日本の国際的コンテンツのひとつであるアニメ業界の仕事に興味を持つ人は、多いと思います。ただ、未経験でアニメ業界に転職できるんだろうか? 中途採用は普通に行われているんだろうか? とわからないことが多いですよね。

アニメ業界は、制作現場を題材にするアニメがあったり、盛んにインタビューが行われたりしているものの、結構不透明な業界ですから。

そこで、アニメ業界にある職種や、アニメ業界に転職する前に知っておきたいことをそれぞれ簡単にまとめてみました。

※「アニメ業界を辞めたい人」の現状を知りたい人はこちら→ <アニメ業界を辞めたい人へ。辞めるべき理由と転職先選びのコツをまとめました。

アニメ業界の仕事をまとめてみた

アニメ業界の仕事内容を、制作進行とアニメーターの二種類に大別して紹介したいと思います。

制作進行の仕事を知ろう

制作進行の仕事内容は、各工程をまとめあげることです。

まず、原作物なら原作を読み、オリジナル作品なら原作者となる監督と一緒に内容を把握します。そして制作デスクから担当話数を振り当てられ、その話数の放送日から納期と制作スケジュールを逆算し、与えられた制作予算の中から外注費用や必要経費を算出するんです。

今度はその費用を使い、自分が担当する話数の原画などを行ってくれるアニメーターを探します。もちろん自社でも原画・作画を行う人間はいるんですが、大抵はそれだけだと賄えないので、下請けの制作会社やフリーランスアニメーターなどに依頼するんですよ。

そして、その話数を制作するために必要な資料集めをし、アニメーターとの打ち合わせを行い、進捗確認をし、アニメーターから原稿を回収します。

アニメの現場は基本的に何話も同時に進行しているため、各話の原稿がどの程度上がっているかをしっかり管理しなければならず、その管理に悪戦苦闘する場合が多いです。

また、なかなか原稿をあげてくれない人には鬼のように催促をします。

原稿が上がれば次の工程のスタッフのところまで持っていき、それが終わればまた次へ…。担当する話数が完成し、放送局に納品されるまで責任をもって面倒をみます。

納品後、次の担当話数納品を目指し、またリスタートするんです。

以上が制作進行の仕事ですが、彼らをまとめる「制作デスク」の存在も忘れてはなりません。

制作デスクは各話を担当するスタッフの割り振り、全話数のスケジュール管理を行います。体力的に最もしんどい仕事だと、言われることが多いです。

そんな制作デスクの上には、アニメ制作の最高責任者であるプロデューサーの存在があります。

プロデューサーの仕事は、外部企業との交渉・企画立案・制作する作品の監督選びなどなど幅広いです。制作中にはデスクや制作進行を統括して戦略を練るほか、来期に制作する作品の企画とそのための交渉などを並行します。

常に先を考えなければならないわけです。

アニメーターの仕事を知ろう

  • 監督
  • 演出
  • 作画監督
  • 原画
  • 動画
  • CGアニメーター

アニメーターというのは、以上のような人たちの総称です。

監督の仕事は作品作り全体を監修し、指示を出すこと。さらに、絵コンテ・シナリオを監督自身が作成するケースが最近は多いです。

そんな監督と二人三脚で仕事をしていくのが、演出

演出の仕事は、監督と絵コンテの打ち合わせをするところから始まります。監督がどういうイメージを持っているのかを口頭で確認し、演出が抱いた疑問点などをぶつけるんです。

絵コンテが上がったら、キャラクターの心情を踏まえて「こういう風に描いてください」と、作画・原画マン・作画監督などに説明します。そして、作画・原画マンが描いた成果物をチェックし、作画監督に回すんです。

その後も「撮影打ち合わせ」「アフレコ立ち合いとチェック」など、チェック作業の連続になります。

そして、演出の仕事と密接にかかわっているのが作画監督の存在。

作画監督が行うのは、演出の指示を確認しながら原画マンが描いたレイアウトをチェックし、修正を加えることです。チェックした結果、「これは全部修正する必要がある」と判断した場合、作画監督が描き直すことが多い。

続いて、第二原画という「原画の清書」を確認し、修正箇所があれば修正をする。最後には動画マンが作った動画をチェックし、適切に動いているかを確認します。必要に応じて描き直すのも、作画監督の仕事です。

漫画における編集の仕事に、漫画家の仕事を足したようなイメージですね。

ほかにも、BGM・SEを制作・監修する音響や、動画をまとめる編集・撮影などがあります。

アニメ業界に転職する前に知っておくべきポイント

アニメ業界の仕事を詳しく紹介してきましたが、アニメを描く仕事というのはほんの一部であり、実際には監修・チェック・修正・交渉などが多いんですよね。そんなアニメ業界に転職するときに知っておくべきことは、仕事内容以外にもたくさんあります。

ポイント1.アニメ業界の面接対策

アニメ業界の面接でよく聞かれるのは、次のようなことです。

  • 業界を志望する理由
  • 好きなアニメ
  • セクションの志望理由
  • その会社を選んだ理由
  • アニメ作りに大事なことは何だと思うか

業界を志望する理由はどんな業界でも聞かれますが、「アニメ好きであること」を前面に押し出して語り過ぎるとダメと言われています。

どうしてかというと、制作会社は「見ることと作ることとの違いを理解しているか」を重視して面接を行い、好きな気持ちが先行しすぎている人に対して「現実が見えていない」というマイナスイメージを持つためです。

ただ、好きなアニメは何かということには、しっかり答えてください。

面接の際の会話のとっかかりとして聞かれるんですが、ここでは「どういう視点でアニメを見ているか」を見られます。

制作者としての目線で語ることができると、プラスになるでしょう。

そして、「アニメ作りに大事なことは何だと思うか」という質問がものすごく大事。この回答によって「制作者の視点の有無」「適性の有無」などを見ています。

アニメの仕事は調整の連続であるということを踏まえると、コミュニケーション能力・調整能力などが大事という切り口で語ると効果的なのではないでしょうか。

ポイント2.アニメ業界の現状

アニメの需要が増加していることにより、年々「放送されるアニメ本数」が増加しています。深夜アニメは1クールに何十本も放送されており、それが年に4周していると考えるとおおまかな本数がイメージできるでしょう。

ちなみに、2017年には181本放送されました。

しかし、アニメ業界は人手不足です。

基本的にアニメ制作の現場はほとんどが激務のため、なるべくマシな会社を選ばなければ、心身ともにゴリゴリと削られ続ける日々を送ることになるということを意識しておきましょう。

会社選びを楽にする方法

アニメ業界に未経験から転職するには「どの会社を選ぶか」がとても大事です。ただ、アニメ業界の中途採用求人は「給料すら明記されていない」「勤務時間なんて書いているはずがない」というケースが多い。

そこで活用したいのが、転職エージェント。

転職エージェントが抱えている非公開求人は、一般公開の求人に比べて条件が良いものが多いです。そして、転職エージェントは各企業の調査を行っているため、給料や勤務時間などを募集する前から知ることができます。

転職エージェントを使って慎重に転職活動を進めることが、未経験からアニメ業界に転職するときに最も大切なことと言えるのではないでしょうか。