のストレス要因を排除できる転職先に転職を果たせば、今後は動悸もなくなるはずです。
出勤困難症やそこからのうつ病などにならなくても良くなります。
僕はもう古賀くんのような人を増やしたくありません。仕事中の動悸ひとつ見逃しただけで、今後の人生が大きく狂うことになります。もしかしたら、彼は一生働けないかもしれません。
だから、転職という選択肢を真剣に考えてみて下さい!